【読書日記】 「子どもと大人のためのミュージアム思考」を読みながら
この夏、東京都美術館へ行き、その取り組みに大きな刺激を受けました。
美術館のある上野公園にはいくつものミュージアムがあり、それらが展開する「Museum Start あいうえの」の取り組みは羨ましい限りです。
その時の記事はこちらです。
今、東京都美術館学芸員アート・コミュニケーション係長の稲庭彩和子さん編著の「子どもと大人のためのミュージアム思考」を読んでいます。
分厚い本で、中身がぎっしりといった感じです。
この中で、特に共感できる記述がありましたので、大切に引用しておくことにしました。
「ミュージアムでモノを見るとは」どういうことか書かれています。
「モノと一緒に思考する力」「直感を信じる」などがあげられています。
そして「社会的なつながりをつくる」こと。
私は特別支援学校で教員をしています。
以前、子どもたちのアート作品をミニギャラリーで展示したことがあります。
「ぼくのわたしのてんらんかい」という小さな展覧会です。
どうしても展覧会を開きたかったのです。
その時の気持ちといいますか、私のミッションみたいなものを言葉で表すと、上記の引用文なのです。
「私の心に抱いていたことをよくぞきれいにまとめてくださった」というのが率直な感想です。
「ぼくのわたしのてんらんかい」はアート作品を見せるということだけが目的ではありませんでした。
アート作品を公の場に展示することで、人が足をとめ、関心を持ち、その場にいない子どもたちとの交流をしたかったのです。
そして、それは大成功でした。
会場に置いたアンケート用紙には多くの感想を書いていただきました。
まさに、
「出会い」「主体的な関心が自然と生じる展示」「見る力」
です。
今、本を読みながら、「ぼくのわたしのてんらんかい」を思い出しています。
小さな展覧会で「社会的なつながりをつくる」ことができたのです。
そのことを改めて私に感じとらせてくれたこの本に感謝します。
まだまだ読み進めます。
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