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キタダヒロヒコ詩歌集 139 あきらめつつ加速してゐる 


あきらめつつ加速してゐる   キタダヒロヒコ



ひさかたに見返す詩句の収まりのわるくてけふの韓愈の不機嫌


信じてゐなくとも通じあふ意思のしるしのやうに大熊猫(ぱんだ)飼ふ日々


倖せはあえかなるかな風吹けばたちまちに炊きあがる戦前


〈弾頭の群泳海を渡りつつあるらし〉短波さざめく夜明け


並走車がぐいとスピード上げてくる 吾もあきらめつつ加速する


ちぎれ雲つと離れゆく空を仰ぎあす在るための思想を炊かむ






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