【連続小説】 羊たちが眠る夜は 2
羊たちは図書館の入り口でメェーと鳴き始めた。
その鳴き声を聞くと、少女は突然目を覚ました。
「もう、こんな時間」と少女は慌てた様子を見せる。
少女は羊に近寄り、羊を撫でた。
撫でられた羊は心地良さそうだった。
「どうして図書館にやってきたんだろう?」
僕は疑問に思う。
「早く支度しなくちゃ」
「どこに行くのさ」
「決まっているじゃない。朝ごはんを食べに行くのよ。この子達はお腹をすかせているの」
図書館を抜け、500mぐらい進んだ先に草原が広がっていた。
羊たちは草を食べ、一連の作業が終わると何処かに行ってしまった。
「どこに行くんだろう」
「さあね、あたしにも分からないわ。でも、朝になったら、また図書館に戻って来る。戻りましょう、あたし達もご飯を食べなくちゃ」
そう言うと、少女は来た道を歩き始めた。
遠くにいる羊たちが何だかとても小さく見えた。(つづく)