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これから独立する人へ、お金を借りるための準備について

これからウェブデザイナー、映像作家、エンジニアその他、これから独り立ちをする予定の人すべてにいいたい。

「お金を借りる準備をしておくことが大事です」と。

お金を借りるのは経営の基本

私はIT系の経営者やフリーランスのお金の相談にのっています。

そして、「お金を借りるつもりはない、必要がない」
という意見をたくさん聞いてました。

まあ、その人のポリシーだからね。
その人の意見を尊重しなきゃ、だからね。
だから、表立って「借りなきゃだめだ!バカモン!」と反対する気はさらさらありません。

その人が、「借金はダメよ」と、親からきつく反対されている場合もあります。

でも、あえて言います。
雇用されて働くならば借金はいらないかもしれない。
でも、自分自身で経営をしていくなら、お金を借りるのは経営の基本ですよ、と。

「これから先も絶対に借りない」と決めてしまってもいいですが、この記事を一度は目を通してから決めてもらいたいな。
というのが、私の願いです。

赤字でも経営は成り立つが、現預金が無かったら経営は破綻する

私はたくさんの財務諸表(会社の決算時についている成績表)をみてきました。その割合はヒミツですが、多くは赤字です。

まず、会社の立ち上げ時に赤字であることは珍しくなく、恥ずかしいことでもなんでもありません。
立ち上げ時でなくても、事業の目論見がはずれて一時的に赤字になるのは、大企業でも起こります。

赤字になったって銀行に内緒にする必要もありません。

でも、赤字だろうが、黒字だろうが、会社に現預金が無くなるなると、払うものが支払えなくなります。
支払えなくなると、取引が続けられなくなり、周りから人が去っていき、会社は倒産します。

会社の成績はもちろん大事だけど、最も重視するべきは「いつも手元に現預金があること」です。

現預金がなくなってからでは、貸してもらう条件が悪くなる

長く経営をしていると、現預金が無くなる事態がやってくるかもしれません。
ずっと右肩上がりに成功し続けるストーリーというのは、私が知らない毛で、ひょっとしたらあるかもしれません。
しかし、多くの経営者が資金面でピンチを経験しています。

言わないだけです。

一時的なピンチでも経営が続けていけるように、現預金が無くなる前に借りておきましょうというのがこの原稿の主旨です。
が、現預金が無くなっても貸してくれるところはあります。
ビジネスローンや、カードローンです。
ただし、これらは、利息が高くなります。

ビジネスローンや、カードローンは利率が高いです。
借りている途中で、利率の低い融資に切り替えようとしても難航します。
利率の低い金融機関からはそっぽを向かれてしまいます。

現預金がなくなってからでは、新しい挑戦が難しくなる

現預金が枯渇することで、深刻な問題が出てきます。

ビジネスローンや、カードローンで、余計に借りることはしないでしょう。
利息が高いからです。

そこから、ギリギリの経営状況がしばらく続くようになります。

新しい挑戦には、なんでも出費が必要です。
出費が必要なときに、挑戦をためらうようになります。
挑戦をためらうことで、事業が停滞しがちになります。
現預金が少ないと事業が進まなくなるのです。

私は、支払えるかどうかも問題ですが、挑戦できなくなることにこそ一番の問題があると思います。

経営で手が止まってしまうのと比べれば、低い利息の金融機関で資金調達をした方がいいと思いますが、どうでしょうか?

事業を始めたときが、最も借りやすい

日本政策金融公庫は、新創業融資制度という貸付制度を用意しています。

借金であることには変わりませんが、担保・保証人が原則不要です。
詳細はリンク先を見てほしいですが、国が用意した良い制度です。

お金は無くなった後に貸してくれるところは、利息が高いところばかり。
利息が低いところは、お金があるうちに借ります。
お金が間違いなくある時は、資本金が用意された立ち上げ時です。

しかも、創業時には国が用意した、担保・保証人が原則不要の貸付制度がある。

事業を始めたときが、最も借りやすいという理由はそこにあります。

「借りるのは怖い」というのは、借りた全額を使ってしまうからです。
借りたうえで全額を取っておくことを目指しましょう。

お金があると安心して働けます。
カツカツの状態だと、資金繰りのために、本業を休んであちこち駆けずり回るかもしれません。
あちこち駆けずり回る状態では、前向きな良いアイデアも出ません。

転ばない仕組みは立ち上げ時に作りましょう。
転んだあとになって、転ばない仕組みを作るのは難しいのです。
もちろん、不可能ではないですが、大変ですよ、という話。)
それがお金の管理の超重要な基礎知識です。

それでもお金を借りないという選択はありです。
でも、最初から圧倒的なキャッシュリッチな経営を目指すべきです。
細々とやっていけるビジネスモデルでは、危険なのです。

お金を借りやすくする準備をしよう

ここまで書きましたが、それでも借りたくないという人はいるでしょう。
それでも、いざというときに借りやすくする準備はしておいた方が良いでしょう。

2つ紹介しますが、どちらも急にはできません。
損しない2つです。どちらかと言えば得になるでしょう。
いざというときのために、ぜひ取り組んでみてください。

小規模企業共済に加入する

小規模企業共済は、以前にも記事にしましたが、退職金の積み立てです。
私も何度か紹介しています。

一定期間、積み立てを続けることで、貸付が受けられます。
低利子で、ほぼ審査がなく即日に貸し付けを受けることも可能です。
税金の節税もできるのでぜひご検討ください。

信用金庫や地方銀行に口座を作っておく

日本政策金融公庫は国が用意した貸し付けを行う専門の機関です。
民間の金融機関からもお金を借りられるようにしておきましょう。
近くの信用金庫や地方銀行に口座を作ることから始めます。

大きな都市銀行の銀行口座は便利ですが、都市銀行は、お金を貸す対象としては、小規模の事業者を相手にしてくれません。
民間の金融機関から融資を受けられるようにするためには、信用金庫や地方銀行に口座を作ります。
そして、毎月少額でも貯金をしておくのがよいでしょう。


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