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06.余命10年 #映画感想

1.今日の余談(映画体験とは)

普段、洋画を観ることが多い私。
ヒューマンドラマを見ることも少ない。

邦画作品はあまりにも共感性が高く、残酷だ。
とてもフィクションとは割り切れず、
ネガティブな私には、殺傷力が高すぎる。

映画体験は、最新技術や、その映画館ならではの雰囲気や上映前の映像
それらを指して友人に話している。

しかし今作をみて感じたことは、邦画には邦画の映画体験がある。
原作ファンが実写化作品に対して意見が合わないのはもはや宿命だが、
私はこの共感性の高さ、切り取りたくなる日常が、邦画特有の映画体験だと思う。

2.あらすじ

数万人に一人という不治の病で余命が10年であることを知った二十歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人。別々の人生を歩んでいた二人は、この出会いをきっかけに急接近することに。もう会ってはいけないと思いながら、自らが病に侵されていることを隠して、和人と楽しい時を重ねてしまう茉莉だったが…。

3.こんな日に観て

・周りの人が輝いて見えた日
・ライフイベントに圧力を感じた日
・愛する人と一緒にいる日

4.評価・感想

★★★★☆4.4 普段映画を観ない人にもおすすめ。
視聴方法:自宅、アマゾンプライム
好きなYoutuberである「おまけの夜」の年末イベントに向けて、配信にある今年の映画を観ようとした。
観終わった感想は、映画として、イベントのために、ではなく素直に観て良かった作品。
是非、年内に観てほしい。周りの人が愛おしく見えるはずだ。
残酷な共感も踏まえながら、記載していきたい。

以下、ネタばれあり

  • 残酷な共感

主人公が退院生活の中で出会う、残酷な日常
・同窓会
同窓会の気まづい雰囲気。仕事や年収、彼女や結婚。
学生時代の悪ふざけや、マウントの取り合い。
どこか気の置けない空間。
今作ではそういった風には描かれていなかったが、同じように感じる人も多いだろう。
小松奈々さんは、気を使わせまいと思ってか、仕事の嘘をつく。
お調子者の山田裕貴さんは、場をまわす。ああいった場面では、根が明るい人は見ていてキツイ。
同窓会後、自殺未遂をはかった
坂口健太郎さんの発言が、共感性が高くキツイ。
「楽しかったんだ。みんながしっかり生きてて。あ、自分以外…」
たまに合う友達と話すとき、instagramに流れてくるストーリー。
隣の芝が青く見えているだけなのに、他人と比べて辛くなることはないだろうか。
「そしたら、ふわっと」
…。

・タイムカプセル
10歳のころ、20歳の自分に向けて書いたことがある。
叶うわけもない夢を書いた。傷つきたくなくて、あたりさわりのないことを書いた。
10年後、開けずとも書いた内容を覚えていた。
今作では残酷にも、幼少期の自分が現実を刺しに来る。
タイムカプセルを開けて、楽しい思い出に浸れた人がいるのであれば、是非おしえてほしい。

・就活(友達)
就活ではなかなか選考が通らない。
本当の自分を知ってくれている人からの声掛けが最後の支えになることもある。
私も現在無職であり、周りからは「どこでも行けるよ」と言われているが、なかなか受け入れられないものだ。
「困ったらうちにおいで」この声掛けに支えられているのは事実だ。

・家族
今作での主人公は、金銭的に恵まれ、家族関係も非常に良好な環境にある。
しかし、それ故の優しさ、気を使ってくれる発言が辛い時もあるのだ。
黒木華さんの何とも言えない表情、振り絞る声が、ギュっと胸を締め付ける。

・友人と恋人
困ったときに支えあえる友人、奈緒さん。
完成した原稿を読んで涙するシーンで嗚咽するほど泣いた。
久しぶりあった程度の友人でも巻き込む根の明るい、山田裕貴さん。
私にも底抜けに明るい友人がいる。本当に彼らには救われている。
そして少しずつでも前をむいて、自立していく坂口健太郎さん。
人は急に全身することはなく、一歩ずつ自分のできることから進めれば良いのだと気づかせてくれる。

・闘病2年を経た主人公
本来は怒っても良いシーン、自殺未遂への「ずるい」
私だって離れたくないと泣いても良いシーン、別れ際の「わかったって言って」
分かれた原因が自信の書籍によるものなので謝っても良いシーン、友人への「ありがとう」
母親が、泣きわめいて良いんだよって言ってくれてよかった。

5.まとめ

残酷な共感、それを基に前を向いていこうと思う。
エンドロールで作者名が出て、さらに涙があふれた。

今回は取り留めのない文章になっているに違いない。
私自身もきっと読み返さないだろう。
タイムカプセルのように、書き出して埋めてしまう。

ふと音信不通の友人の安否が気になる。
連絡は取れなくとも、無事に生きていてくれればそれで良い。

昨日まで元気に見えた友人も、本当は悲鳴を上げているかもしれない。
社会人になって気づいたのは、そういう残酷さ。

生きてて良いんだよ
自分も幸せになって良いだよ
誰かを幸せにするために生きていこうよ

誰からも言われないなら、僕が言いたい。
全力で肯定する。
そんな環境をつくっていきたい。

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