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結婚式のスピーチで、それはあかんでしょ。

「結婚式のスピーチをその子にお願いした時点で人選ミスやったね」と最近、このタイトルの話をしたときに友人から言われた。そうか、あれは人選ミスだったのか。もう20年くらい経って自分のミスだったんだと気づかされたという話。

20年前の当時は、まだ地味婚とかが流行り出したか出してないかの頃で、私たちの結婚式はたくさんの人に来ていただき、ホテルの一番大きな部屋で行われた。

結婚式はお料理の味が一番重要、と夫が言って決まったこのホテルは場所は内緒だけど格式のあるホテルで、お料理の評価も高かった。今から思えばいろんなホテルの試食会とかに参加して式場選びを楽しめばよかったようにも思うけど、その頃はそういったイベントもまだそれほどメジャーではなかったんだ。

それに夫は「こう」と言うと譲らない人なので、私が他の式場に興味を示せば、それは揉め事につながることが容易に想像できた。まぁ私は実際、特にこだわりはなかったのでその式場にあっさり決まったんだけど。

私側のスピーチは4組の友人たちにお願いした。前の投稿で書いた親友や大学時代の親しかった友人、あぁ、この彼女のことも前の投稿で書いた。私がしばらく心のバランスを崩すきっかけになった友人だ。

他に高校時代の仲良しグループは、3人で素敵な歌をプレゼントしてくれた。泣ける歌だった。歌っている当人たちも泣き出して会場に柔らかい空気が流れたなぁ。

そして問題のスピーチは大学時代の後輩たち。このうちの年下の方の後輩が、こんなことを言ってしまったんだ。

「椿先輩は、いつも彼氏に尽くし系で」

私はスゥーーッと息がひきそうになった。夫と出会ったのは大学を卒業して数年間会社勤めをした後のことで、お見合いだ。この大学時代の後輩たちの話す「彼氏には尽くし系で」の彼氏に夫はカウントされないということはおそらく誰もが予想できた。

あぁ、なんとスパッと悪気なく言ってくれたんだ。どれだけの参列者がこの微妙な一言に引っかかったのか分からないけど、少なくとも私は一瞬、顔がこわばっていただろう。これはまずいと思った。

何がまずいかと説明するまでもない気もするが、一応書くと、学生時代にいろんな彼氏がいたんだね、とあちらの両親や親戚、夫の仕事関係者に思われるということだ。が、一番やばいと思ったことは、私は夫には尽くし系ではなかったこと。これはまずくないか?

そして案の定、式が終わって夫と二人になったとき、「俺は尽くされてない」と言われましたよ。

いや、あの、その、別に愛情が不足しているとかそういうわけではなくて、その、スタイルってあるじゃないですか。それぞれの男女の付き合い方というか、そういうなんか二人だけにある良さとかなんかね、しどろもどろ。

おしまい。

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#エッセイ #結婚式 #一言 #夫 #愛情 #危険 #参列者

私の初めての親友の話はこちらです。お時間ある方はよかったら覗いていってくださいね。


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