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【映画館での思い出】ひどい目にあった話② ジョーカー編

この記事は映画の感想ではありません。
おそらく映画好きなら誰しも経験するような、
映画館に行ってひどい目にあったお話です。

少しネガティブな内容となるので、もし苦手な方は引き返してください。
ですが、このエピソードは飲み会での笑い話として高い評価をいただいており、個人的には面白い話だと思っています。

*内容には言及しませんが、ネタバレと感じる方がいるかもしれない内容が書かれます。ご了承ください。

ジョーカーを見に行った時の話

2019年上映「ジョーカー」
この映画に関する情報は不要ですね、多分みんな大好きだし。


田舎住みのため、行ける映画館が一つしかない私は、毎度おなじみの映画館に行きました。

時間になり、受付に向かったのですが、いつもと違うことがありました。

高校生くらいの青年が、受付の方と何か話しているのです。
何だろう、と思いながらも、私には関係ないので別の受付の方にチケットを渡して入場しました。
まさか、あの青年の起こす事件が私に大きなショックを与えることになろうとは、その時の私は知る由もなかったのです。

さてさて、そんな感じで入場した私は、いつものように予約した少し後ろの真ん中の席に座りました。

両隣は空席で、前の列の正面も空席、しかし前空席の両隣には人が座っておりました。
なんの変哲もない、いつもの映画館です。

しかし上映前に少し不思議なことがありました。
受付にいた係員さんが前の席の空席にきて、しばらく座席を確認してから去っていったのです。

何だろう?
そんなことを思っていたら映画が始まりました。

冒頭から雰囲気の良い映画で、集中しかけていたその時、
ブーッ、ブーッ、ブーッ
何かが震える音が聞こえてきます。

スマホのバイブだ、私はすぐに理解しました。
方向的に前の列の人のスマホが鳴ってる、と。
でもすぐに気づいて切るだろう、なんて思っていたのですが、バイブ音はしばらく続きました。

はて、なぜすぐに切らないんだろう? 寝てんのか?
そんな風に思っていたところ、再度
ブーッ、ブーッ、ブーッ
と、聞こえてきました。

いや、電源切れよ。
前の2人に(どちらかわからなかったので)怒りを覚えたのですが、
少し様子がおかしいのです。

2人とも周りをきょろきょろしていたのです。
この2人じゃない?
いや、しかし音の聞こえる範囲には他に人はいません。

ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ、ブーッ

音は鳴りやみません。
一度切れても何度も何度もなり続けるのです。
気になって映画どころではありませんでした。

しびれを切らしたのか、前の片方が、もう片方に頭を寄せて何かを言っていました。
おそらく「スマホ切ってください」とでも言ったのでしょう。
しかし相手側は首を振りました。「私じゃないです」とでも言ったのでしょう。

その時、私はピンときました。
上映前に受付と話していた青年です。

あの青年はスマホをなくしたので受付に話していて、
だから上映前に前の座席を受付の方が確認しに来たんだ、と。
スマホが鳴り続けているのは彼の友達が、スマホを探すのに協力するために鳴らし続けているんだ、と。

前の席の2人は間の座席を探すそぶりを見せていたのですが、見つからないようでした。
結局2人は探すのをあきらめたようで椅子に座りなおしていました。

ブーッ、ブーッ、ブーッ

スマホは鳴り続けます。
いや、いくらなくしたからってそんなに鳴らさないだろ、ってくらい鳴り続けます。
そうなると、私にできるのはそのスマホのバッテリーが切れることを祈るだけでした。

映画を邪魔されて怒りで、映画の内容をほとんど覚えていません。
中盤鳴りやんだスマホは、終盤でまた鳴り始めました。
いや、もうあきらめろよ。
そんな私のツッコみは彼に届くはずもありません。

映画のエンドロールを観ながら私は彼の顔を思い出しました。
はっきりと思い出せない彼の顔を思い浮かべながらこう思ったのです。
彼こそ我々のジョーカーだった、と。

以上です。
長々とありがとうございました。



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