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期待とは裏腹に…失望の先にあったのは新たな出逢い編

前回の記事では、期待と裏腹に物事が上手くいかなかった話をした。しかし時には、期待とは裏腹に偶然にも素敵な出来事へ転じることもある。今回はそんな話の続きについて綴りたい。

実は前回の記事のこの見出し写真だが、実は本当はこんな写真だった。

ウィーンの夜と小娘

そう。
これはある人にとってもらった写真だ。先に言っておく。そのある人はアレックスではない😂

前回アレックスとフロリアンとの出逢いをちゃんと書かなかったが、実は彼らは売り子だった。何を売っていたのかと言うと、オーケストラのチケットである。

小娘は本場のオーケストラのチケットを買いたかったのだが、当日券は朝4時から並んでも取れないことがあるとネットに書かれていたため、諦めていた。なんせ、小娘が訪れたウイーンは2月。とにかく寒かった😂

そこに現れた売り子2人。
小娘は思わず買ってしまった。本場のオーケストラを想像しながら、内心「やった〜」と思っていた。(そんな上手い話がある訳ないのだが…)

そして夜チケットに書いてある会場へ向かう。
静かで路地が入り組み、こんな小さな場所に本当に会場があるのかと半信半疑で探す小娘。

すると小娘と同じような女性を発見した。
彼女も同じチケットを片手にうろうろしている。すかさず声をかけ、自分も同じところに行こうとしていると、自分のチケットを見せた。

そして2人で会場に向かう事にした。
彼女は韓国出身。名前は忘れてしまったが、黒髪美人で大人っぽい子だった。

会場を発見し、中に入ってみると…
真紅の絨毯を歩き、ふかふかのシートに腰掛け、天井には大きなシャンデリアがぶら下がった、豪華な模様の壁に囲まれた大きなステージ、を望める訳なく、人が歩くたびに音がなる木の板の床を歩き、今にもキシキシとなりそうな20ほど並べられたイスに座り、幅6m程の小さなステージに演奏者用に4つイスが並べられた、お世辞にも素晴らしいとは言えない会場だった。

するとコリアンガールは、“That’s very disappointing.”とだけ呟いた。小娘も同じ気持ちだった。

演奏者用のイスは4つと言ったが、これはオーケストラとは程遠い。カルテット(四重奏)のコンサートだったのだ。

せっかく来たのだ、とりあえず楽しもうとカルテットの音色に集中した。覚えているのは、その4人の演奏者のうち1人が日本人の女性だったということだ。日本から遠く離れた地で、自分の夢を追い求めながら、演奏をしているのだろうと想像を膨らませると、無性に応援したくなった。

そんな中、演奏が終わり、小娘は先程のコリアンガールと感想を話していた。そして話す中で、「本来私たちがイメージをしていた、本場の劇場を外からでもいいから見に行ってみよう!」ということになり、女2人で夜の街へ繰り出した。

その時に、コリアンガールに撮ってもらったのが先程の写真なのである。小娘にとっては、とても大切な一枚となった。

正直なところ、お互いともにコンサートに対しては残念だったなぁという気持ちがあったが、その後の散策はとても楽しかった。

売り子の2人からカルテットのチケットを買ったからこそ、出逢うことができた。こういった失望の先にも、素敵な出逢いというのは眠っているのだ。

カルテット+新たな出逢いにしては、あのチケットはとてもリーズナブルだったなと思うのである。

旅の面白さは、常にアブノーマルな状況に身をおけることである。なぜアブノーマルな状況下にいることが面白いのかというと、自身のコンフォートゾーンを出た時こそ、自分の思っても見ない出来事や人との出逢いに恵まれるからだ。

だから『旅』は面白い。


写真は日中にウィーンの街を散策した時に撮った馬車🐴

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