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息子の挫折

寝る場所がない


息子が留学先から帰国した。語学学校を終えて仕事を探したが、見つからなかった。本当なら半年間滞在する予定だった。
留学先はオーストラリア。働きに来ている人数がすごく多くて仕事がないと。行く前に予想出来なかったの?考えが甘すぎたんじゃないの?
どんな言葉もむなしい。「残念だったね」「これも経験だよ」
としか言えなかった。帰国する前に「もう少しがんばってみたら?」の返事が「寝る場所がない」だった。家もなかったのだ。
せめて家があったらもう少しがんばれた。たらればは、意味がないけれど。


私が勝手に思い描いていた楽しそうな息子の顔は見られなかった。
でも本人が一番悔しいだろう。大学を一年間休学して臨んだのだ。

日本での生活

大学生になってからほとんどがコロナ禍。入学式もない、サークル活動もない。キャンパスライフも知らないかもしれない。
講義はリモートがほとんど。「大学は人生の夏休み」なんて言葉を聞いて
なるほどなぁと思ったけれど、リモートの講義に自由に出かけられない日々の生活。夏休みにしてはつまらない。

なので「海外に行きたい」と言われた時は「よし、行ってこい」と思った。
でも夫の反応は違った。「行ってどうする」と言う。
考え方の違い、価値観の違い。「私たちが応援しないでどうするの」必死で訴えた。結果夫も賛成してくれたけど、自分も留学経験があるのに反対するのはどうしてなのだろう。

行くまでの準備も楽しそうだった。行きたかった外国へ行く喜び、
新しい生活への期待でいっぱいだったはずだ。
普段からあまりしゃべらないのだが、顔がちがった。

行く日の朝、わたしがXでつぶやいたようにわたしだけ?パワーをもらった。

就活、つぎのチャレンジへ

帰国してからはバイト生活。
お金を貯めてまた海外へ行きたいという。

来春からは大学4年生。就活もする予定だ。
息子の人生だから、自分を信じて進んでほしい。

本人は悔しかったかもしれないが、挫折だなんて
思ってないかもしれない。

決めつけるのはやめよう。

わたしは、息子を信じて見守るだけ。
息子が元気で幸せならそれでいい。



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