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「実際にできるかどうか」が重要

分かってるけど、できないこと

最近は「知識を持ち合わせたお客様」も大変増えてきました。

「健康への関心の高さ」であったり「有益な情報が無料で学べる時代」ということなど色々と要因はあると思いますが、

以前であれば専門家しか知らないような情報も、一般のお客様が認識されていることに大変驚いています。

ただしここで問題になるのが、

「知っていても、できないこと」

ということです。

例えば、ダイエットに関して、

・アルコールは摂取しないこと
・糖質、脂質は控えめにすること

など、知識は持ち合わせていても、実際にそれをご自身の生活で実践できるかどうかというと、別の話になります。

僕は現場で指導する人間なので、

「どうしたら実践できるか」

まで考える必要があるので、

「わかっているけど、やめられない」

「知っているけど、できない」

という方への対処方法をいくつか紹介したいと思います。

①思考をおさえつけない

まずは「思考ではなく、行動を重要視する」ことを提案します。

トリニティ大学の実験で、

「これから5分間、シロクマのことを考えないでください」

と指示すると、被験者は気がつけばシロクマのことばかり考えてしまった、という実験です。

考えてはいけないと思えば思うほど、かえってそのことが頭から離れなくなります。

ダイエット中に、

「仕事終わりのビールをやめよう」
「完食にスイーツをやめよう」

と考えれば考えるほど欲しくなるのと同じです。

このときに大事なのが、思考で「やらない」と決めても無駄だということを理解することです。

それよりも、思考のコントロールを

「あきらめる。無理におさえつけない。感じるままに受け止める」

と切り替えることで、行動をコントロールしやすくなります。

頭では悪いことを考えても、実際に悪い行動をしなければ何も問題ありません。

「思考よりも行動を重視する」考えです。

不安やうつなどの精神疾患も、頭の中でぐるぐる考えれば考えるほど深みにはまります。

不安やストレスを感じても、

「あー、最近不安を感じることが多いな」

とその思考を受け入れ、そのときにできることを実際の行動に移せばOKです。

「受け入れる」と同時に「〜しない」と押さえつける思考も良くありません。

「お菓子を食べない!」

と決めると、余計に食べたくなるので、

「野菜と魚を食べる!」

と決めた方が、結果的にお菓子をやめられるようになります。

「やらない」を「やる」に思考を変えることで、結果的にやらないことが達成できます。

「お菓子を食べない!」と我慢するダイエットは結果的にさらに欲しくなるので、リバウンドする確率が当然上がります。

おさえつける、というやり方は効果を発揮しません。

②他人の意志力を使う

「肥満は感染する」という研究結果を、ニコラス・クリスタキスとジェームズ・フォーラーは発表しました。

①友人が肥満になった場合→自分も肥満になる確率が171%も増加
②姉妹が肥満になった場合→自分も肥満になる確率が67%も増加

というデータがあります。

意志力の弱さは、ウイルスのように「感染」すると言えます。

逆を言えば、意志力の強さも感染します。

「日頃、誰と一緒に過ごすことが多いか」

が大きく影響すると言えます。

そこで「わかっているけどやめられない」という人は意志力の強い人や集団に入ることをお勧めします。

ジョギングが続かない→ランニングサークルに入る
お酒がやめられない→断酒に成功した友人と食事に行く

など、意志の強い人からの影響をうまく利用すると良いです。

ここで面白いのが、実際に合わなくても意志の強い友人や先輩を「想像する」だけでも、効果があります。

お酒を飲みたい、と思った時に日頃から自己管理して体型も管理している友人Aさんを想像して、

「こんなとき、Aさんならどうするか?」

と考えるだけで、行動が制限されるそうです。

ここで大事なのが、「親しい人の意志力ほど感染しやすい」ということなので、

トップアスリートやテレビに出てる芸能人を想像しても、自分には関係がないと考えてしまうため、効果が発揮されません。

「自分と関係がある」と思える親しい人を想像することが重要になります。


社員の愚痴や文句が多い職場にいると、自分自身も愚痴が増えるというデータもあります。

それほど身の周りの影響を知らず知らず受けます。

自分に近い人の影響を受けるため日頃から「誰と一緒にいるか?」がとても重要になります。

トレーニングが続かない人も、トレーニングを習慣にしている友人と一緒にトレーニングをしたり、トレーナーをつけて指導してもらうということも一つの方法です。

③意志力が強い「朝」を有効活用する

自制心や意志力も筋肉と同じように、発揮し続けると疲弊し弱くなります。

そのため意志力が100の状態である「朝」は、

「難しい仕事」「頭を使う仕事」

にして、昼から夜にかけては、

「単純作業」「慣れている仕事」

に切り替えたら良いと思います。

例えば運動を習慣化したいときも、最初は強い意志力が必要になるので、

・起床後、ウォーキングする
・出勤前にジムに通う

など、朝に組み込んでしまうことです。

習慣化してしまえば、昼でも夜でも行えるようになります。

・初めてチャレンジすること
・これから勉強したいこと

は朝を有効活用することで、意志力がうまく発揮されます。

ちなみに「疲労感は肉体ではなく脳が生み出している」と、ケープタウン大学の研究で明らかになっています。

例えば「疲労感を感じている時にジョギングをしたら、心身ともにすっきりした」という経験は、運動をしている方なら誰でもあるとおもいます。

これも肉体が疲労感を感じていたとしたらジョギングをした後はさらに疲れるはずですが、脳の疲労感の場合は運動することで分泌されるセロトニンやエンドルフィンというホルモンのおかげで脳が回復し、すっきり感が生まれたと言えます。

そのため、午後から夜にかけても意志や判断力が必要とされる方は、仕事の合間に簡単な運動をはさむことで、脳が回復すると言えます。

また、甘いものやお酒が欲しくなるのは根本には「ストレス」があるため、運動をすることでそのストレスも和らぎ、結果的に甘いものやお酒への「自制心」も生まれます。

以上をまとめると、

「わかっているけどやめられない」
「知ってるけど、実践できない」

というようなコトがあるときは、

・我慢(〜しない)ではなく行動(〜する)を重視する

・欲求が出ても受け入れ、行動はしないようにする

・すでに実践している人と一緒に行う

・すでに実践してる人を想像する

・夜ではなく意志力がマックスの朝に実践する

など、自分でできそうなことから試してみることをオススメします。

<参考文献>


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