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【読書日記】 「五感の力でバリアをこえる わかりやすさ・ここちよさの追求」を読む

障害のある人との関わりにおいてヒントになりそうだと思い、読みました。

第一刷:2009年3月20日
発行元:有限会社 読書工房
著者:成松 一郎
内容:できないをできるに変える、感覚の力。五感のうち、日ごろあまり意識することのない感覚のおもしろさを紹介。(amazonより)

障害について、ちょっと異なる視点から書かれている

タイトルから少し変わっていますよね。
私の興味・関心にズバリ当てはまるキーワードがずらり。「五感」「バリア」「わかりやすさ」「ここちよさ」。
私が、障害のある人と関わる仕事の中で、常に頭の中にあるキーワードです。


「はじめに 感覚のふしぎを旅しよう」の中で次のように書かれています。

どんな人にも、さまざまな感覚が、生来そなわっています。
 まずはみなさんに、自分のもっている感覚のふしぎや可能性について気づいてほしいと思っています。
 そして、一人ひとり異なる「感覚の多様性」と出会い、それぞれの人がどのように、どんな「バリアをこえる」ための取り組みをしているのかを、知っていただけたらと願っています。

14ページ

色弱のある方、ことばのみでは意思疎通が難しい方、触覚を常に使う盲の方、視覚と聴覚に障害のある方、感覚過敏のある方の例があげられています。
それぞれの方が、どのように感覚を使っておられるのか、具体的に書かれています。

それぞれの方がそれぞれの感覚の使い方をされている


特に、色弱については、視細胞のちがいなど、詳しいことが書かれ、大変勉強になりました。
それにしても、色弱は、「日本人の場合、男性では二十人に一人(五パーセント)くらい」という事実をつい忘れがちですが、常に頭に置いておかねばならないことです。かなりの出現率です。ちょっとした人の集まりでは、一人はおられると考えることが必要ですね。
色弱の方は色が全くわからないというわけではなく、逆に私たち以上に、一色の中での微妙な違いを感じることがあるという事実も新鮮でした。

そんなふうに、ある感覚に困難があっても、その人なりの感覚の使い方で周囲をとらえたり、理解したりしておられるということが、十分に伝わってくる本です。



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