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日本全国魅惑のローカル梅たち

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ひとくちに「梅(梅干し)」と言ってもその個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多様。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べた… もっと読む
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#手作り梅干し

一関市で梅を買う〜梅干しの塩分についての現在の考え(岩手県一関市産南高梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事+2024年5月の追記です。(もともとの更新日付:2023年7月16日) 週末、一関市へ行った。 元々夫が車で秋田へ帰省するのに途中まで便乗させてもらい、私はそれからひとりで岩手を数日旅して戻る予定だった。一泊目に予定していたのが一関で、昼過ぎに近くの直売所へ行って生梅を探したが既に売り切れ(売り場はあったが台は空)。 その後、先へ進む夫を見送りホテルにチェックイン。近くの産直スーパー的店舗で見付けたのがこの梅で

東北各地に分布する大きな杏梅の系譜~山形にもやはり巨大梅、庄内の「せつないほど酸っぱい」節田梅、庄内産豊後梅来る(山形産節田梅・豊後梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事(旧日付:2023年7月18日)に2024年5月時点での情報を(農水省の調査を最新版に)入れ替えた記事です。 本年ここまで以下3品種の大きな梅を入手し漬けて来た。( )内は主な産地及び取り寄せ元。 ・高田梅(福島県会津地方) ・八助(別名なにわ)梅(青森県・秋田県) ・おうみ梅(秋田県北部、詳細は謎) 「梅」と呼ばれてはいるが、八助とおうみは梅ではなく杏。おそらくそのためだろう、梅の品種や生育地を知りたくて参照

谷沢梅と城州白の一部干し始め~週間予報のチェックは念入りに(谷沢梅その2&城州白その3)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年8月3日) 一昨日の午後、首都圏に派手なゲリラ雷雨が降り、昨日の昼まで空気が湿っていた。午後にはからっと乾いたようなので、翌早朝から谷沢梅を干すことに。 塩漬け後まる1ヶ月にはまだ数日早いが、谷沢梅には早く干したい事情があった。 というのは、ここ1週間ほどの高温期間、梅酢から表面が露出していた実のいくつかに白くふわっとしたものが発生。 おそらく産膜酵母と思われ、これ自体には害

室町期から大切に守られて来た希少梅・山形県寒河江市の谷沢梅来る(谷沢梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月7日) 谷沢梅の生梅、訳あり2.8kgを買った。 アンテナショップ「おいしい山形」で梅干しを買っただけではやはり満足できず…。 だって安かったから。でもとってもかわいい梅ちゃんです。買ってよかった。 谷沢梅は山形県寒河江市高松地区の集落で代々大切に守り育てられて来た、一説には室町時代以来400年の歴史を持つと言われる在来種の梅。集落の名前から「谷沢梅」と名付けられたそう

気品高い香り豊かな京都の梅、城州白梅来る(城州白その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月3日) なお、これまで梅関連の過去記事はなるべく同品種を連続して着手〜完成をわかりやすくして来ましたが、この後の分は梅仕事繁忙期で(6月下旬〜7月中旬)複数品種を並行していたため、記事内に他品種が頻出します。 そのため、元の投稿に近い順番で投稿していきます。 とうとう買った。 買ってしまいました城州白(じょうしゅうはく)。京都府原産の梅である。 特徴はなんと言ってもその香り

会津の梅、高田梅ふたたび(完熟高田梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月3日) メルカリでお買い得価格を見つけて買ってしまった。高田梅はまだ固いのを梅漬けにして気に入ったので、完熟も試してみたくなったのだ。 熟しているのでいくらか傷みもあるものの、注意深く洗って梅干しを目指してみる。 塩はいつもの鳴門の塩とシチリアの塩を混ぜ(途中で鳴門の塩を使い切ったから)、全体で15%弱。実も大きいし(だいたい平均5cm弱)、高田梅は青梅の時にだいぶ苦戦

越の梅の土用干し完了&お口すっきり、爽やかでとても美味しい赤しそ漬け(越の梅その2・干し過ぎ措置の反省と完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月25日) 6月下旬に漬けた越の梅を天日干しした。 当初、紫蘇漬け用の塩分10%(700g)と白干し用の同12%(550g強)に分けて塩漬けしたつもりだったが、なんと前週、塩分強めの方に一部カビが…。 慌てて該当箇所を取り除き、触れていた近くの梅も洗ったのだが、そうした措置もあってか皮破れが数個発生。越の梅は特に皮が薄いので、扱いにはじゅうじゅう気をつけなくてはならない。そ

中粒で果肉たっぷり、梅干しに最適!新潟産越の梅来る&2023年6月27日現在の梅仕事一覧

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月27日) 昨日届いて約一日追熟させた新たな品種「越の梅」。 皮が薄いので追熟させすぎないようにと予め売り手の方からアドバイスを頂き、仮に色が変わらなくても今日中に漬けるつもりでいた。 しかし昼には全体が黄色くなり、あたりいちめん良い香り!やはり待ってみてよかった。 漬ける前の重量は1,239g、購入時は箱込み1.5kgだった。 この梅は元々梅干しにしたくて買った。 越の

皮が薄くてデリケート!フルーティーな橙高梅干し終わり(橙高梅その2・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月27日) 三日三晩干すと乾き過ぎるため、片面24時間×2を目安にしようと3日目の早朝に当たる今朝、橙高梅を引き上げた。 干す前の状態(ちょうど1ヶ月間塩漬けした)はこんな感じ。たっぷり梅酢が出て順調に漬かった。 干し上がりは、見た感じはふっくらと美味しそうだが、いくつか萎んでいるものがある。皮破れとまでは行かなくとも、目立たない小さな傷があったのかも知れない。 そんな

桃や和歌山みかんに似た香り漂うフルーティな希少梅、橙高梅来る(橙高梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月26日) 「橙高梅」という、初めて聞く種類の梅を買った。 購入したのは大阪のフルーツショップのメルカリ店。橙高梅は2年ぶりの出品になるそうだ。 橙高梅は和歌山県果樹試験場うめ研究所(みなべ町)で研究交配により誕生。2009年に品種登録されたが、県外持ち出し禁止なこともあってなかなか生産量が増えず(和歌山県内の農家の殆どは南高梅を育てているから)、市場に流通することは滅多に

美しい群馬の梅の天日干し完了&その後(品種不明・その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月20日) 関東地方の梅雨明けもようやく発表され、これまで塩漬けしてきた梅たちを大手を振って干している。品種不明の群馬の梅も、今朝で三日三晩の天日干しを終えた。 買った時から傷みのないとても綺麗な大粒の梅だったが、下漬け中も皮破れやカビ等のトラブルは一切なく、10%の低塩で漬けたにも拘らず、美しさを保って実に綺麗に漬かった。 天日干しにも同様のことが言え、過度な乾燥や皮破

群馬県産のおつとめ品青梅を漬ける(品種不明その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月20日) 渋谷へ出掛けた帰り、菊名駅の東急ストアに立ち寄った。 ここは割とお気に入りのスーパー。乗換駅ということもあってか、入口付近の便利な場所にお惣菜・お弁当コーナーが設置され、種類も豊富で買いやすい。疲れて立ち寄ることも多いので、ここで自分のためのお弁当を買うのはささやかな楽しみ。 それと、生産者直送の野菜コーナーも欠かさずチェック。やや珍しい野菜が並んでいることも多く

減塩で漬け、途中でカビて白っぽくなったおばこ梅の手当てとその後(おばこ梅その2・完成編&現在の後記)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月20日) 青梅の状態で900g購入し、追熟させてから半量ずつ8%・10%で塩漬けしていたおばこ梅。室温が上がった時期にどうもカビそうな気配がした(梅酢が少~し濁り出している感じ)ので途中からワインセラーに移し、天日干し可能な「漬け始めから1ヶ月」が経過するのを待っていた。 すると満1ヶ月の当日から数日間晴天が見込める天気予報が出た。これは!と思って干し始めたところ、まる1

十郎梅の梅干し完成とその後(十郎梅その4~6、追記あり)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月26日,7月10日,7月20日) 豊橋の梅と共に、十郎梅の一部も天日干ししていた。 美味しい梅酢にひたひたに漬けていた十郎梅1)に漬けた実からの梅酢も出て、容器からこぼれそうになっていたからだ。最も梅酢少なめの3)はワインセラーに入れてあるのでもう少し漬けておく。 上が梅酢100%の十郎梅1)、その下が梅酢と塩で漬けた十郎梅2)の干し終わり。天日干し用に新たに角網を2枚買