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もしも社畜ゾンビが「アウトプット大全」を読んだら の感想

本書が発売されたのは2022年3月。
精神科医、作家である樺沢紫苑氏「アウトプット大全」のコミック版。
(「アウトプット大全」「インプット大全」シリーズは95万部を超えている大人気書籍!)

2年経った今、読書感想文を書く。


1.あらすじ

IT企業に勤める主人公・外山健(28歳)は、頑張っても空回りばかり。どうしようもなく途方に暮れていたところ、一人の清掃員と出会う。毎日、「どんな日でしたか」と話しかけてきて、仕事や人間関係のヒントを教えてくれる。最初は疎ましく感じていた健だが、清掃員との会話をくり返す中で、自分自身を見つめるようになる。気づきが行動を変え、周囲との関係にも次第に変化が見られ・・・。

2.今、読んでみて

本書はマンガと解説の構成になっている。
忙しくて本を読む時間のない人であっても、サラリと読めるようになっている。

しかし、本書を購入した2年前、実は、読むことができなかった。

メンタルがダウンして、布団から出られなかったのだ。
ぼんやりする頭。

メンタルが低下すると本が読めなくなるというのは本当だと思う。
写真のように場面で捉えることはできるが、つながっていかないのだ。
読んでも文字が消えていくような感覚だった。
それに、働くこともできなくなった自分には、主人公たちのいる世界が遠くに感じたのだった。

しかし、今読んでみて思うこと。
本書は、ビジネスマンだけに向けたものではないと思う。

主人公は若きビジネスマンであるが、
「憧れのデキる上司」として描かれている真壁氏も、10年前の失敗から抜け出せずにいる。
営業部の大川さんは、やりたいことが見つからないことがコンプレックスだった。
謎の清掃員さんも、また―――。

誰もが悩みを抱えながら生きているのだ。

そんな中、大川さんの言葉は印象的であった。

あったかいこと
それが私にとっての幸せなんです

もしも社畜ゾンビが「アウトプット大全」を読んだら P78

「自分の幸せは何か」を見つけている。
これは人から教えてもらうことではなく、自分で見つけるものだ。
人と同じもない。

そのためには、自分自身と徹底的に向き合うこと
「話す」「書く」「行動する」「伝える」というアウトプットが自身の「今」を明確にしてくれる。

3.アウトプットして見えてきたもの

私自身も、本も読めない状態から生活リズムを整えたうえで、
SNSに「良かったこと3つ」を投稿することから始めた。

最初はとても大変に感じた。
「何にも変わらない毎日、同じことしか書けない」と思っていた。
しかし、「良いことを見つけよう」と続けると、
前日とは違う空だったり、
おいしいお菓子を食べたことや、
日常で普段と違うおもしろかったことなど…

本当にささいなことではあるが見つけられるようになった。視野が広がったように感じた。

あとは、ノートやメモ帳に感じたことをすぐに書くようにした。
感情でも事実でも、何でもいい。とにかく書く。
書くとスッキリする。誰にも見られないノートは自由になれる。

言葉にすることで、自分の「今ここ」と「これからの方向」が見えてくる。

「自分の幸せは何か」。
日記や日々の生活の中で見えてきたのは、
なんでもない日常を送ること

一度ダウンして、「なんでもない日常」がいかに尊いものであるかと知った。

眠ることができる。
布団から起き上がることができる。
ご飯を食べることができる。
仕事に行って、一日働くことができる。
お風呂に入ることができる。

私にとって、こうしたことを何気なくできることに幸せを感じる。

アウトプットをしての効果は、自分自身が見えてきたことの他に仕事の面でも良い影響がある。
仕事を再開してから、人とのコミュニケーションが円滑に進むようになったと感じる。意見を求められたとき、素直に話せるようになった。
「こんなこと言ったら批判されるかも」とこれまで一人でモヤモヤして行動できなかったが、思い切ってやってみると良かったことの方が多い。
思った通りに行かないこともある。
それは、そういうこともある、と考える。
改善できることは次につなげればいい。
とても楽になった。

4.さいごに

若きビジネスパーソンも、働き盛りの年代も、仕事をしていなくても。
アウトプットで自分を確立し、自分にとっての「しあわせな生き方」を見つけていこう。
本書は全ての人におすすめです。


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