NYでのコロナウイルスによる影響日記
2/24からインフルエンザで10日間ほど寝込み、そのあとも食欲不振やら寝すぎによる体力の低下で5日ほどを回復に費やした。ようやく外を不自由なく動けるくらい元気になった頃には日付は3/10を過ぎ、暖かい風が吹き抜けていた。
日本のコロナウイルスに関するニュースは目を通していたので、クルーズ船での対応や医師の告発、総理の思いつき対策、検査数の少なさなど「なんて国だ」なんて思っていたら、アメリカ(NY)はあっという間にそこに並ぶほどに状況が変化し、今では日本よりも混迷に陥っているのではないだろうか。
たまたま1年ほど留学しているNYで未曾有の緊急事態に巻き込まれる。こんなことは人生でもそうそうないだろうから、個人的なことと世の中のこととを日記的に書き記しておこうと思う。
3/14(金)
クイーンズからブルックリンに引っ越した。移動にUBERを使った際、バングラデシュ人運転手と大統領のコロナ対策の杜撰さについて話し合った。彼は「これは神による天罰だ。我々は地球をぞんざいに扱いすぎたし、社会を金儲けばかり考える悪辣なものにしすぎた。祈らなきゃ」と言っていた。それが彼の最初の意見だったので、けっこうスピリチュアルというか非論理的な言論でまくしたてられるのかしらと思っていたら、政策への批判、貧困問題、自分たちの暮らしなど、さまざまなトピックについて、かなり地に足のついた良識的なことばっか言ってたので「ああ、ふつうに信心あるってだけか」となった。最終的には人権の話になり、握手して別れた。
3/15(日)
新居に必要なものを揃えにIKEAに行った。そこそこ人はいたが、以前行ったときはレジ30分待ちだったのが、5分程度で会計を終えられた。やはり人は少ない。
日系スーパーに行った。インフルに罹ったとき、身になじんだ食事の必要性を痛感したからだ。買い占めされているというほどではなかったが、やや品薄だった。
途中で通りかかったブライアント公園(マンハッタンの中心にある、ニューヨーク公立図書館に隣接した公園)は、ふだんは人で溢れかえっているのにこの日はほとんど人気が無かった。
夜のレストランはガラガラで驚いた。日曜日は普段、どこもけっこう混む。レストラン勤務の知人から聞いた話だと、その日の売上は70%減。すさまじいことだ。
「ロックダウン(閉鎖)されるかもね」なんて言ってたら、その日の夜に「3/17からレストラン・バーは、テイクアウトとデリバリーのみにしてね」というお達しが出た。
3/16(月)
いつもどおり語学学校へ登校した。授業は実に5時間もあるのだが、2時間ほど授業を続けたところで「明日は休校。明後日からオンライン授業になります」と説明があった。さらに「今日はもうおしまい。帰宅するように」ということで早々に解放された。
翌日からレストランが閉まるので、「屯ちん」に行った。日本ではクラブ帰りの泥酔状態でしか行ったことない店だったのと、久しぶりの日本のラーメンということもあり、こんなに美味しいのかと感動した。NYの店にしては珍しく、白ごはんも良質だった。
帰宅して近所の公園でジョギング。プロスペクトパークという外周6キロくらいある巨大な公園で、私と同じくジョギングやサイクリングなどに勤しむ人々で溢れている。コロナ問題が顕在化してから初めて来たので以前はどれほど人がいたのかわからないが、この日は「たくさん」と言って差し支えないほどの人が走ったりたむろしたりするなどしていた。
夜は近所のイタリアンで持ち帰りしようとしたら、すでに閉店していた。「テイクアウトとデリバリーは可」と言ったって、それができない店舗も多い。
例えばサーバー(ホール)のスタッフが、給料をチップでもらっている店の場合。テイクアウトだと基本的にチップは支払われないので、全然お金にならない。当然そんな状況で働くスタッフはいないので、店を閉めるしかなくなる。
仕方ないので、付近にあったフレンチに行った。ここはファストフード的な感覚で手軽にフレンチをいただける店で、サーバーが存在しない。キッチンとレジ担当だけ。であるからして、この状況でも開店できているらしい。
一気に変化する環境に、なんだか落ち着かない気分になり、近所のデリでビールを買って家で飲んだ。Montaukというビールで、ニューヨークの東、ロングアイランド島の端っこにある会社のもの。ピルスナー、IPA、サマーエールなど5種類ほどが置いてあり、ピルスナーを選んだ。軽やかな口当たりが酒離れしていた自分にも優しく、2本目まで完飲してしまった。美味。
3/17(火)
今日から飲食店はテイクアウト・デリバリーのみ。
空腹にビタミンサプリを飲んだら気分が悪くなって吐いてしまった。商品レビューを見ると確かに、空腹時に飲んで嘔吐という報告が多数あった。そうなんだァ。
メシを作ったり、Youtuber「たけちよ倶楽部」のチャンネルを見たりして過ごす。その後はまた公園に行き、ジョギング。変わらず多くの人々が走っていた。
帰ったら、住んでいるアパートメントのオーナーがバタバタしていた。パートナーが裁判で有罪判決を受けて強制送還されるらしい。「コロナどころじゃないな、こっちは」などと思いながら、慌てる様子を眺めていた。
ニューヨーク市長から、生活に必要のない外出を禁止するかどうか、48時間以内に検討して発表するとのこと。カリフォルニアではすでに外出禁止令が出ているので、発令されそうな予感。
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