CCB
夕方6時半、帰宅するためにいつものように地下鉄に乗り、空席があったので座りました。次の駅で隣に座っていた人が降りたので、空いた席にはスーツケースをゴロゴロと引きずった20代とおぼしき女性が座りました。化粧をしていたあたり『スクール・ガール』ではなかったようです。
そしてそのスーツケースは『原色したいね』といわんばかりの明るめのオレンジ色で、女性の膝頭の先に邪魔にならないように留めていました。自分の視線の範囲内に置いてあるので、見るともなしに見えたのが、スーツケースの上部です。そこにはダイヤル式のキーがあり、その付近にはシールで
C C B
の文字がありました。自分の世代からしたら、十代のティーンエイジのな時代に、音楽番組で何度も耳にしたバンドの名前でもあります。
『Lucky Chanceをもう一度』とばかりに『ないものねだりのI Want You』を繰り返したり、思春期だったから『不自然な君が好き』になって『抱きしめたい』衝動に駆られて『空想kiss』を繰り広げ、結果は『元気なブロークン・ハート』になったことを、この3文字だけで一気にフラッシュバックしたのでした。
けれど、この文字を貼り付けたスーツケースの持ち主は20代と思われるので、そんな昭和時代のバンドのことが『2 Much,I Love U.』とは考えにくく、また、隣だからといって「どういう意味ですか?」と訊くのは相手からドン引きされそうだからできず、この文字の手掛かりになりそうなものも見つからないまま、自分が降りる駅に着いたので、結局迷宮入り。
なので、勝手に、旅行に出かけたら『Romanticが止まらない』という意味合いで「CCB」と貼り付けた、と結論付けます。
※上記の『 』はすべてC-C-Bのシングル曲です。
(お読みいただきありがとうございました。内容に共感していただけたら心付もお願いします)
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