見出し画像

【本の記録】兇人邸の殺人

こんばんは。夕食までの30分間でnoteを書くのが習慣化できればいいなと思っている鋏子(はさみこ)です。

図書館で1ヶ月以上予約待ちだった『兇人邸の殺人』(今村昌弘)をようやく借りることができました。

「お、面白いいいいい…っ!」と呻きながら半日で読み終わってしまい、もっとゆっくり読めばよかったと後悔しているところです。

『屍人荘の殺人』『魔眼の匣の殺人』に続いての第三作。

もう思いっきり感想を話したいんだけど、過去作同様に何を話してもネタバレになってしまう特殊な舞台設定です。

というわけで、ネタバレに細心の注意を払いながらの感想殴り書き。

と言いつつ勘の鋭い方はピンと来てしまう部分もあるかと思うので、ここから先は既読の方or未読の方は自己責任でお願いしますね~。




・表紙の比留子様、かなりハードモードな状況だと中盤で明らかになる。

・私が比留子様と同じどうあがいても絶望な状況下に置かれたら絶対発狂してしまうのに、切れ味抜群な推理力を発揮するこの探偵、美しいぞ。

・かと思えば葉村譲の、人の心理をじわじわ追い詰める底知れない推理力。

・このホームズとワトソン、味方にいても恐ろしい存在ですよ。

・職業:傭兵が6人くらい登場して絶対混乱するやんと思ったが、外見や性格が掴みやすくて秒で覚えた。今村先生のキャラクター設定力すごい。あとわりと序盤に半分死ぬから覚えなくても問題ない

・傭兵のアウルさんが好きです。「日の出が待ち遠しいぜ」という名言を残す三十代前半しごでき男。

・存在自体がミスリードの人物がいてもこれ以上何も言えねえ。

・個人的にシリーズ三作の中で一番恐ろしい敵だった。ジェイソンやフレディだってもう少し弱点あるやろ。会ったら即死ってそんなばかな。

・しかし同時に一番悲しい敵でもある。大人のエゴに未来ある子ども達を巻き込んではいけない……。

・兇人邸が元迷路屋敷なので、見取り図も複雑怪奇を極めている。本館と別館と主区画と副区画が交錯するうえ、途中から隠し部屋や隠し通路が追加される。

・そのため葉村たちが今どこに隠れてどこを移動しているのか、毎回見取り図を開いて確認しなければならない。でもそれがめっちゃ楽しい!

・いくら金属扉などの安全機構があるとはいえ、毎月10万円もらっても絶対住みたくない屋敷ナンバーワンは兇人邸です、おめでとうございます。

・『首塚』という部屋が屋敷の中央にある時点で色々お察し。

・今回は経験豊富な陽動部隊がいなければさすがに生き残れなかったと思うので、アウルさんほか傭兵達の活躍は勲章ものである。

・ラストに登場する人物が「誰?」ってぽかんとしたが、案の定『兇人邸の殺人』でGoogle検索するとサジェストにその人物の名前が出てくるので、他の読者も「誰?」ってぽかんとしたんだなと安心した。

・『』という漢字が今作の比留子様を表現している。囚われの女王。

・名前は出てこないけれど、葉村がミス愛元会長の意思をしっかり引き継いでいるのが嬉しい。

・今後も順調にシリーズが続いたら、最終的に巨大怪獣と対決してもおかしくない。敵の難易度がじわじわ上がっている。

・はぁー怖かった。でもちゃんと骨太なミステリ小説でした。


おしまい。




この記事が参加している募集

#読書感想文

186,993件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?