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キタダヒロヒコ詩歌集

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三重県で詩や短歌、俳句を花びらのように書き散らしてきました。noteマガジンにまとめていきます。ぜひお読みいただけましたら嬉しいです。あなたのどこかに残る言葉がありますように。
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#現代短歌

キタダヒロヒコ詩歌集 147 破調1 こんな時に

こんな時に偏愛の一曲がながれてきて場違いなほどうつとりする    キタダヒロヒコ スキやコメントをお待ちしています。 サポートやオススメをしていただけたら、大喜びします! メンバーシップへのご参加もお待ちしています。

キタダヒロヒコ詩歌集 145 うつくしい目

わが注意聞き流しつつこの子らがうつくしい目で憶ひだすこと    キタダヒロヒコ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけたら最高に嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 142 

背中から日暮れてしまふひとに火を貸しぬ われにも日暮れが似合ふ    キタダヒロヒコ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけたら最高に嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 141 おんちよう 

おんちよう    キタタヒロヒコ このさにははたけにせむとよきつちのけふくろくろともられけるかも (漢字変換の一例・以下同様… この狭庭畠にせむと良き土の今日くろぐろと盛られけるかも) なにもせてひとつきおきしつちのうへしかとあをくさのひにけるかも (何もせでひと月措きし土の上確かと青草伸びにけるかも) つきのいりまちかきころにおきいてててつついのくはもちにけるかも (月の入り間近き頃に起き出でて鉄鎚の鍬持ちにけるかも) てつついのくはうちくたしうちくたすほとに

キタダヒロヒコ詩歌集 139 あきらめつつ加速してゐる 

あきらめつつ加速してゐる   キタダヒロヒコ ひさかたに見返す詩句の収まりのわるくてけふの韓愈の不機嫌 信じてゐなくとも通じあふ意思のしるしのやうに大熊猫(ぱんだ)飼ふ日々 倖せはあえかなるかな風吹けばたちまちに炊きあがる戦前 〈弾頭の群泳海を渡りつつあるらし〉短波さざめく夜明け 並走車がぐいとスピード上げてくる 吾もあきらめつつ加速する ちぎれ雲つと離れゆく空を仰ぎあす在るための思想を炊かむ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけ

キタダヒロヒコ詩歌集 136 故郷は獣 

故郷は獣    キタダヒロヒコ       さにあらば朝の定規を見くびつて狼とならむ白き息吐き つぎつぎに愛を湯船へ擲げ込みし二十日目よりは鶴のにほひす はろばろと遇はざるいまも名を喚べば口中に淡く充つる雪の香  スキやコメントをお待ちしています   

キタダヒロヒコ詩歌集 135 確信

(あなたにはどこかで会つたことがある)いつしゆんの顔色の確信    キタダヒロヒコ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけたら最高に嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 132 夜行列車十首 その➁

3 友とゐる二十歳の夏の道行きは互ひの距離を短縮せしめ  今回乗り合わせた全員が2年生で同級である。過去に面識のあったK、Yの両君と、この靖国での奉仕への参加が縁となったN、Hの両君と。幸運なことに、彼ら4人とも僕にとって精神的距離を感じさせる相手ではなかった。様々な話をした。H君とは(島崎)藤村のうたを語った。名古屋からの距離が遠ざかるほどに彼らとの関係が徐々に狭まっていく。親密さの度合いが増してくる。  ところで、夜行列車の風情の、「道行き」のイメージになんと相応しいこ

キタダ詩歌集再録Ⅵ プーさんの手術(オペ)

noteを始めたころに投稿して、あまり多くの方に読まれていない作品を再録してアップします。 お読みいただいたあと、引用部の「スキ」をぽちっとしていただけたら喜びます笑。あ、コメント欄は宝物ですので、ぜひ一言お願いします! では、きょうはこの短歌を。 コメントやスキをお待ちしています! サポートやオススメをいただけると、とてもとても嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 131 夜行列車十首 その①

 昭和最末期の大学生だったわたしが、当時書いた連作です。  時代性を感じる表現がところどころにありますが、いまとなれば貴重な記録かもしれません。上京の目的など、どういうこと?と読者が思われるであろう箇所もそのままにしてあります。ぜひコメント等でご質問ください。では、一夜の旅の記録にお付き合いください。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    昭和61年7月10日夜から翌11日早朝にかけ、靖国神社における社頭奉仕のために東京へと向かうべく、

キタダヒロヒコ詩歌集 130 中体連ソフトボール決勝

球と影いいえ影と球逢ふ刹那そこに来てゐたかつた、左翼手(レフト)は 健気なるエースの父は鳴る神の大音声(だいおんじょう)に鳴りて佇(た)ちゐたり 逆転打みてゐる僕は役員章つけてポカリを飲んでゐしのみ 逆転打まなうらに刻み立ち去れるわれらはおなじけふのむらびと 人生に幾度か区切りの日はありて区切りの涙流せしが終はらず コメントやスキ、お待ちしています。 サポートやオススメ、記事紹介などしていただけるととてもとても嬉しいです!

キタダヒロヒコ詩歌集 129

忘[ら]るるは死ぬると同じさういへば木の葉のやうな魚を飼つてゐた コメントやスキ、お待ちしています。 サポートやオススメ、記事紹介などしていただけるととてもとても嬉しいです!

キタダヒロヒコ詩歌集 128

火の速度で近づいてきて去つた影はどの雲かもうわからないけど コメントやスキ、お待ちしています。 サポートやオススメ、記事紹介などしていただけるととてもとても嬉しいです!

キタダヒロヒコ詩歌集 127 JR参宮線宮川駅

  JR参宮線宮川駅     キタダヒロヒコ 名にし負ふ宮川の橋わたらひて伊勢よりかへり来る車両かな 緑蔭に各駅停車(ローカル)停まり若き日の教へ子たちが手を振りてゐつ 昼もなほ改札に駅員無きをくぐりて吾も手を振りにけり 笑つてゐたのであらう 誰だかはわからなかつた かげになづんで 「見はるかす伊勢の大野」を日々よぎりやがて見えなくなるあなたたち コメントやスキ、お待ちしています。 サポートやオススメ、記事紹介などしていただけるととてもとても嬉しいです!