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木のように成長し続ける、あきる野のフレンチ―Restaurant L'Arbre(東京すみっこランチ その4)


Ⅰ 文化財でランチを


 5月23日木曜日のランチは、あきる野市のL'arbreへ。3回目の訪問だ。2回目の訪問からだいぶ間があいてしまったのに、シェフの方が覚えていてくださって、感動する。

 東京都の登録有形文化財の小机家住宅をレストランにしている。初めて訪問したときは、半分はこの住宅を見るのが目的だった。

建物
入口
うさぎ年の私は、この意匠に心が躍る。
階段の一段一段にも模様が彫り込んである。

Ⅱ ある日のメニュー

 この日のメニューは、4種類。東京軍鶏のバターチキンカレー、お肉、お魚、お肉とお魚のコース。4種類全てにサラダがついていて、カレー以外は、ピラフがつく。あとは、スープやデザートをお好みで追加できる。
 私はお魚を注文した。八丈島産の鮮魚を使っているという。お肉の方は、東京Xを使っている。

 まずはシーザーサラダ。豆乳マヨネーズの柔らかさを引き締めるために香辛料が使われていて、ピリッとした味わいがポイントだ。カルダモン、だっただろうか。うろ覚えなのだけれど。

 初めてこちらに伺ったときは、最初のサラダに感激した。お花が少ない時期だったのだが、お皿の上にぱっと色鮮やかな花が咲いたように見えて、気持ちが華やいだのを覚えている。

豆乳マヨのシーザーサラダ

 次は、メインの八丈島産鮮魚の取り合わせ。ハマダイ、アカヤガラ、マグロが入っていた。アカヤガラなんて、初めて食べたのではないかしら。添えてある黄色いにんじんも珍しい。黄色が好きな私は、目で楽しみ舌で味わい、元気が出た。
 こちらは、一緒に出されたピラフと一緒に、おはしで和食を食べるようにしてあっという間に平らげてしまった。かかっていたソースの味は失念した。

八丈島産鮮魚の取り合わせ

 ピラフは、炊き込みご飯を食べるような感覚で、魚と一緒に食べすすめ、だいぶ経ってから、そういえばピラフだったと気づく始末。茶道に使う茶碗をご飯をよそう飯碗に転用している。

カブ菜と筍のピラフ

 これで料理はおしまいなのだが、もともとたいした舌を持っていないのと、時間が経ってしまったことで、食のレポートとしてあまり意味をなしていない…。

 この日は、建物なんかの写真を撮ることに夢中で、器に関心がいかず、細かいことをお聞きしていないのだが、ひとつひとつこだわった器を使っておられる。

Ⅲ 木のように成長し続けるレストラン

 今回、驚いたのは、肉や魚も東京産のものを取り寄せていることだ。前回伺ったときは、シェフは畑をやっていらして、野菜はそこでとれたものが中心とおっしゃっていたけれど、肉や魚は東京産を謳っていなかったはず。

 シェフいわく、お客さんに東京の西端まで足を運んでもらうために、この店ならではの個性が必要だと考えたそう。そこで、東京産の食材にこだわることに決め、シェフ自ら生産者の方とやり取りをして、食材を回してもらえるようにしたという。八丈島なんていうと、遠いイメージだけれど、羽田から飛行機が飛んでいるから、そうでもないらしい。

 レストランの名前L'Arbreは、フランス語で木を意味するけれど、その名の通り、シェフが日々工夫されて、木のように成長していっているレストランだと感じた。いつか、庭にある松のような、どっしりした大木になられることを、東京の西端にありながら、東京のフレンチを牽引するようなレストランになられることをお祈りしている。


 プロレタリアの私は、木曜限定のリーズナブルなランチ以外はなかなか手が出ませんが、お財布と時間に余裕のある方は、木曜日以外の営業日(金〜月曜日、祝日)にコースを楽しまれてはいかがでしょうか。

 山歩きがお好きな方は、武蔵五日市駅から歩いて1時間ほどで登頂できる金比羅山に登って、お腹を空かせてからランチに行くのもよいかもしれません。

 また、お車でいらっしゃるという方は、ちょうどアジサイが見頃ですので、ランチの前後に南沢あじさい山(9:00〜17:00)にいらっしゃるのもおすすめです。6月中は武蔵五日市駅からシャトルバスもあるようです。

 みなさんが楽しい食事の時間を過ごして、月曜からの1週間を乗り切ってくださいますように。
 

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