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【治療待ち】FTMであることから離れてもいい理由

治療待ちFTMの僕は今、
FTMであることから離れている。

女性のふりをしているわけではないし、
性別のない化け物になったわけでもない。

自然と頭の中からFTMという言葉が消え、
一人の、どこにでもいるただの男として
この世界をブラブラ冒険している。
ときおり通り過ぎる綺麗な女性に
振り向きながら。

不思議な精神状態だ。

治療は当然、まだ長い待てをさせられている。
カウンセリングにもまだ行き着けない。
ということは今後も待たされる。

しかし僕は気づいた。
今までのように暴言を吐いて荒れたところで
診断、治療まで地獄の待ち時間が
変わることはないのだ。

そして思いついた。
待ち時間があることが変わらなくても、
待ち時間の質は、変えられると。

地獄の待ち時間が、
少し退屈な夏休みくらいに変わる余地は
十分にあるのではないかと。

FTMであることは、僕の全てではない。
それは今この記事を読んでいる
FTMの皆さんにもいえることだ。

ひょうきん者、女好き、ジェントルマン、
バンドマン、オタク…なんであれ、
あなたは独自の進化を遂げた
とびっきりのナイスガイである。

治療が進まない中、
FTMであることをメインビジネスにしていては
とてもじゃないがやってられない。

今も、治療が進んだあとも、
続けたいことを考えてみよう。
あなたを、あなたらしくしているものを。
それがあなたのメインビジネスだ。

治療を待たされていることが辛いなら、
いっそ治療を受けることを
サイドタスクにしてしまえばいいのだ。

僕のメインビジネスは、
世界の文化を見たり集めたり
はたまた読んだり食べたりして
部屋にいながらにして世界旅行することだ。

きちんと手続きを踏めば、
あなたがこの世界に散らばるワクワクを
丁寧に集めて心にしまう間にも時間が流れる。

そしていつしか気づけば身体まで、
本来の姿に戻っていた。

そんな日が皆さんにも来ることを
願ってやまない。

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