復興シンドローム【2015/04/15~】⑬
「ここで立ってれば、新しい車がぎょうさん通りよるし、見ていて楽しい」
体格の大きい関西弁の御大が、笑顔で話しかけた。彼は太っていて、歩く姿も
ノッシ、ノッシ
という擬音がぴたっりだ。彼が怒っているところを誰も見たことがない。いつも笑顔で人生を楽しんでいるようである。震災当初から東北各地の復興の仕事をやっており、昨年この仕事についた。
「宿舎も完備されとるから、言うことなしだわ。やっぱ福島の復興関係の仕事は嫌がる人が多いでな。楽でええのに。みんな心配し過ぎちゃう?」
「いや、