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短編小説「年に1回の永遠の命」

私はこの時期にだけ年に1回、生き続けている。

今年もまた目覚めた。
今年はどの家に行こうか、どんな子達がいるのか
ワクワクするとともに、不安も募る

なぜならば、以前は
年に1回とは言え、10年は生き続けた命が
98年と短くなっていっているのである。
その家によっては1回も誕生しないということもある

自分は何のためにいるのか
夢や嬉しさ楽しさのために誕生するのであって
たとえその命が短くとも清いまま永遠に残るのである。
そう、大人になっても

できれば、世界中に誕生したい
そして長く生き続けたい

細々と私が消えてしまわぬように
今年も誕生し生き、そして永遠の命を灯すのだ。

どうか私をいつまでも忘れないで欲しい。

             おわり

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