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いつかのファイト

突然だが皆さんは車を持っているだろうか?
都心部と違いうちの県は車がないと不便だ。
そんな車の必需品と言ったら
やはりカーナビゲーション システム   
カーナビだろう。
そんなカーナビと小さな少年の物語だ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その車というのはTOYOTAの白い車   とぐらいしか僕は知らない。
今思えば数年一緒に旅したあの車について全然知らないのか不思議なくらいだ。

あともうひとつ

その車の納車日は僕が産声を上げた日だったらしい
本当にそれくらいだ。



そんなTOYOTA車には
古いカーナビがついていた。

そのカーナビは普段、何百回と見た猫とネズミの追いかけっこのDVDを流すか自分にとっては名前も知らない親が好きな曲を流すのが仕事だった。

いや自分が知っている曲が一つだけあった。

まぁそんなテレビも見られないようなカーナビなのだがある日事件は起こった。

いつも通り保育園に行く途中少しの間でもDVDを見ようとDVDを入れた時だ。

・・・
・・・
・・・

いくら待っても画面がくらいままだ。


そうその日カーナビは壊れたのだった。

それからDVDは一切見れなくなり母の聞きたいCD三昧だった。

と言ってもCDを聞く機能に影響が出なかった訳ではない。
今まで流したことのある曲がランダムに流れ聴きたい曲を選択できなくなったのだ。


当然曲名や歌手名も出ずそのナビゲーターは、お役御免となった。



訳ではなくそれからもずっと使い続けられた。


最初のうちは不便だったが
慣れればそうでもなかった。


それから退屈な日々を過ごした訳だがある日カーナビから聞いた事のある声が響いた。

それは「ファイト」だった。


それも福山雅治の(なぜ?)

僕は名前も知らない曲たちに興味を示していなかった。

がしかしこの曲だけはいつの間にか気に入って覚えていたらしい。



その曲を最後まで聞いた。

とても気に入った。
帰りも聞こうと思って下車し1日を過ごして帰るとき思い出した。




カーナビのことを



当然その曲を聞くことは叶わなかった、
その日は。


それからしばらくして懐かしいメロディがまた聞こえてきたのはほとんど記憶から中卒の女の人が消えた頃だった。


ほんとに勝手なナビゲーターだな。

と思いながら聞いていると自然と勇気が湧いてきた。


そんな車(カーナビ)
にお別れをした。

勇気をくれた車が気づいたらごつい車に変わっていた。


いつどんなことがあろうと
別れは悲しいんだなぁ

と子供ながらにさとった


今も僕のスマホの中には福山雅治のファイトがある。


ありがとう



僕の文章も無くなると
寂しいと思ってくれる人がいるのかなぁ

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