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キタダヒロヒコ詩歌集

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三重県で詩や短歌、俳句を花びらのように書き散らしてきました。noteマガジンにまとめていきます。ぜひお読みいただけましたら嬉しいです。あなたのどこかに残る言葉がありますように。
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#短歌

キタダヒロヒコ詩歌集167 火

火の速さで近付いてきて去った影はどの雲かもう分からないけど

キタタヒロヒコ詩歌集166 祖国

うふすなのうみにやすらふおれたちのかくもやさしき祖国こそ散れ

詩的履歴書  書くことは生きること

13歳で萩原朔太郎と出会ってしまい詩を書き始める。 翌年、中原中也と出会う。 この頃から詩の投稿開始。 16歳で知りあった高校文芸部の先輩に詩のノートを見せて感想をもらうようになり、その人を通じて谷川俊太郎に出会う。「本当のことを言おうか 詩人のふりはしているが わたしは詩人ではない」「黙っていた方がいいのだ もし言葉が 言葉を超えたものに 自らを捧げぬくらいなら」などの詩句を彼女から示される。 当時、隣の伊勢高にいらっしゃった詩人の渡辺正也先生にも一度だけ詩のノートを見て

キタダヒロヒコ詩歌集 159

さつぱりと忘られしよりかろがろと今朝は石なりあすは風なり

キタダヒロヒコ詩歌集 157

つらいけど慣れてしまった 「おれも」と言うひとと一緒に海を見ている 

キタダヒロヒコ詩歌集 145 うつくしい目

わが注意聞き流しつつこの子らがうつくしい目で憶ひだすこと    キタダヒロヒコ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけたら最高に嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 142 

背中から日暮れてしまふひとに火を貸しぬ われにも日暮れが似合ふ    キタダヒロヒコ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけたら最高に嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 141 おんちよう 

おんちよう    キタタヒロヒコ このさにははたけにせむとよきつちのけふくろくろともられけるかも (漢字変換の一例・以下同様… この狭庭畠にせむと良き土の今日くろぐろと盛られけるかも) なにもせてひとつきおきしつちのうへしかとあをくさのひにけるかも (何もせでひと月措きし土の上確かと青草伸びにけるかも) つきのいりまちかきころにおきいてててつついのくはもちにけるかも (月の入り間近き頃に起き出でて鉄鎚の鍬持ちにけるかも) てつついのくはうちくたしうちくたすほとに

キタダヒロヒコ詩歌集 139 あきらめつつ加速してゐる 

あきらめつつ加速してゐる   キタダヒロヒコ ひさかたに見返す詩句の収まりのわるくてけふの韓愈の不機嫌 信じてゐなくとも通じあふ意思のしるしのやうに大熊猫(ぱんだ)飼ふ日々 倖せはあえかなるかな風吹けばたちまちに炊きあがる戦前 〈弾頭の群泳海を渡りつつあるらし〉短波さざめく夜明け 並走車がぐいとスピード上げてくる 吾もあきらめつつ加速する ちぎれ雲つと離れゆく空を仰ぎあす在るための思想を炊かむ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけ

キタダヒロヒコ詩歌集 136 故郷は獣 

故郷は獣    キタダヒロヒコ       さにあらば朝の定規を見くびつて狼とならむ白き息吐き つぎつぎに愛を湯船へ擲げ込みし二十日目よりは鶴のにほひす はろばろと遇はざるいまも名を喚べば口中に淡く充つる雪の香  スキやコメントをお待ちしています   

キタダヒロヒコ詩歌集 135 確信

(あなたにはどこかで会つたことがある)いつしゆんの顔色の確信    キタダヒロヒコ コメントやスキをお待ちしています。 サポートとオススメをしていただけたら最高に嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 132 夜行列車十首 その➁

3 友とゐる二十歳の夏の道行きは互ひの距離を短縮せしめ  今回乗り合わせた全員が2年生で同級である。過去に面識のあったK、Yの両君と、この靖国での奉仕への参加が縁となったN、Hの両君と。幸運なことに、彼ら4人とも僕にとって精神的距離を感じさせる相手ではなかった。様々な話をした。H君とは(島崎)藤村のうたを語った。名古屋からの距離が遠ざかるほどに彼らとの関係が徐々に狭まっていく。親密さの度合いが増してくる。  ところで、夜行列車の風情の、「道行き」のイメージになんと相応しいこ

キタダ詩歌集再録Ⅵ プーさんの手術(オペ)

noteを始めたころに投稿して、あまり多くの方に読まれていない作品を再録してアップします。 お読みいただいたあと、引用部の「スキ」をぽちっとしていただけたら喜びます笑。あ、コメント欄は宝物ですので、ぜひ一言お願いします! では、きょうはこの短歌を。 コメントやスキをお待ちしています! サポートやオススメをいただけると、とてもとても嬉しいです。

キタダヒロヒコ詩歌集 131 夜行列車十首 その①

 昭和最末期の大学生だったわたしが、当時書いた連作です。  時代性を感じる表現がところどころにありますが、いまとなれば貴重な記録かもしれません。上京の目的など、どういうこと?と読者が思われるであろう箇所もそのままにしてあります。ぜひコメント等でご質問ください。では、一夜の旅の記録にお付き合いください。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    昭和61年7月10日夜から翌11日早朝にかけ、靖国神社における社頭奉仕のために東京へと向かうべく、