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目玉焼きのっけごはん

昨夜、久し振りに遅くまで寝つくことができず「明日の朝ごはんは何にしようかなあ」などと考えていた。

どんなときでも、食べもののことを考えると、どことなく心の片隅がちいさなロウソクで照らされたようにあたたかく、幸福になる。仕事でいやなことがあったときでも、何もかもがうまくいかないような気がしたときでも。

ううん、と頭をひねらせた結果、思いついたのが「目玉焼きのっけごはん」だった。その名の通り、半熟の目玉焼きを炊きたてのごはんのうえにのせて醤油をたらし、少しずつ崩しながらいただくごはん。簡単なのだけど、ピカイチにうまい。

祖母の家に訪れたとき、よく烏骨鶏の卵かけごはんを出してもらったなあと思い出す。眩しいくらいにきらきらと輝き、プリプリした卵は、箸で崩すとじゅわあと黄身があふれた。寝床からのそのそと寝ぼけ眼で食卓に出てきても、それを見たらイッパツで目が醒める、とびきりの朝食。

我が家にあるのはスーパーで買った激安卵だったけれど、起きて早々に土鍋でごはんを炊き、合間に目玉焼きの準備をした。

フライパンにサラダ油をひき、さらりと流れはじめたら、トントンと割り入れた卵をそうっと落とす。今日はベーコンが余っていたのでベーコンをたくさんしいて、その上にぽとり。

気持ちが高ぶったあまり、ひとつは落とし入れる際に黄身がぶわあと崩れてしまい、大失敗だった。あちゃー。

成功した方をオットさんに譲ったら「おいしい、おいしい」ともぐもぐ食べてくれたので、ひと安心。わたしも、失敗した方を夢中で食べたのだけど、味は変わらず、おいしかった。

ほかほかのごはんと、まあるい卵の包み込んでくれるようなやさしさは、いつだってわたしを見守ってくれているような気がしてほっとする。また明日も食べたいなあ。

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