見出し画像

追熟させずに漬ける美しいまんまる希少梅、氷見市生まれの富山県指定品種「氷見稲積梅」の梅干しキットをふるさと納税で(富山県産氷見稲積梅その1)

氷見市のふるさと納税で申し込んだ「氷見稲積梅」の梅干しキットが予定よりも10日ほど早くクール便で届いた。
送付が早まりそうな旨の連絡も、発送時のメール連絡も遅滞なくあり焦らず準備ができた。氷見市のふるさと納税は対応がきめ細やかで安心。

氷見稲積梅は、全国のローカル梅を調べる中でその名を知った。しかしよほど希少なのか、品種名が明記された加工品を見つけることも難しく(都内のアンテナショップでは見つけられなかった)、今回が正真正銘のお初でたいへん嬉しい。
事前(6/7受信)にいただいたメールによると、氷見稲積梅の特徴は以下のようなものだ。

「皆様、爽やかな初夏のみぎり、いかがお過ごしでしょうか。氷見では青梅の季節となりました。
氷見には氷見市生まれの富山県指定品種『氷見稲積梅』があります。氷見市内の国道160号沿線にも定植され、氷見稲積梅のシンボルロードとなっております。果肉が厚くクエン酸・リンゴ酸が豊富な梅で、この青梅エキスをたっぷり使用した、さっぱりとした味わいの梅ドリンク『氷見乙女』も人気です。
稲積梅は今年も問題なく収穫予定とのことです。青梅がたわわに実る景色を、ぜひ氷見にお越しになってお楽しみください。」

とても良いメール。思わず氷見へ行きたくなってしまう。地方の特色や特産品をふるさと納税を通じて知るのはとても良いことだと思う。

今回のキットは生梅1キロと厳選された塩。梅シロップキットもあったが、私はやはり梅干し派。

なお、同封のリーフレットによると、梅仕事前の追熟やあく抜きは不要で、すぐに着手して欲しい(遅くとも3日以内)とのこと。まだかなり青いが、青梅というほど固くないので早速仕込むことにする。

まずは計量。総重量は1,022g。

ひと粒あたりのサイズは、大きめのもので直径4.5〜5cm、35〜38gくらい。

特徴として目を見張るのは何よりその美しさだ。真球に近いきれいなまんまるに、つやつやした表面。色合いも良い。黄色くなる手前でこんなに感嘆した梅は初めてかも。
先日買った鶯宿もやはり美しいが、あちらはその名の通り緑色の美しさが印象的で色調が異なる。こちらはもう少し黄味を帯びた柔らかな色合いで、紅の入り方も優美で優し気。実の詰まりも良好である。美梅だなあ…。

同封の塩はこちら。

「シママース」および「青い海」は何度も聞いたことのある有名な塩だが、使うのは初めて。まろやかな味で、これなら美味しい梅干しができそうだ。
ただ、1kgの梅に対して120gは割と低塩。しかも同封のレシピでは使うのはそのうち110g(塩分11%)。

到着前に別途調べた同品種の漬け方ではさらに低塩の9%で漬けており、どちらの方法でも天日干しは二度干し(一度目と二度目の間は梅酢に漬け込む)して水分を凝縮させ、梅の味をより濃くすることで、できあがりの塩分を12%程度に調整するようだ。

ただ、それは真夏でも首都圏~西日本ほど暑くない氷見ならではの漬け方という気もする。このところ30℃超が続く首都圏で塩分9~11%で塩漬けすると、カビのリスクはそれなりに高い。
せっかくの希少梅、ひと粒でも傷めたくないのでとりあえず同封の塩を全量使った。あまり差はないけれど、まあ気持ち程度の安心感。

なお、やや固めの状態で漬け込むので、重石は梅の3倍程度とのこと。3.5kg程度の重石(小麦粉と塩の袋)をかけたところ、だいたい3日で塩が溶け、全体がじゅうぶん浸るたっぷりの梅酢があがった。その後は実をつぶしたくないので重石は外している。
これは他の梅も同様で、今年は今のところ全てファスナー袋で漬け、梅酢が上がった後は品種ごとに大きさの合う段ボール箱等に入れて、直射日光の当たらない場所で天日干しまで保管している。
氷見稲積梅の天日干しは、現地式に倣って二度干ししてみようと思う。

ただ、赤紫蘇を入れるかどうかは迷うところ。もともと白干しの方が好きなのと、しそ漬けに自信がないからである。
昨年もしそ漬けするか否かの判断がなかなかつかず、結果的に「天日干しの後しそ漬けを行う」梅ボーイズさんの方法を真似たが、この方法は私にはあまり合っていなかった。
後入れ法の利点は「梅干しの色が鮮やかに赤く染まる」こと。塩漬け段階で紫蘇を加えず、天日干しもしないため紫蘇の風味がかなりフレッシュに残る。そういう味が好きな方には向くが、私は紫蘇の風味が梅酢に溶け出して一体化している方が好み。後入れ法の梅干しを食べると「しそ味が浮いている」と感じ、味もややきつく感じる。
このため今年は天日干し前に紫蘇を加える従来の方法を試そうと思うが、何分初めてなので不安が…。
今のところ、量の多い福井梅(紅映梅)の一部はしそ漬けしてみようと思っているが、他の品種は漬け量が少ないので見送るかも知れない。

なんとなくの感覚だが、おそらく「しそ漬けした方が美味しくなる」品種とそうではない品種があると思っている。
私の中では南高梅、十郎梅、杉田梅はしそ漬けしてもしなくても美味しい品種。昨年漬けた越の梅と、杏系品種(というか100%杏)の八助はしそ漬け向きで、それ以外の品種はまだ判断がつかない。

ただ、この辺りはあくまで個人の好みだ。
そもそもどの熟の段階で漬けるか(青梅に近いやや固さのある状態で漬けるか、柔らかな完熟梅か)と塩分で梅干しの仕上がりは大きく変わる。同じ木から採れた実でもまったく違った梅干しができあがるだろう。現状気になっているのはこの辺りのさじ加減。
また、甘さを加えた方が好きか、加えるならどの材料を使うか(砂糖、はちみつ、ざらめ、氷砂糖、黒糖等)、紫蘇は入れるか等、梅干しの好みや漬け方は千差万別。干し方にもいろいろあるし、干し加減にも個人差があるだろう。

この辺りも梅探しと同様、毎年少しずつ好みを探って行きたいと思っている。
今年はどんな梅干したちができあがるのか、今からとても楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?