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1からインターンの採用を始めるあなたへ 【インターン採用の教科書】
中途採用(キャリア採用)の市場は相変わらず採用が激化する中で、最近ではベンチャー / スタートアップ領域においても「新卒採用」や「長期インターン採用」に注力し始める企業様も増えているように思います。
🤔 < 即戦力化が期待できる中途採用ではなく「インターン」採用 は果たして上手くいくのだろうか?
そこで、上記のような「インターン」採用についてのお悩みを抱える方(またご興味がある方)へ向けて、「インターン採用」の参考になるような前提情報や施策、手法について本noteにてご紹介できればと思います。
※ 本noteでは、あくまでもポテンシャライトが日々採用のご支援をさせていただく中で感じた内容を軸に執筆しております。”採用活動における一視点” として参考程度にご覧いただけますと幸いです。
では、早速はじめましょう!
1. 採用を始める前に押さえておくべきポイント
「インターン」採用を成功させるための手法をご紹介する前に、より体系的な採用活動を実現するための情報を整理します。
- そもそも「インターン」とは
- 「インターン」の種類
- 「インターン」採用と「中途(キャリア)」採用との違い
1-1. そもそも「インターン」とは
大前提として、本noteでの「インターン」を定義したいと思います。
インターンシップとは…
学生が自己の適正を把握する、あるいは仕事の内容を理解するために、在学中に一定期間に企業内で就業体験を行うこと
📍本noteでは「インターンシップ = インターン」と略称で記載しております。予めご了承くださいませ。
多くの場合は専門学校や大学といった教育機関に在学中の学生が企業にて就業体験を行うことを指します。本noteの主題としては「長期学生インターン」に着目し情報をまとめていきます。
1-2. 「インターン」の種類
既にご存知の方も多いかと思いますが、「インターン」と一言で表現するには多くの種類が存在しています。今回は3種類の特徴を簡単に整理します。
▼ 短期インターン
企業がいわゆる「就職活動の一環として」開催していることが多い、2~3日 / 1週間程度のワークショップ型インターンのことです。
- 期間:夏季 / 冬季休暇中(この期間に最も多いと感じます)
- 対象:就職活動を控えた学生
- 方法:エントリーから書類 / 面接選考を経て、該当期間のインターンに参加します。
- 特徴:無給であることが殆どで、学生の多くも目的を「就職活動の一環として」捉えていることが多く、大手企業様が多く主催されています。
▼ 長期インターン
企業側が「社員」として学生を雇用し(形態はアルバイトが主流)就業体験を提供することです。
- 期間:通年
- 対象:就業体験を希望する学生(年次問わず)
- 方法:求人媒体等からのエントリー / 選考の実施(アルバイト採用の選考ステップが近しいです)
- 特徴:半年~1年以上のインターンであり、有給であることが殆どです。
▼ 内定者インターン
企業側が新卒採用において、内定を承諾した「内定承諾者」を対象に新卒入社の前から雇用を開始することです。
- 期間:内定通知 / 承諾後、新卒入社の期間まで
- 対象:企業の内定を承諾した学生 = 入社予定者
- 特徴:有給で「これから入社するメンバー」として育成を開始すること。昨今のベンチャー企業での導入が目立ちます。
1-3. 「インターン」採用と「中途(キャリア)」採用との違い
本項の前半では、「インターン」の概要情報を整理しました。次は、いま一度「中途(キャリア)」採用と「インターン」採用の違いを2つの項目に絞ってお伝えします。
▼ コスト
1名採用におけるコストが異なります。(本note後半で記載しますが)採用手法が異なることと未経験者の採用が前提になるため、中途(キャリア)採用よりも低コストでの施策運用が可能です。
▼ 就業期間
「インターン」採用におけるメインの雇用形態としては、アルバイト契約であることが大きいです。雇用する側 / される側ともに、辞めるという選択肢を取りやすくなります。インターンの場合、ターゲットが主に学生であることから、1年程度の在籍期間に留まってしまうことがあります。半永久的な採用でないことを念頭に採用する必要があります。
2. 「インターン」採用のメリット
前項にて、「インターン」採用を始める前に押さえておくべきポイントを整理しましたが、本noteをお読みいただいている方の半数ぐらいの方が「思っていたよりも大変かも…」と感じてしまっているのではないかと思っています。(筆者も少し大袈裟に記載してしまったかもしれません💦)
ただ、「インターン」採用が昨今のベンチャー / スタートアップ領域でも注目される背景には、もちろん「採用することの大きなメリット(効果)」があると感じています。大きく4つに整理してみました。
- (カルチャー)仕事に対する「価値観」を形成することができる
- (カルチャー)意欲的なメンバーとして社内へ刺激を与えることができる
- (職務内容)幅広く多くの業務を依頼することができる = ポジションが定まっていない
- (コスト)採用費用 / 給与 共に中途採用よりもコスト削減が可能である
2-1. (カルチャー)仕事に対する「価値観」を形成することができる
採用ターゲットである学生は、社会人経験もほぼないことが前提であり、いわゆる仕事における教育(育成)を受けていないことがほとんどです。つまり「インターン」として会社に受け入れた企業側からの「価値観」形成がダイレクトに学生にインプットされ、カルチャーにマッチした社員として組織への定着を見込むことができます。学生の「インターン」であることからいわゆるスキルのある即戦力として活躍することは難しいかもしれません。(とても優秀な学生は多いですが)ただ、企業のカルチャーにフィットした価値観形成ができるという観点では、非常にメリットがあります。
2-2. (カルチャー)意欲的なメンバーとして社内へ刺激を与えることができる
こちらも上述した内容に近しいですが、学生「インターン」のマインドセットはもちろん、既存のメンバーへも新しい風として刺激を与えることが可能です。例えば、育成”側”の経験がないメンバーがメンターを担当する、またこれは企業あるあるかもしれませんが…会社の「当たり前が通用しない」ことは概ね想定できるかと思います。企業側が新しく「インターン」を受け入れることでの組織の雰囲気の変化は必ずといっていいほど起こりうると思っています。
2-3. (職務内容)幅広く多くの業務を依頼することができる = ポジションが定まっていない
学生「インターン」の特徴として、上記でも触れましたが、即戦力でないことが挙げられます。つまり、定まった業務の経験と知見がないということです。もちろん学生の志向や意欲にも寄り添う必要はあるかと思いますが、ある程度は業務の範囲を定めることなくいろんな職務内容を依頼することが可能です。中途(キャリア)採用とは異なり、スキル重視でないからこそ、現状の企業の困り事に対して人員を割くという目的でのアサインも可能です。
2-4. (コスト)採用費用 / 給与 共に中途採用よりもコスト削減が可能である
冒頭でも記載しましたが、採用費用 / 給与共に圧倒的に削減することができます。例えば、採用費用について。中途(キャリア)採用をエージェント経由でした場合には理論年収の35%前後が費用として発生します。インターン採用の場合、求人媒体への掲載費用”のみ”で採用も可能です。これは数十万円単位でのコスト削減を実現します。また、「インターン」として採用した学生が、同社にて新卒採用の選考を受け、合格 / 内定承諾となった場合、追加での費用は発生しません。また正社員として採用される頃には、価値観形成 / 高いレベルでのカルチャーマッチが見込まれるため離職率が低くなる傾向も考えられます。それぞれは、あくまでも「インターン」採用がうまく行った際の良い事例ですが、十分にメリットとして考慮できるかと思います。
3. 「インターン」の採用手法
ここまで、本noteでは「インターン」採用における前提の情報整理を行いました。次に具体的にどのような採用手法(アクション)があるかまとめます。
採用ターゲットが学生であることを前提にすると、「インターン」採用のメインとなる採用手法は “求人媒体” 経由であると思います。普段、ご支援企業様と会話をしていてもやはり求人媒体の設計 / 運用を以てインターンの採用決定に至るケースが多いです。
これは、採用決定にかかるコストを鑑みていることが多く、学生「インターン」採用においてはやはり “求人媒体” が主軸になるかと思います。
▼ 具体的な「インターン」の採用手法
- メイン:求人媒体
- 例)Wantedly / Infra / ゼロワンインターン 他
- サブ :採用イベント
- 例)meetup / インターン採用イベント / 企業説明会 等
また、”求人媒体”の次手(サブ)として、 ”採用イベント” があると思います。これは主に学生向けに開催される複数企業参加型のイベントや、学生主体で運営している団体がインターン採用に繋げるべく活動していることがあります。これらをリサーチしてみると参加できそうなイベントがあるかもしれません。補足として、一般的な採用手法のひとつとして、エージェントといった方法も考えられるかと思います。ただ、ベンチャー / スタートアップの企業様がインターンの採用を考えた際に、やはり”コスト”観点から鑑みて上記を選択しました。
4. 「インターン」採用における魅力設計
前項では、具体的な採用手法について触れました。メインとして”求人媒体”から企業に興味を持った上で応募していただくことが重要です。このことから、「インターン」採用における魅力設計については、求人媒体に対して「どのような魅力的な求人を掲載するか」がとても重要になります。
本noteでは、以下の2軸においてどのような魅力設計が有効かをまとめます。
TIM設計:ターゲットから逆算したインサイト/メッセージング設計
ターゲット/インサイト/メッセージングについての説明、詳細を知りたい方は下記のブログをご参照ください。
インサイトとは :「人を動かす隠れた心理」のこと
メッセージングとは:「魅力」のこと
今回は「インターン」のターゲットを インターン経験者 / インターン未経験者 に分けて整理します。(大部分は重複するかと感じており、学生が抱えるうインサイトの想定をまとめています。)
それでは、それぞれのターゲットに合わせた魅力設計をお伝えしていきます。
4-1. インターン ”経験者” の魅力設計
まずは、インターン”経験者” つまり一定期間以上のインターンの経験がある学生への魅力設計からまとめます。
【想定インサイト】
- 就職活動の前哨戦としてインターンの経験を望んでいる、周りの意識の高い学生達に追いつくような活動がしたいと思っている
- 先輩の話を聞いたり、ネットでの情報を見ているとアルバイトの経験にプラスして、個人のスキルを磨くために何か身につくような経験をしたいと感じている
- 現在もインターンをしているが、アシスタントのような立ち位置であり、やりがいを感じられない。より顧客と向き合う仕事など、経験の幅を広げたいと思っている。
- 社会人経験が乏しいため自分に自信はないが、いずれは自分のスキルを伸ばし、ひとつのスキルだけではなく、違う事業・サービスに触れながらビジネスを学びたいという意気込みがある
- インターンは重要だと認識しているが、学生時代にしかできないような時間の使い方もしていきたい気持ちはある
【想定メッセージング】
- ベンチャー / スタートアップ領域において、経営層と近いところで仕事の経験をしたという「多くの学生とは異なった」レアな経験を積むことができる(必然的に就職活動時のエピソードになりうる)
- 「インターン」という枠組みにとらわれず、自己責任を持って業務に取り組むことができる。経験を積めば学生時代からマネジメントにも挑戦できる環境がある
- 学業やプライベートと両立しながら(業務量を相談しながら)アルバイトとは違った職務体験が可能である。
想定メッセージングに活用できるキーワードとしては「社長直下」 など、経営陣と近しいことがストレートに訴求できる内容が良いかと思います。いくつかの求人媒体も確認しましたが、特に将来的な起業を考える学生にとっては魅力的な内容の求人が多かったです。
4-2. インターン “未経験者” の魅力設計
続いて、インターン “未経験者” についてまとめます。上記4-1 項目と重複する部分は省略して記載しています。(インターン経験者のインサイトにプラスして本項目があるとご認識いただければと思います。)
【想定インサイト】
- (4-1. 項目に該当)
- 周りの一部が「インターン」をしている(探している)ため自分も何かしたほうがいいのではと焦りを感じている
【想定メッセージング】
- メンバーとして企業に属さなければ経験できないような業務内容を経験することで、他の学生を圧倒するような「成長」を得ることができる
こちらの想定メッセージングに活用できるキーワードとしては「未経験歓迎」など、学生に対して丁寧に教育するといった訴求ができると、初めての挑戦に対するハードルが下がるため、学生からのエントリー(応募)を期待することができると思います。
これらのインサイトとメッセージングは、(もしかすると読者の皆さまもご経験あるかもしれませんが…)周りがなんとなく就活に動き始めたタイミングで感じる「焦り」と「成長に対する意欲」をうまく掴み、訴求することが重要であると認識しています。
5. 「インターン」採用の落とし穴・注意点
本noteでは、「インターン」採用における情報を様々な観点から整理してきました。終わりに「インターン」採用に注力する際にぜひ頭の片隅に留めていただきたい事項をまとめます。より「インターン」採用の成功へ繋げるきっかけとなれば幸いです。
- (面談 / 面接)候補者の「見極め」が難しい
- (カルチャー)一定のマインドセットをする必要がある
- (労働条件)中長期的な休暇のリクエストが発生しうる
- (企業認知)SNS等を活用した「学生に知ってもらう」活動が必須になる
5-1. (面談 / 面接)候補者の「見極め」が難しい
これは、中途(キャリア)採用でも同様の課題感があるかもしれません。新卒及び学生の「インターン」採用においては、特にスキル観点での見極めができないことが多いため(業界未経験等)仕事に対する価値観や意欲にてジャッジする必要があります。
参考までに、いくつか仕事における価値観を見極めるために使用している面接の質問項目を記載します。これらの質問事項から企業とマッチする学生を見極めることができると良いかと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1686740257606-q0bwECGi0h.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1686740320465-HzgyWUP73N.png?width=800)
5-2. (カルチャー)一定のマインドセットをする必要がある
本noteでも何度も記載してしまっておりますが、学生「インターン」はまだ社会経験が未熟でありマインドとしてはピュアなことが想定されます。企業側が仕事における価値観をしっかりと形成させるためには、メンター等(相談役)の配置を行うことが重要かと思います。
オンボーディングの施策についてはこちらでも、いくつかのnote をまとめておりますので参考になれば幸いです
5-3. (労働条件)中長期的な休暇のリクエストが発生しうる
(こちらは筆者も経験しましたが…)学生時代はたくさんの経験をしたいものです。卒業するためには卒論の執筆が必要だったり…。海外にちょっと長い期間滞在してみたくなったり…。学生が学生時代にしか経験できないような事由を許容することも企業側に求められることかもしれません。優秀な学生は好奇心旺盛なことも多いのではないでしょうか。長期的な採用、メンバーとしての受け入れを検討される場合は、学生ならではの体験(と欲求)に一定の許容を持つ必要もありそうです。
5-4. (企業認知)SNS等を活用した「学生に知ってもらう」活動が必要になる
もちろん求人媒体に登録し、しっかりとした求人の設計 / 運用ができると「インターン」の採用成功に繋げることは可能です。しかしながら、より多くの学生に知ってもらう= 認知拡大の施策も合わせて講じることができると、一部の媒体に登録している学生以外の層にもアプローチすることが可能です。広報活動の一環としてご検討いただけると良いかと思います。
6. 最後に
いかがでしたでしょうか。本noteでは「インターン」採用について、前提の情報から具体的な施策、訴求方法(魅力設計)についてまとめてみました。
優秀で意欲的な学生が企業に参画するメリットは非常に大きいかと思いますので、ぜひご検討の材料になれば幸いです。
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