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FMグループ公開社内報 投稿別カテゴリー:笹谷部長

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笹谷部長の投稿記事一覧です
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「不動産豆知識16 水害ハザードマップ」FM笹谷部長 Vol.116

FMグループ社内報Vol.116【投稿者:笹谷部長】 今日は水害に関するお話です。 以前から水害リスクについては重説に記載していました。例えば「●●町●丁目●番街区において、令和●年●月の台風●号により床上浸水1件、床下浸水2件、道路冠水3件の被害記録があります」的なやつです。 これらは役所の台帳に記載されている過去の実績です。 ところが、最近(令和2年8月28日)になって法令改正により、将来のリスク予測も水害ハザードマップを使い契約に先立って事前説明する事が義務化されま

「不動産豆知識15 公図」FM笹谷部長 Vol.109

FMグループ社内報Vol.109【投稿者:笹谷部長】 今日は皆さんも日頃見慣れた公図のお話です。 見慣れてはいるけれども、そもそも公図とは何ぞや?と疑問に思われる方も多いかと思いますので、その起源、意味、目的について解説していきます。 公図は法務局に備え付けられている地図の一種で、不動産の売買取引きにおいて欠かせないものです。その起源は明治時代の地租改正にまで遡ります。それ以前は、豊臣秀吉が行った太閤検地により石高に応じて年貢を納めていましたが、明治政府の行った租税制度改

「不動産豆知識14 謄本取得のコツ(共同担保目録) 」FM笹谷部長 Vol.102

FMグループ社内報Vol.102【投稿者:笹谷部長】 今日は皆さんが委任を受けたり、仲介をする時に取得する登記簿謄本(登記情報)についてのちょっとしたコツのお話です。 共同担保目録とは、債権の担保となっている不動産の一覧の事です。 普通、住宅を買う場合銀行などで住宅ローンを組みますよね。この時に債権者(貸す人)は、貸し出す金額に見合った担保をとります。 これを登記したものが抵当権です。 万一債務者(借りる人)の返済が滞った時には、抵当権を実行して対象不動産を競売にかけて

「不動産豆知識13 道路では無い道」FM笹谷部長 Vol.95

FMグループ社内報Vol.95【投稿者:笹谷部長】 皆さんが日頃、取り扱う物件の中には、ちょっと特殊な物件が紛れ込んでくる事があり、あまり馴染みがない為、どう取り扱ってよいのか思案してしまう物件もあるかと思います。 今回はそんな物件の中の一つを取り上げて解説してみようと思います。 具体的に言うと再建築不可物件のお話です。 再建築不可になってしまう代表的な理由は、接道義務違反です。ご存じのように建物を建築するには、建築基準法第43条に定められた接道義務を満たさなければなりま

「不動産豆知識12 擁壁とガケ条例」FM笹谷部長 Vol.86

FMグループ社内報Vol.86【投稿者:笹谷部長】 皆さんが紹介したり、案内したりする物件の中に時々、地盤にコンクリート製の土留めが施されている物件があるかと思います。 坂が多い地域や高低差が大きい地形の地域に多く見られます。要は土地を構成する土砂が崩れてしまわないよう土砂をキープしておく壁ですね。 この壁の事を”擁壁”と言います。鉄筋コンクリートや間知ブロック、大谷石などで作られています。今日は、こういった擁壁の有る物件を取扱う際の注意点のお話です。 通常、各自治体に

「不動産豆知識11 持回り契約について」FM笹谷部長 Vol.79

FMグループ社内報Vol.79【投稿者:笹谷部長】 不動産売買の契約締結は、通常売主・買主・仲介業者が一堂に会して行うのが一般的です。 ところが、当事者の一方が遠方に居住しているとか、日程的な都合がどうしても合わないなどの理由により、仲介業者が契約書類を当事者の所まで持参し、そこで読み合わせや署名押印を行うのが持回り契約です。 これには複数の潜在的なリスクがあるので、やむを得ない事態に対処する為の最終手段であるぐらいの認識で細心の注意を払い行うべきでしょう。 リスク① 手

「不動産業務豆知識10 宅建『業』」FM笹谷部長 Vol.72

FMグループ社内報Vol.72【投稿者:笹谷部長】 皆さんは、車の運転はお好きですか? 好きな方も苦手な方も少なくとも運転免許証は所持されているかと思います。もしも運転免許証を所持せずに運転していたら、道路交通法違反により反則金を取られてしまいますよね?当たり前の話です。 実は、宅建業も同じです。 宅建業法第3条にこうあります。「宅地建物取引業を営もうとする者は、(中略)国土交通大臣(中略)都道府県知事の免許を受けなければならない。」つまり、宅建業を営むには大臣や知事から

「不動産業務豆知識9 本人確認の重要性」FM笹谷部長 Vol.65

FMグループ社内報Vol.65【投稿者:笹谷部長】 今回は前回に続いて、本人確認の重要性についての話の2回目です。 本人確認には2つの意味合いがあり、一つ目の意味合いは「実存性・依頼内容の確認」であるというのが前回のお話でした。 二つ目の意味合いは、犯罪収益移転防止法により宅建業者に義務付けられた「取引時確認」です。この法律の趣旨は暴力団やテロリストなどによるマネーロンダリング(資金洗浄)を防止する為の制度です。 よって、目の前に居る売主(買主)が「何処の誰」であるかを

「不動産業務豆知識8」FM笹谷部長 Vol.60

FMグループ社内報Vol.60【投稿者:笹谷部長】 今回は、不動産取引をする際の重要ポイントの一つである本人確認についてのお話です。 一口に本人確認と言っても2つの意味合いがあります。 一つ目は、今自分の目の前に居る人が本当にこの物件の売主(買主)なのか? 同時にこの物件を売却(購入)する意思を持っているのか?を確認するという事です。 これを「実存性・依頼内容の確認」と言います。 これに関連した有名な事件がありまして、ご存じの方も多いかと思いますが、ちょっと紹介すると、

「不動産業務豆知識7」FM笹谷部長 Vol.52

FMグループ社内報Vol.52【投稿者:笹谷部長】 今回は、売買契約時に取得する書類の一つ「個人情報の取扱いについて」についてです。 営業マンから、割と頻繁に受ける質問があります。 「今回、うちは客付仲介で、元付には某大手が入っているんですが、個人情報書類は取らないと駄目ですか?」という感じの質問です。 割と皆さん混乱しがちで、契約で焦っている時なんかには、取り忘れてしまったりしがちなので、その答えと理由をお話しします。 まず答えの方ですが、当社が買主側の片手取引であっ

「不動産業務豆知識6」FM笹谷部長 Vol.45

FMグループ社内報Vol.45【投稿者:笹谷部長】 前回は中古マンションの売買契約の時に必要となる重要事項調査報告書についてお話をしました。今回はその続きになります。 しばしば、当社営業マンから「重調の有効期限は何か月以内ですか?」という質問を受けますが、実は法律上の明確な規定はありません。 但し、国交省ガイドラインである「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の中に、修繕積立金等や管理費用について「なお、この積立て額は時間の経緯とともに変動するので、できる限り直近の数値

「不動産業務豆知識5」FM笹谷部長 Vol.38

FMグループ社内報Vol.38【投稿者:笹谷部長】 今回は中古マンションの契約をする上で、切っても切れないものについてのお話です。 少し前の事ですが、当社の某店舗で契約が纏まりそうな投資用中古マンションがありました。担当営業マンの頑張りもあり、業務部も物件の調査を行い、契約書類の準備も最終段階というところで突如、契約が飛んでしまいました。 何故でしょうか?その理由は修繕積立金の値上げです。 これにより、投資家のお客さまは当初見込んでいた利回りが出なくなり、値引きを希望

「不動産業務豆知識4」FM笹谷部長 Vol.30

FMグループ社内報Vol.30【投稿者:笹谷部長】 今回は区画整理地内物件の場合の注意点についてのお話です。 皆さんご存じのように、区画整理とは地権者が自分の土地の一部を供出して、ゴミゴミした状態の街並みを碁盤の目のように綺麗に整備された街並みに作り替える公的事業の一つです。このような物件をお客さまに提案する時には大事な注意点が2つあります。 一つ目は土地が減るという事です。 これを減歩と言います。案内や説明の時にうっかり従前地の地積で説明してしまうと、ネガティブなイメ

「不動産業務豆知識3」FM笹谷部長 Vol.22

FMグループ社内報Vol.22【投稿者:笹谷部長】 今回は皆さんにとって馴染み深い瑕疵担保責任についてです。 民法改正により今は契約不適合責任ですね。言葉自体は我々不動産業者にとっては日常的に良く使われる言葉ですが、意外と知られていない落とし穴が有るので、その辺のお話です。 築年数がとても古い建物を取引する時に「瑕疵担保免責」の特約を契約書に付けて契約すれば売主さんは、一切の責任を免除されるだろうと考えてしまいがちですが、実は抜け道があります。 これが民法第572条に