【読書日記】「若者がうらやましがる老人になってやろう」を読む
タイトルに惹かれて読みました。私も「老人」にだんだん近づいていますので。
第一刷:2017年12月13日
発行元:株式会社 海竜社
著者:帯津 良一
内容:がん治療の現場で、「生と死」に直面してきた医師が今伝えたい、「老い」を濃密に楽しんで生き切る秘訣!(amazonより)
年配者を「うらやましい」と思うこと
年を重ねることにマイナスイメージしか持てない場合は、「若者がうらやましがる老人」なんてとんでもない、と思うでしょう。
少し前までの私がそうでした。
年を重ねるということは、できないことが増えて、死に向かっていくというイメージ。
しかし、ふと振り返ってみると、若い頃から、少し年配の方の生き方や仕事ぶりをうらやましいと思ったことが幾度もありました。
そういった方々を見て、「貫禄があるなあ」「さすが説得力があるなあ」「私よりも姿勢が良くてかっこいいなあ」などと思ったものです。
それは、ある程度年を重ねているからこその姿だったのだったのだと思います。
「うらやましいなあ」と思える年配者に出会え、また、今もそういった方が身近にいます。
非常にありがたいことです。
果たして自分は・・・
私も年を重ね、「年配者」というカテゴリーに入ることが多くなりました。
今度は逆の立場になれるでしょうか。
これまで年配者を見て「うらやましい」と思った経験を、今度は若い人にさせてあげる立場ですね。
そのためにはどうすればよいのでしょうか。
この本には、たくさんのヒントが書かれていました。
キーワードは3つ
この本の中で、非常に印象に残った言葉が3つあります。
「ときめき」
「いのちのエネルギー」
「生と死を分断しない」
この3つのキーワード。
・「ときめき」
いつもときめいていることは大切とのことです。
どんなことでもよい、ささいなことでもよい、自分の心に刺激となることをもつことで、後半生を楽しむ土台になるそうです。
今の私は…、趣味、仕事でささやかですがときめくことはあるので、この点についてはクリア。
・「いのちのエネルギー」
次のように書かれています。
よし、これから最後まで笑顔を増やしていこう。
そのためには、ときめき探し。
もっともっと、毎日の生活の中で、ささやかなときめきを探していこうと思いました。
・「生と死を分断しない」
人の生と死は一本でつながっています。
それなのに、人が生まれた時に祝福し合い、人が死ぬ時には悪いことが起こったようにふるまうことについて疑問を投げかけておられます。
人の死が悪いことならば、私たちはみな、生まれた時から「悪いもの」「嫌なもの」に向かって生きているということになる、それは悲しい。
なるほど、その通りだなあと思いました。
「死を身近に感じてみる」と書かれています。
こんなことはこの本を読むまで、自分には考えにくいことでした。
しかし、居場所を持つという考え方をベースに持つことで、
「死」というものの概念を少し書き換えられるように思いました。
「年を重ねることでいいことがあるんだ」ということを自ら体験し、そんな姿を若い人たちに見せたいなあ、と思わせてくれる本でした。
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