アンガーマネジメント~怒りの感情のコントロール~
怒りの感情のコントロールがうまくできず困っている方はいらっしゃるだろうか。
『アサーション・トレーニング さわやかな〈自己表現〉のために/平木典子著』の中で、怒りの感情について触れられており、とても分かりやすいと感じたので、自分なりにまとめてみたい。
怒りの感情には、程度(段階)がある。
その程度は、マイルド < 中程度 < 強度 と、重なるごとに強くなる。
つまり、常に強度であったり、いきなり強い怒りが湧いたりするものではない。強度の怒りを感じるとしたら、その背景というか土台には、意識していなかったとしても、これまでの過去の経緯・ささやかな怒りの感情の経験の蓄積があるはずだ。
怒りの程度がまだマイルドなうちに、まずその怒りの感情を自覚して、表現すれば、抑えようとするエネルギーもそれほど必要ない。
「この程度のことなら我慢できる」と抑えるのではなく、その怒りの感情を認めて、表現していくことが大切なのである。
それを、Noと言えずに不満を溜めていくと、やがてその抑えた怒りの蓄積は徐々に大きなものとなっていき、いずれは爆発的な怒りとなる。
それでは、怒りの感情を認め、表現するための対処方法は?
自分が怒りを感じた場合と、他者に怒りを向けられた場合に分けて述べていく。
【自分が怒りを感じた場合】
自分の気持ちを素直に振り返り、その怒りの正体をはっきりさせる。
感情には、一次感情と二次感情がある。
一次感情はなかなか自覚が難しいが、「怒り」の感情になる前に、一次感情として、例えば「がっかりした、不安に思った」などがあるはず。
例えば、連絡もなく大幅に遅刻してきた相手に対して怒りが湧く場合。
怒りに至る背景として、「軽んじられているように感じてがっかりした」「連絡がなく長時間待たされて不安に思った」などの一次感情が湧いていたりする。
この一次感情を、まず自分自身が丁寧に認めて、相手に対して表現することができるといい。
「なんで連絡もなくこんなに待たせるんだ!ひどい!」と怒りをぶつけるのではなく、「連絡なく長時間待ったので、不安になったよ。忘れられているのかと、がっかりしたよ。」などと表現をすることができる。
事実(起きたこと)に対して、「怒り」という感情を感じたのは自分であり、「怒り」の感情の所有者は自分である。だから、怒りは自分でどうにかできるものだと考えられる。
【他者に怒りを向けられた場合】
その怒りは、相手のもの。自分に伝染させないことが大切だ。
「自分のせい」と受け取らなくてよい。たとえ、きっかけが自分であったとしても、その怒りの感情は相手のものなのである。
その相手の怒りを否定せず、相手の者として受け止め、理解する。それができればいい。もしそうできなかった場合(例えば思わず相手の怒りを批判したり否定したりしてしまった場合)は、そのことを認めてきちんと詫びられるとよい。
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