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恐怖のベールをまとった、実は優しい先生

先生シリーズ第3弾!
小娘が小学2年生のときのお話。

当時担任だった先生は、ベテランの女性の先生だった。前々から怖いと定評のある先生だったのだ。また別の回で触れるが、1年生の時の小娘の担任と真逆の性格で、小娘の小学校生活の中でこの先生だけ唯一、児童を苗字で呼び捨てするタイプだったのである。それも小二でである。当時の小娘にとっては恐ろしい以外の何者でもなかった。

確かに、彼女の掌握力と言ったら素晴らしいものだった。どんなにやんちゃな子も、手のひらで転がしてしまうような、カリスマ性があった。

小娘は当時、先生や周りの友達を困らせることをしないように生きることがテーマになっていたお年頃だった。だから、この先生に叱られたこともなければ、キツイことを言われたこともない。

しかしある日の給食の時間、事件は起きてしまった。

今までミスせずにここまで来たのに、小娘はあるミスをしてしまった。当時給食はスプーンとフォークが融合したスポークしかついておらず、箸は持参だった。その日はスポークもなく、箸を持参する日だったのにも関わらず、小娘は箸を忘れてしまったのだ。

そして、小娘は意を決して、箸を忘れてしまったこと、そして箸を貸して欲しいことを担任に言いに行った。

するとタイミングが悪く、先生がバタバタと忙しい中で話しかけてしまい、先生から「なんだ、小娘💢後にしろ!」と怒鳴られてしまった。

温室育ちの小娘にとって、この一言は破壊的なダメージを与えた。そして涙が止まらなくなってしまった。なんとも豆腐メンタルな女児である😭

そして小娘の頭の中では、今日の給食はもう食べられないという勝手な解釈が生まれ、いただきますの挨拶後も、そのまま席に座ったまま静かに泣いていた。(冷静にこの状況やばくないですか?)

すると同じ班の正義感強い女の子が、私が泣いているのに気がつき、犯人探しを始めた。同じ班の男の子に「小娘ちゃんを泣かせたのは、あなたでしょ!」と喧嘩をふっかける始末だ。もはやカオスである😂

すると先生がこちらの様子に気がつき、「小娘、どうしたんだ?さっきはついあんな風に言ってしまったけど、何があった?」と耳を傾ける。

クラス全員が注目する中、「お、お箸を忘れてしまって、ご飯が食べられません。忘れ物をしてごめんなさい。うぐっ。」みたいな会話が繰り広げられた。

すると先生は小娘が泣いているのは、自分とのやりとりが原因であることを察して、慌てた様子で
「悪かったな。本当に悪かった。これ使って食べろ。」と新品の割り箸をくださった。

喧嘩を売られた男の子も、正義感の強い女の子も、なんだよ〜と少し呆れながらも、ホッとした様子で席に着き、給食の時間が始まった。

全く迷惑極まりない小娘である。
どれだけの人を振り回したことか😭先生にも、正義感強い女の子にも、一番被害を被った男の子にも、本当に申し訳なかった。

今となれば笑い話になるが、その当時は小娘も必死だったんだと思うと少し可愛らしく思える。

確かに先生はめちゃくちゃに怖かったけど、成績はいつも優しくつけてくれた。いつも全て◎をつけてくれたのは、この先生だけだった。きっと何か思うところがあったんだろう。今も先生とは年に一度、お年賀で挨拶をしています。


写真は以前佐渡島を訪れた時に立ち寄った『北沢浮遊選鉱場跡』💁🏻‍♀️

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忘れられない先生

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