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死に至らぬ病

ここ最近体調が優れない、何だか元気が無い・・・そう思って医師に診てもらって何らかの病気が発覚したらどう思うだろうか。

大抵の人は多かれ少なかれショックを受けるだろう。でも、それよりも苦しいのは原因不明で病名が付けられないこと。体調不良の原因が分からない、だから治療法もない、為す術もなく途方に暮れるだろう。

私は小学校低学年くらいのときから爪を噛む癖があった。怒ったり悲しくなったり嫌なことがあったりとマイナス感情が芽生えた時に一心不乱に爪を噛んで指の皮を毟っていた。それが習慣化して無意識のうちにやっていた。そのせいでわたしの爪は常に見るも無残な姿をしていた。

ある日、母親の機嫌を損ねた時に爪噛み癖についてこっぴどく叱られた。
頭がおかしい、頭の病気、カタワ、etc
と罵倒された。
怒られたくないから手の爪を噛むのをやめて目に付きにくい足の爪を噛む暴挙に出た。瞬く間に足の爪がボロボロになった。

しかし学校では靴を履いてるため足の爪が噛めないから、どうしても手の爪を噛んでしまう。ダメだと分かっていても止められなかったし、どんな方法を用いても治らなかった。

年頃になり見た目を気にするようになると指と爪の汚さが気になった。
そこで自分ルールを設け、左手の親指以外は噛まない弄らないと決めた。その結果、左手親指の爪が全てのストレスの捌け口になり、どうしたの?と心配顔をされるくらい酷い有様になってしまった。

だから親指の先だけテーピングして隠していた。
1本くらいなら案外上手く隠せるのである。

あれなら長い年月が流れたが、未だに左手親指の爪弄りと皮を毟るのがやめられない。
イライラしたとき、焦ったとき、悲しいとき、しんどいとき、常にそこだけを虐め倒す自分がいた。甘皮をペリペリ剥がすと心のわだかまりがすっーっと解けていく。

高校生のときからジェルネイルやスカルプチュアを施すようになったため爪噛みの癖は運良くやめられたが、左手親指の爪の根元や先端を弄るのだけはどうしてもやめられなかった。

だからネイルを除去するときいつも左手親指だけ凄まじいダメージを受けているのが目に見えて分かる。

↓右手親指(自分でジェルネイルむしり取ったため、表面がボロボロになっているもののダメージは少ない)

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↓肝心の左手親指(若干グロ)

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根元や先端を弄るため、伸びても綺麗な爪が生えない。表面がボコボコしているのが分かる。
普段はスカルプチュアを載せているためここまで酷い状態なのは誰にも分かるまい。

調べてみると自分と同じ悩みを抱えている同志が沢山いた。おまけに身体集中反復行動症というれっきとした病名もついていた。また、皮膚むしり症とも呼ばれているそうだ。

強迫性障害や不安障害に近い。
爪を噛んだり皮膚を毟ったりすることでストレスが緩和される。様々な対処法があるが失敗に終わることが多いのも特徴(自分もそう)

ただ、病名がついていて自分と同じ症状に悩める方々が大勢いて私だけじゃなくて良かった、私だけがおかしいんじゃなかったと安堵した。

でも9本の爪は無傷だし、汚い親指の爪はネイルでいくらでも誤魔化せるし無理に治そうとは思わない。やめようと自分に負担を強いる方が間違いなくストレスになるのが目に見えている。

爪の1本や2本くらいくれてやる!
というメンタリティで生きていた方が案外楽だったりする。

指先を見て爪がボロボロな人を目にすることはまあまあ多いと思うが、それがその人の個性なんだと思う程度に留めてスルーしてあげてほしい。

爪大丈夫?と聞くのが1番良くない、本人が1番分かっている事だから。言わずもがな私もネイリストに爪のことを突っ込まれると凄まじいストレスに苛まれる。

このことを人に言ったのは初めてだったりする。
きっと同じ症状に悩まされている人がヒョロワーの中にもいるだろうと思い書いてみた。

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