さて、前回の続きをお話ししよう。 結論から言うと、僕は今日FTMを辞めた。 僕は確かに自分が「生物学的に」女性であることにゾッとする。そして「あたし」「わたし」という一人称を使えない。そして身体や見た目の男性化を望んで、病院めぐりをした。 ここで言えるのはただ単に僕の身体が女性で僕の心が男性であることだけだ。そしてこれはまだ、「僕がどういう男性であるか」を説明できていない。 僕は昔で言うところの「オカマ」が入っている。 なよっとしていて、美しいものが大好き。 女装も大好
数日前までFTMだった時の僕が見たのは あまりに酷すぎる現実。 1つ目。FTMは(FTMに限らずLGBTは)戦わなければならない 男性になる為に注射や手術を受けるのにさえも 医師との圧迫面接のようなやり取りを2年も続け、「受から」なくてはならないし、その後も改名や男性戸籍その他諸々を「勝ち取ら」なくてはならない。 不公平。この一言に尽きる。僕は雑草と同じで、ただ生きていたいだけなのだ。なぜLGBTというだけで、そんな体育会系でもないのに「戦い」続けなければならないのか。
未治療FTMの20代の僕は職場で カミングアウト後も 50代男性からのセクハラを受けている。 照明を落とした夜のリビングにひとり。 「どうせ俺はメスなんだよ」 タバコの煙をくゆらせながら呟く僕の声さえも それに追い打ちをかけるように、 細く、嫌という程「女」だった。 僕は望んで未治療なのではない。 治療を受けたくても、 いつ受けられるか分からないまま 何ヶ月も待たされている。 当然、不本意ながら 100パーセント女性の体を持っていることは それだけでも耐え難い苦痛だ。
治療待ちFTMの僕は今、 FTMであることから離れている。 女性のふりをしているわけではないし、 性別のない化け物になったわけでもない。 自然と頭の中からFTMという言葉が消え、 一人の、どこにでもいるただの男として この世界をブラブラ冒険している。 ときおり通り過ぎる綺麗な女性に 振り向きながら。 不思議な精神状態だ。 治療は当然、まだ長い待てをさせられている。 カウンセリングにもまだ行き着けない。 ということは今後も待たされる。 しかし僕は気づいた。 今までのよ
FTMの治療を受けると決意してから 1ヶ月以上が過ぎた。 なんとまだ、病院に行けていない。 それはなぜなのか。 まず、親の理解に2週間。 母は娘を失ったショックに何度となく泣いたが 僕は絶対に諦めまいと毎日説得し続けた。 ようやく折れてくれ、 持病の自閉症で通っている精神科に相談した。 ところがその病院では 性別違和の治療は行っておらず、 病院内のワーカーさんを紹介してもらう。 そのワーカーさんからの返答までに3週間。 その間、僕はどうなっていたか。 毎日、今もだが、
未治療、または治療待ちの状態で カミングアウトを検討しているなら この記事を読んでほしい。 僕は、カミングアウトに失敗したFTMだ。 順番を間違えた。後悔している。 僕は職場でのカミングアウトを、 アンケートを配布回収する形で行った。 誰かに教わったわけではなく、自己流だ。 そこには自分がFTMであることと FTMについての説明、 男性として扱ってほしいこと、 通称名で呼んで欲しいことなどを記し、 回答者の名前とそれを理解するかしないかを 記入してもらった。 ほとんどの
僕には忘れられない出会いがある。 かつて違和感を押し殺して 女性として振舞っていた時のことだ。 治療を受けられなかった僕は当時、女性として生きていくしかないと諦めていた。 だからネットで出会ったそのFTMと結婚して彼を夫にしてあげることで自分の夢を叶えた気になりたかったのかもしれない。 しかし実際には、 彼になりたいくらい、ただただ眩しかった。 ホルモン注射を受けているという彼は男性そのものだったし、仕草のひとつひとつがとてもかっこよかった。彼は明るく、強く、眩しかった
今回はあくまでもFTMの僕自身の一個人としての考察であることを念頭に置かれたい。 さて、MTFはテレビに出るのに、なぜFTMはテレビに出ないのか。 僕が思うに、FTMのもつ男性性とMTFのもつ女性性がネックになっているのではないだろうか。 例えば複雑な過去を抱えた女性というのはとても強く、壮絶な過去のこともあっけらかんと話してしまう。 対して複雑な過去を抱えた男性はどうだろうか。個人差はあろうが、女性のようにケラケラと笑い話に変えて誰にでも話すことはあまりない感がある
今回は少し重い話になるので、 気分が落ちている方は画面を閉じて頂きたい。 僕がどうして28歳にして FTMとして歩き始めることになったかをお話ししたい。 僕は12歳の頃には自分の心が男性であることに気づいたし、一人称は俺だった。制服のスカートを履かされるのが気持ち悪かったし、何よりなぜ自分が好きな女子と同じ服装をしているのか、ひどく気まずく不自然に感じていた。 しかし親や精神科の主治医(自閉症のため元々通院していたのだ)といった、僕を理解し治療につなげるべき大人たちは、
この世の中にはよく分からないものが たくさんある。 中でも僕にとって??となるのがこれ。 「FTMが男性以上に男らしさを求められる風潮」。 もちろん筋肉ムキムキでいい車を持ち、女性にモテていてそれを良しとするFTMはそれはそれでクールだし僕のようなヒョロヒョロオタクはむしろ憧れる。 しかし男性の中に化粧や編み物を好む人がいるように、当然ながら我々にも多様性があってむしろ当たり前ではないだろうか。 ちなみに僕は訳あってスタートが遅れたが、(この事情については後日記事を書