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天磐戸神社(徳島県) 日本人の多くが知らないけど、凄い神社でした!

古代祭祀形態が残る神社



前回ご紹介させていただいた御所神社の奥社。
アメノヒワシノミコトをお祀りしています。
ご興味ない方にとっては、
「気持ち悪~い!」
「不気味!」
そんな印象を持たれるかもしれない神社だったかも?
少し心配しております。(笑)

一方、既に多くの神社を回られた方。神社や神道のルーツに興味のある方にとっては、大好物の神社ではないでしょうか。(笑)
そして今回も、とても変わった神社をご紹介させていただきます。

徳島県にある天磐戸神社


天磐戸神社。(忌部大神宮(御所神社)摂社)
同じ名前の神社や、天岩戸分神社等、全国に多く祀られています。
天岩戸分と分が付いているのは、天岩戸から分かれたという意味だそうです。要するに分霊されて祀られた神社。
祭神はだいたいタジカラオ大神、アマテラス大神です。

御所神社奥社から車で移動すること50分から60分。
途中から林道(細い道)を登って行くと、左手に鳥居が現れます。
鳥居を少し行き過ぎたところ。右手に車を停められるスペースがありました。そちらに車を停めて、鳥居に向かいます。


木に手書きの篇額 質素です
古代では最先端の土木技術か?阿波の石積み
小さくてかわいい
小さくてかわいい狛犬ちゃん
鳥居代わりの巨木か こちらも狛犬ちゃん
拝殿 お賽銭入れるスペースからパチリ 菊の御紋
石積みの上に立つご本殿 ダミー(笑)

阿波の青石による石積み


阿波国独特の青石で組まれた石段。
特徴ある石の組み方は徳島全域で見られます。
また畿内の古墳にも阿波の青石は多く使われており、
当時の土木技術としては最先端の石積み技術であったのかもしれません。
神事や霊的な道具として、阿波の青石は特別の意味があるのでしょう。
わざわざ古墳建設のために、重い石を大量に海を渡って畿内へ運ぶ必要があった。そう考えるのが自然。

石段下と石段を登り切ったとこで、かわいい狛犬ちゃんがお出迎え。
拝殿は村の集会所みたいな普通の作りです。
このスタイル、徳島では多いです。

ダミーである社殿へお参りを済ませ、奥の院へ向かいます。

ここから登ります
案内板

不気味な石はなんなのか


奥社入口近くの案内板。
霊感ひしひしと五体にせまる山岳聖域ならではの厳粛さである。
そう書かれているとおり。まさに霊感ひしひしです。

森の中に巨大な岩群 苔むしてます

奥社へ向かうための道?
とはいえない参道途中。
一般的な神社ではお目にかかれない石が複数お祀りされています。
古代より祭祀を担ってきた忌部氏による古代祭祀のにおいがぷんぷんします。


磐座 何を祀っているのか?

祀られている石や岩の中がくり抜かれているのです。
なにか意味があるのでしょうか。
知ってる方、誰か教えてほしいで~す。
誰かの所有物という目印か?持っていくなの目印?
まさかそんなことはないでしょうね。

いよいよ奥社へ


奥社途中の石へお参りしながら登っていると、目に入ってきたのが石灯籠。
その奥にはサルタヒコ大神とアメノウズメの像。

石灯籠 マッチしています
鼻が折れたのか?猿田彦大神
猿女の君 アメノウズメ

ご夫婦でアマテラスオオミカミ様をお守りしているのでしょうか?
夫婦神へご挨拶を済ませ、いよいよ奥社へ。

神楽岩より 奥社です 

感動の神楽石と忌部の四至石


上記写真では伝わり切らないですが、崩れかけた石段下は平面の磐座です。
石段右手の石の棒。立石というのか四至石というのか。
最後の結界ですね。古代祭祀族である忌部氏。祭祀に使う石棒や男根石などを製造していた。忌部研究の権威、林博章先生の著書で読んだことがあります。おそらくこの石棒がそうなのでしょう。

奥社の隣の磐座にて 石はなんだろう
奥社 隕石は奥に9mほど続いている

奥社の少し横にも巨大磐座があり、両社ともに得体のしれない石や木がお祀りされています。
神社を管理されている神官の方のお話をお聞きしたかったのですが、誰もいらっしゃらず断念。間違いなく古代祭祀の流れを現代に踏襲している神社。
今後の研究テーマです。


石段上から神楽岩を臨む

上記写真は石段上から、下を撮影したものです。
平面になっている自然の磐座。
45平米ほどの広さがあるそうです。
かつてはこの岩の上で、忌部神楽が奏上されていました。
この神楽石の上でお神楽奉納。神秘的過ぎますね。

現在は場所を変え、松尾神社で年越しの神事として行われています。
是非、拝見させていただきたいですね。

最後に天磐戸神話とは


このブログ。最近は神様のお名前をカタカナ表記にしております。
読者の方から、フリガナを入れてほしいとのリクエストがあったためなのですが、確かに神話が好きな方にとっては常識なこと。それは、興味ない方にとっては知らないこと。特に外国の方など。

ご興味持っていただけて、知りたい!
そう思っていただく方が居てくださるのは、とても励みになります。
よって最後に、天岩戸神話を簡単に書いておきます。

アマテラス大神の弟神であるスサノオが、高天原(アマテラスノ住むとこ)へやった来て狼藉三昧。困ってしまったアマテラスは天岩屋へお隠れになります。日の神であるアマテラスが岩の中へお隠れになったことで、この世は真っ暗になってしまいました。

外の様子が気になるアマテラス

困ってしまった神々は、アマテラスを岩屋から引っ張り出す計画を立てます。岩屋の前に八百万の神々が集まり、どんちゃん騒ぎをするのです。

アメノコヤネ(中臣の祖)が祝詞を奏上。アメノフトタマ(忌部の祖)が太占(占い)を行い、注連縄を張り。アメノウズメが踊りだし。

あまりにも賑やかな様子にびっくりしたアマテラスが岩屋を少し開け、
「なんの騒ぎですか?」
アメノウズメにお尋ねになります。
「あなたよりも尊い神様が現れたのでお祝いをしております。」
と、答えます。
自分よりも尊い神様ってどんな神なのか?
怪訝に思い、外の様子を見ようとした時に、アメノウズメがアマテラスの顔に鏡をあてます。鏡に映され、一瞬明るくなった隙を見て、タヂカラオが大きな岩屋をこじ開け、引っ張り出します。
その岩屋へアマテラスが戻れないようにアメノフトダマが注連縄で、結界を張りました。

アメノウズメがアマテラスへ鏡を向ける
タジカラオが引っ張り出し、フトダマが注連縄を張る

ざっと簡単にそんなお話です。

この天岩戸神話は、わが国初の神事と呼べる大イベントなのです。
(一説にはアマテラスの葬儀とも)
子どもたちが神話に触れる機会が減っているように思います。
後世に伝えて行きたい日本の宝です。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
ご興味持っていただけたら、徳島県に遊びに来てくださいね。
💛フォローも励みになります。

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