青春の喪服
最近、スーツで出歩くことが増えてきました。これまでオンラインで説明会や1Dayインターンを中心に就活を進めていましたが、ついに対面で面接が行われたり、企業によっては対面での活動を行うこともあるからです。
そう、初面接を受けて来ました。慣れないスーツを身につけて、仙台駅の周りをウロウロしていました。
普段遊びに来ている仙台駅も、スーツを着ていると少し不思議な感覚があります。
スーツ一つで、服装一つで気持ちに変化が現れるなんて不思議ですね。
コンビニに行く時のジャージ、サイクリングする時のサイクルジャージ、ゼミに行く時のちょっとおしゃれした私服、そして就活の時のスーツ。
やはり着慣れないスーツは、少し特別ですね。
スーツを着ているとき、自分は今どういう立場なんだろう?と感じることもあります。大学生なのはわかっているんですけど、無理矢理社会人の真似をしているような感覚。学生という立場を、スーツで消し去ろうとしているような気分。
そんな就活生のスーツですが、先日ラジオを聴いていて面白い表現をしているのが耳に残りました。
リリー・フランキーさんの「スナック・ラジオ」という番組なのですが、その中で彼はこう言っていました。
だいぶ前の放送回で、正式にこのように言っていたかは定かではないのはご了承ください。うる覚えです。ただし、『学生時代という青春の時代に終わりを告げる「青春の喪服」』という表現は確実に覚えているのでご安心を。
「青春の喪服」だそうです。詩的な表現ですね。そう思うと同時に、納得感もあります。
多くの大学生は、就活に取り組み、そしていずれ社会人になるでしょう。もう学生に戻ることはできないのです。
大学生は社会人であると言われることもありますが、やはりまだまだ学生です。少なくとも自分はそう思います。学生と社会人では、色々な責任の重さが違うと思います。
就職を機に、これまで長年の間自分を形作っていた「学生」という立場と、別れを告げることになります。二度と会うことができない別れを、死別に例えているのでしょう。
学生だからできることって、たくさんありますよね。ドラマでも高校や大学が舞台になることもよくありますよね。学生時代はもう二度と帰ってこないとわかっているからこそ、多くの大人にとって魅力的に映るのではないでしょうか。
下校の時に歩いたあの時間とか、休み時間に友達と話していた時間とかは、もう味わうことができなくなるんですね。
社会人という次のステップへと歩むとともに、これまで当たり前だと思ってきた「学生」という立場との別れが近づいています。
期待感と少しの寂しさを、スーツを着ながら感じていました。
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