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0311:やくみん覚え書き/掘り出す作業

 小説『やくみん! お役所民族誌』が昨日で三回目のアップとなった。今のところ週1ペースなので、これを維持したいところだ。

 ここまでで約7600字(scrivener表示による)、原稿用紙換算19枚。作品の主舞台となる澄舞県消費生活センターがまだ登場していない(第5回の見込み)。このペースだと、第1話だけで300枚くらい行くんじゃないか。

 想定より展開のペースが遅い理由は、描写が細かくなっているからだ。当然、展開速度と描写密度はトレードオフの関係にある。

 数年越しで脳内でこねこねしていたアイディアを、実際に執筆に移す時、予想もしていなかった設定・場面・描写・キャラクターが次々と出てくる。第三回までで、ちょい役を別として、事前設定にはなく書きながら生まれたキャラが3人いる。いずれも、ふとした描写からディテールが出来ていった人間たちだ。誰がそうなのかは、ナイショだ。

 物語の作り手は、最初の読み手でもある。これは過去記事でも書いた(どの記事だったっけなあ)。脳内で文章を紡ぐ。キーボードを叩く。画面に文字が現れる。読む。しっくり来ない。直す。書く。自然な流れにするために、補助線キャラが必要になる。登場させる。性格が付与される。後であの場面に使おうと思いつく。伏線的描写が厚くなる。読み返す。冗長なものはカットする。時には数段落を捨てる。違う角度から書き直す。読む。面白い。書く。読む。面白い。書き直す。もっと面白い。ふは、ふはは、ふはははは。

 小説は人間の物語だ。キャラの一人一人が魂を持ち、自分の感性と意思で行動する。作者の都合で簡単に役割を果たしてくれるわけがない。第1回に簡潔な状況説明としてひねり出した「大学三年生が新入生に手を出したくせに」のひとことが、第3回でひっくり返るなんて、その箇所を書く瞬間までカケラも予想していなかった。第3回の「やる時はやる女」も、初出時に筆の勢いで書いた表現が、クライマックスの動力になった。作品の中の香守みなもは、事前に作者が想像していた香守みなもより、遥かに血肉豊かな人物になってきた。

 10年ぶりの小説書きは、楽しくて仕方がない。

--------(以下noteの平常日記要素)

■【累積34h24m】本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
今日明日は家業研修、明日の予習があるので今日はノー勉強デー。

■本日摂取したオタク成分(オタキングログ)
『アイ★チュウ』第1話、アイドル物かあ、と思ったけど割とイケる。

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