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全く知らない少年たちと『だるまさんが転んだ』をした話

以前フィリピンを訪れた時に、赤ちゃんを抱いた少年の話をした。

今回は同じフィリピンという国で、全く違う少年たちと触れ合った日について綴りたい。

小娘とジョブズは、最後の目的地にいた。
セブ島南部のオスロブでジンベイザメを見るために海の中を泳ぐツアーに参加した。その後、セブシティに戻るために、オスロブから少し北上したダラキュテという地域にいた。

このダラキュテという地域は山が多くあり、ハイキングスポットとして有名で、私たちもハイキングをする予定だったのだが、ジョブズが体調を崩し、今回は断念した。airbnbのホストにお願いをして病院に連れて行ってもらったりして大変お世話になった経緯がある。

まだジョブズの体調が崩れる前、私たちはダラキュテを散策したり、近くのレストランでご飯を食べたりしていた。メインストリートは海沿いにあり、そこまではとにかく下りだ。

毎日ステイ先とメインストリートまで往復した道
夜は真っ暗and野犬の遠吠えで怖い道😂

私たちのステイ先は丘の上にあった。
急勾配の坂を30分くらいかけて登る。そしてメインストリートにいくときは下る。この繰り返しだった。しかし、丘の上にあるため、バルコニーからの景色は最高だった。

ステイ先のバルコニーから眺める海に沈む夕陽

大きなプールがついており、その横のパラソルの下で、毎朝朝食を頂いた。朝食を頂いている間は、宿のスタッフさんが網を持ってきて、プールの水をキレイにしてくれていた。結局一度もプールに入ることはなかったが…

ガッツリ量のある美味しい朝ごはん
ジョブズはこの日から体調不良

そんな最高のホームに帰るある日のこと。

メインストリートで5.6歳の少年たち3人ぐらいが物珍しそうに私たちをみている。

セブシティに比べるとやはり観光客も少なく、外国人を見ることはそんなにないのだろう。私たちに興味を持ち、一定の距離を保ちながら後をついてくる。

そして“hello! how are you?”と3分に一回のペースで私たちに叫ぶのである。私たちがそれに気づき、立ち止まり後ろを振り返ると、彼らは物陰に隠れたり、動きを止めてしまう。

これは一種の『だるまさんが転んだ』なのか?と思いながら、歩みを進める。するとまた後ろから、“hello! how are you?”という可愛らしい声が聞こえてくる。ふっと後ろを振り返ると、また彼らは動きを止めるのである。

彼らは私たちが急勾配の坂を登り始めてもなお、“hello! how are you?”という掛け声を掛けながらついてくる。可愛らしいストーカーだ。小娘もジョブズも負け時と、“I’m good!!!” “What about you?”と答えを返す。私たちが声を上げて反応すると、嬉しそうにケラケラと笑っている少年たちが、本当に可愛かった。

そして掛け声のレパートリーは一つ増え、“what is your name?”というものも入った。しかしこれまた、後ろを振り返ると、物陰に隠れたり、動きを止めてしまう。

私たちも負けじと反応をする。
“My name is 小娘!!!” “I am Jobs!!!”と後ろを振り返り大声で叫ぶ。すると彼らはとても嬉しいそうにキャッキャッと言いながら、私たちの後をなおついてくる。

急勾配の坂と、日中の暑さにやられ、私たちの足取りは重くなり、どんどんスピードが落ちた。すると少年たちが追いついてしまった。彼らはまたしても一定の距離を保ちながら、道から外れた草原の中を走り回り、先回りをしていた。元気な少年たちの笑顔に癒される私たち。

結局私たちのステイ先まで彼らは着いてきてしまった。毎回私たちが到着すると、ホストが笑顔で入口を開けて待っていてくれ、ホストも少年たちの存在に気づいた。ホストはタガログ語で少年たちと何かを話し、バイバイと手を振り合っていた。おそらく私たちのこと、メインストリートから私たちのことを追ってきたことを告げたのだろう。

ホストは笑いながら家に帰るように促していた。その後私たちがバルコニーに上がり、下を見ると、少年たちがこちらを窺っている。まだ下にいたのである。そして「またね〜!楽しかったよ〜!」と言わんばかりの最高の笑顔をプレゼントしてくれた。

あの常夏の中のフィリピン版だるまさんが転んだは、心温まる出来事となった。


写真はオスロブでジンベイザメを見に行った際のもの🦈

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