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【受験体験記】RHCE(Red Hat 認定エンジニア)

Red Hatレッドハット社が提供しているIT資格「RHCE(Red Hat 認定エンジニア / Red Hat Certified Engineer)」を2023年3月に受験しましたのでご紹介します。


RHCE とは

RHCE(Red Hat 認定エンジニア / Red Hat Certified Engineer)とは、Linux ディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」で有名な Red Hat 社が提供している自動化スキルに関するベンダー資格です。Linux システム環境のデプロイ、管理、サポートを自動化するための Ansible Automation に関する実践的な知識が求められます。

  • 試験時間:240分

  • 受験料:50,000円(税抜)

  • 合格ライン:210点 / 300点

RHCE の認定には以下の2点を満たす必要があります。

RHCE のスキルパスは以下のようになります。

出典: Red Hat

受験までの流れ

Red Hat の「トレーニングと認定」から試験の申込みができます。

受験対策

研修・教材

RHCE 認定試験はコマンドを打つ実機試験のため難易度が高く、Red Hat は下記のコース受講をおすすめしています。

RHCE 認定試験は、公式サイトに記載の「試験の学習のポイント」を前提に出題されますので、各ポイントの設定方法やコマンドを使いこなせるようにする必要があります。

  • RHCSA として担当するすべてのタスクを実行する能力

  • Ansible のコアコンポーネントの理解

  • ロールと Ansible Content Collections の使用

  • Ansible 制御ノードのインストールと設定

  • Ansible 管理対象ノードの設定

  • Automation content navigator による Playbook の実行

  • Ansible の Play と Playbook の作成

  • コンテンツの管理

  • 以下と連携する Ansible モジュールによる RHCSA タスクの自動化

    • ソフトウェアパッケージとレポジトリ

    • サービス

    • ファイアウォールルール

    • ファイルシステム

    • ストレージデバイス

    • ファイルコンテンツ

    • アーカイブ

    • タスクスケジューリング

    • セキュリティ

    • ユーザとグループ

Ansibleについては公式ドキュメントにコマンドや用法が記載されておりますので、非常に参考になります。

独学の場合、英語ですが Amazon で取り扱いのある以下の認定ガイドは有用そうです。

スケジュール

私は学習期間を3ヶ月として以下のスケジュールで臨みました。

  • RH294 を受講(4日間)

  • 実機に Ansible 環境を構築して実習(2ヶ月)

  • Ansible コマンド・設定の暗記(1ヶ月)

今回は機会があり、RH294 を4日間受講しました。当時の対象 OS はまだ RHEL8 で、EX294 受験も RH294 受講後すぐ、RHEL8 で申し込みました。

最初の2ヶ月は、自宅に Ansible の実行環境を構築して Ansible のコマンドを使いこなせるようになるまで実機で実習しました。Red Hat Developer サブスクリプションで16台まで RHEL8 をインストールできました。

仮想化ソフトウェアの Virtualbox に RHEL8 の仮想マシンを複数台構築して実習しました。Ansible の実習には Ansible が動作する1台の「コントロールノード(Control Node)」と、Ansible で管理される1台以上の「管理ノード(Managed Nodes)」が必要です。管理ノードは3台もあれば十分で、ディスクなど不可逆な操作のためにスナップショットを撮って復元できるようにすると便利でした。

  • コントロールノード:1台

  • 管理ノード:3台(スナップショット取得済)

最後の1ヶ月は、実習に加えて Ansible のコマンド集・設定集を作成し、通勤などのスキマ時間に見直して覚えました。

受験当日

普段はオンラインで受験しないので、RHCE 認定試験(EX294)は現地で受験しました。

Red Hat の試験会場は、Red Hat 側で用意した小部屋に実機端末とカメラが置かれており、おそらく英語話者の監督官とはリモートでやり取りします。監督官とはチャットでやりとりでき、リモート受験と同様に、リモートで身分証を見せたりカメラで部屋を見せたりしました。チャットは英語で飛んできますが、英語がわからなければ監督官が日本語翻訳でやりとりしてくれることもあるようです。

受験時間は 4 時間で、問題に対して実機でコマンドを叩いて Ansible でサーバを構築します。実機なので問題があれば自分でトラブルシューティングする必要があり、RHEL で実践的に問題解決できる知識が試されます。試験後は構築したサーバを再起動後に設定が反映されているか採点されるため、永続的な設定変更が求められます。4 時間といったら試験時間としては長いですが、時間は 4 時間すべて使ってしまい、むしろ足りない感じでした。

なお、試験中はインターネットにはアクセスできませんが、オフラインで英語の Ansible ドキュメントにアクセスできるので、コマンドや設定を忘れた時にドキュメントから探せる練習をしておくと良いです。 

受験結果

スコアは 242 / 300(合格ラインは210)でギリギリ合格でした。各出題範囲における成績がされまして、私は以下の通りでした。正直あまり手応えがなかったので合格できて良かったです。

試験の成績
RHCE 認定証

まとめ

Red Hatレッドハット社が提供しているIT資格「RHCE(Red Hat 認定エンジニア / Red Hat Certified Engineer)」認定試験についてご紹介しました。

  • 受験内容:Ansible Automation のスキル

  • 受験資格:RHCSA の取得

  • 勉強時間:3ヶ月程度

  • 勉強方法:研修・実機へ環境構築してコマンド実習

Red Hat の認定試験は実習試験の関係上、難易度が高かったです。RHEL の中でも Ansible という毛色の違う試験で、とは言いつつも RHCSA で勉強した Linux の知識もバリバリ必要なのでしんどめでした。取得する人が少ないからなのか、インターネットに情報があまり落ちていないので、今回ご紹介してみました。

RHCE の上には、最上位の RHCA(Red Hat 認定アーキテクト)もあるようです。これを目指すとなると更に大変になりますね…

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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