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NYでのコロナウイルスによる影響日記9

3/26(木)

なんだか気だるくて(深夜までダイの大冒険を読んでいたせいだが)自宅でじっとしていた。運動する気にもならなかったのでマンガの続きを読んだり、英語を勉強したり、絵を描いたりしていた。

特筆すべきことが何もない、そういう日は初めてかもしれない。でもこれから、そういう日が増えるのかもしれない。

果たして、高い家賃を支払ってまで身動きの取れないニューヨークに居続けることに意味があるのかとか、そういうことを考えたりもする。

そういえば、ニューヨークの病院がコロナの検査&大量の入院患者で壮絶なことになっている、と報道する動画を見た。

映っていたのは、私が前に住んでいたクイーンズのアパートから徒歩10分強のところにあるエルムハースト病院だった。

そんな身近な場所で、大量の冷凍車を用意し、亡くなった人の遺体を次から次へと運び込むという事態が起きている。

3/27(金)

今日は前のアパートの退去日。鍵を返却するためにクイーンズに行かなければならなかった。

私の住むブルックリンからクイーンズに向かうためには、路線の都合上、一度マンハッタンに出なければならない。

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というわけで、乗り換える前に一度マンハッタンで地上に出て、近くにある日系スーパーと雑貨店で必要なものを買おうと思った。特にマスク。この騒ぎが起き始めてから大した外出もしてなかったので、買いそびれていたのだ。

地下鉄は本数が少ない気がするが、おおむね平常運転だった。乗客は7割くらいがマスクをしている。車内は狭いので人との距離を6フィート(約2メートル)保つのは無理だが、その中でも人々はできるだけ互いの間隔を広く取っているようだった。

タイムズスクエア駅で下車した。年末カウントダウンとか巨大ビジョンとかで有名な、あの界隈である。地上に出ると、聞いていたとおりゴーストタウンさながらの雰囲気だった。人も車も、ふだんの1割もいない。

近くのドラッグストアに入ると客は皆無で、奥のほうの処方箋受付カウンターの向こうでスタッフがぺちゃくちゃ喋っている声が店内に響いていた。

マスクはあるかな? と思って店員に声をかけると、質問を言う前に

「フェイシャルマスク? ノー」

と答えられてしまった。

ドラクエなんかではたまに突然「聞きましたか!?」みたいな、何をと言わずに質問を振ってくる村人がいたりするが、その逆のようなものだろうか。

目的の店までは10分ほど歩く。

通りかかった公園では、意外にも備え付けのテーブルについて読書したりコーヒーを飲んだりする人の姿がチラホラあった。

最初に着いたのは雑貨店。ドンキ的なディスカウントショップだ。トイレットペーパーなどの紙製品が大量に並んでいるが、マスクは無かった。

恐るべきことに、私がいるときに店内をうろついているお客さんの中にマスクをつけている人はいなかった(人のことは言えない)。

日系スーパーでは、品揃えは非常に充実していた。しかし、私が大変ご贔屓にしていた「おにぎり権兵衛」は、予想通り閉店していた。そう、ニューヨークにも実は「おにぎり権兵衛」がある。日本の権兵衛では200円前後の単価で多種多様の巨大なおにぎりが売られているが、なんとニューヨークでもほぼ同じくらいの単価&サイズなので、軽くコメが食べたくなったときなどに重宝していた。

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ニューヨークの中心的な駅のひとつグランドセントラル・ステーションの前。ほとんど人がいない。

用事を済ませてクイーンズへ向かう。最寄りのデリ(個人経営の小さなコンビニみたいな店)ではマスクが売られていた。1つ1.75ドル、しかも個別包装なし。クラフト紙の袋に入れてホイと渡された。セット売りされていたものを開封して割増価格でバラ売りしているのだろう。

退去を済ませて帰り道。せっかく出かけたので家の最寄りではなく、1つ手前の駅で降りることにした。美味しそうなバーガー屋があるからだ。

行ってみると、「つくるのに30分かかる。オンラインの注文で手一杯なんだ」と言われたので諦めた。次からは私もオンラインで頼んでおこう。

一見さんの来店が無くなる今、ファンのいる人気店とそうでない店との差はとても大きくなったんじゃないだろうか。営業している店ではどこもスタッフの出勤人数を削減しているので、上手く利益を出せている店もあるのかもしれない。

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