普段は目を向けない内側にも、時には光を当てることは必要だと感じた|長岡市公立小学校の研修から
だいぶ以前のエピソードですが、2019年7月、新潟県長岡市の公立小学校にて、教員向け対話の研修を実施しました。そのときの様子をご紹介します。
感度の高さと行動力に溢れる校長先生から、「初めまして」とともに「ぜひ対話の研修をやってほしい」という直接のメッセージがきて、急きょ実施が決まった教員研修。先生方は何をやるのかよくわかっていない中、研修が始まった。
教務主任S先生の葛藤
サークル型に座ることそのものに抵抗があり「こういう場自体が苦手」と、身体を斜めに座っていらっしゃった大ベテランの教務主任S先生。
と、要所要所で発言される。
研修が進み、自分が長年ずっと痛みを感じてきたことを涙をにじませて話された女性の先生。その痛みの奥にある、大切にしたい願いに触れて、その願いのためならこれまで踏み出せなかった一歩を踏み出す勇気が持てる、と全身に活力がみなぎり、イキイキとした表情に変化した姿。
そんな他の先生方の様子を見ながら、教務主任のS先生は、葛藤しながらも少しずつ相手に寄り添おうと歩み寄る。
でも、その後も何度もくり返し自分が選ぶニーズは「意味」
「この共感が対話につながる意味がわからない」
「意味がわからないと、動けないし責任が取れない」
自身の体験を語り始めたS先生
そして、最後のワーク。「担任制は必要ない」という主張に立った教務主任。ずっと腕をくみ、かたい表情をされていた先生が、主張の背景にある自身の体験を語り始めた。
目に涙をにじませて顔を震わせ、全身が赤くなり、絞り出すように、魂の声を伝えてくださった教務主任。先生の圧倒的な愛と願いに触れて、その場にいた全員が心揺さぶられる。
今年転任してきたという女性の先生が「私は正直これまで、教務主任にはとっつきにくいというかw、壁を感じていたのですが、今の先生の話を聞いてとても近くに感じるようになった。先生の内側に触れることができた」と感想を伝えてくださった。
そんな教務主任の研修後アンケートがこちら。
ずっと「対話の意味とは何か」「感情を見る意味とは何か」を問いかけていらっしゃった先生が見いだした意味は「自分らしく生きていくために」。
男たるもの感情をさらけ出すなんて恥だ、と教わり、そう生きてきたベテランの先生にとって、内省して感情を明かすことがどれだけしんどかったことか。そんな中で、葛藤しながら、もがきながら、自ら自分の願いにたどり着いた先生の魂の力に私自身、涙がとまらなかった。
痛みの奥にある願いに耳を傾ける
これまで信じてきたことを手放す痛み。でも、形は変わっても、そこに込めた願いは永遠に生き続けることができる。
痛みの奥にある願いに耳を傾ける。信じて、諦めずに、何度でも。
真実と願いに触れる美しさを教えてくださったS先生に心からの尊敬と感謝を込めて。
他の先生方の研修後アンケートの言葉が、珠玉の数々。ぜひご覧になってください^^
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