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弱くて何もできない時間が続いても10年かけて形にする

 今週、尊敬する恩師からいくつかの言葉をいただいた。

 社会人一年目で、エンジニアの世界に圧倒されて、全然形にならない日々に焦燥感を抱いていた。

 それでも努力量を増やすことで早く一人前になって、できることを増やさなきゃと思っているとき、これらの言葉をもらった。

 一年かけて実現できることなんて大したことないし、そのほとんどが失敗する。それよりも心から実現したいことに10年かけなさい。本当に重要なことはそんなに多くないけど、そのほとんどがうまくいく。
 誰もあなたに失敗して欲しいなんて思ってないし、成功して欲しいとも思ってない。ただあなたが勝手に失敗して成功するだけ。
 焦って身につけても必ず穴がある。人生の後半にその穴に気付いてもどうにもならない。それよりは、今じっくり身に着けるべき。最初は人が100できることのうち80しかできなくても、長期的に見たらその方がいい。

 最初は、何とか自分の居場所を見つけるためには頑張らなきゃいけないと思ってやってきたのに、それは違うと言われ、でも何もできない期間は辛いと思った。

 できていない自分を受け入れられなくて、早く成長したいからもっともっと努力しないといけないんだよと抵抗していた。

 それでも、三時間くらい付き合ってもらってやっと受け入れることができた。自分が恐れていることを知り、できないことをできる振りしている自分の弱さを見つめることができた。

 この世界にいる方々が数年または数十年かけて身につけたものを、自分が短期間で身につけられる気でいることの傲慢さに気付かせてもらった。

 それよりは、できない自分を受け入れて、わからないことはわからないと伝える。できないことをできる振りをしない。周りの方々に助けてもらいながら、じっくりしっかり成長する方が、ただ形にするよりも何倍も価値がある。

 それは甘えじゃない?っていう声や、自分の中のかたくな部分があって、心から降参して弱い自分を受け入れられているわけではない。

 それでも、その不完全さも受け入れて、10年かけてでも本当に大切なものを身に着けられるように謙虚に取り組んでいきたい。

 今週は仕事でもプライベートでも本当に多く方に助けてもらって声をかけてもらった。

 そして、その一人一人から「焦らなくていい、ゆっくりやろう」という暖かい言葉をいただいた。不思議なタイミングだったけど、背負っていたものを少しおろせた気がした。

 生かされて、与えられて、一人でできることなんてほとんどないけど、だからこそ、人は暖かいし、繋がれるのかなと思う。

 社会人一年目の自分へ、10年後の僕と仲間たちから励ましとして。

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