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ポエム

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ポエムをまとめたものです。
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2023年7月の記事一覧

書く時間2

書く時間。
書かれるものは
潮の満ち引きとか。
月の満ち欠けとか。
星座のお話メモだとか。
渋滞の先頭のヘッドライトから
最後尾のテールランプの距離だとか。
今日見た雲の形とか。
海の石のスケッチとか。
私の点をつぶやく。
今の点をつぶやく。
過去は優しい線で紡ぐ。
未来は私の選択で編む。
黒い気持ちは書き殴るように塗り潰して。
書き忘れた気持ちを
書き足す余白は
見つけた希望の在処のようで。

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街クジラ3

街クジラ3

街クジラ。
なんでそう呼ばれているかは分からない。
呼び始めた人は
もういないし。
その人のことは
地域史にも書かれていない。
ただ言葉だけが伝わっている。
形もクジラっぽくない
それは街クジラと呼ばれている。

ごくたまに潮吹けば
街を覆い尽くすように
肺とか土砂とか
撒き散らしたり
飛散はせたり
限りなく街は
ゼロになっていく。
思い出なんて無機質に放棄され
見なかった景色を作る。
落日する茜

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私の日2

私の日2

※ 意味が分かれば18禁の官能詩ですので苦手な方はここで読むのをやめてください。

私の日です。今日は私が貴方を支配します。
信頼と秩序が約束された蠱惑的な儀式を始めましょう。
限りなく黒に近い私色に貴方を染める儀式です。
私は限りなく黒に近いと表現しましたが
使われるツールには極彩色のものが多いです。
それは極彩色ですら
染め上げてしまうような色濃い儀式だからです。
極彩色程度を使わなければ、生

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返詩 樹海みたいな場所

返詩 樹海みたいな場所

さてさて、Twitterにてフォロワーさんの朗読を通じて拝聴して、改めて拝読させていただいた作品です。
朗読された方には朗読の感想をしたら、作者の方に良いねをいただいて「そういえば、作品の感想は書いてないな」と。

感想としては「樹海みたいですね」と言いたいですが、そのまんま言っても伝わるわけがないし、いちおう詩垢なので返詩で。
以下は、その方の作品を引用しての返詩とさせていただきます。

深々と

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とある子どもの詩

※ 悲しい気持ちになるし、ハッピーエンドでもありません。苦手な方は読まないでください。
個人の想像なので、実際にはどうなのかは分かりません。

父は母の悪口を言い
母は父の悪口を言い
それを聞いた私は
どちらも自分にとってはかけがえのない親だと知っているのに
なぜこんなことを聞かせるのだろう?
と思っていた。
口に出せば
「よくあること」
と一笑にふされることを知っているからだ。

テレビでは「こ

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自分のスタイル探索中

訴えたいものがない。
自分が得意なスタイルが分からない。
それが自分の悩みだったりします。

twitter上にヌーヌさんという繊細なタッチの絵描きさんがいらっしゃって、
その方の絵を引用ツイートして詩を書かせていただくことも多いのですが。
平易な言葉でも表現の幅は生まれるなと…感じることも多く、
空想をたゆたせることで、思いがけない作品が生まれることを感じています。
そこで、今日はヌーヌさんの作

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食べる夜

食べる夜

食べる夜。
食べられる夜。
食べられない夜。
そのままで食べられる夜。
そのままでは食べられない夜。
夜には色んな味がある。
甘い夜とか。
甘酸っぱい夜。
ほろ苦い夜とか。
それはみんな食べた人の感想で。
食べたことがない人には
まだ味がわからない。
だから、食べたことがない人は
食わず嫌いなのか。
食べ方を知らないのだと思う。
ピスタチオを殻ごと噛んでも食べられないんだよ
リンゴはそのままでも、

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詩を始めてみて

詩を始めてみて

いろんな言葉がある
それは知っていたはずだった
どのことばをえらぼう?
どのコトバを組み合わせよう?
どう使えば効果的?
どう言えば伝わる?
どう言えば隠せる?
どう言えばあなたの気持ちに寄せる?
どう言えばあなたを傷つけられる?
ぞんざいに
そっとされたり
ふわっとされたり
重かったり
軽かったり
愛されたり
投げられたり
委ねたり
委ねられたり
本当の価値なんて
本当は知らない
誰かを見る

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