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葉落々の『論文読ませろ!』のコーナー!!

鍋という事象は地政学である。

そんな論文を政治学部の教授に提出した學生がいたとかいないとか。

出汁つゆは肥沃な大地そのものである。豊富な水流を誇る大河川流域には白菜共和国が陣取って鍋世界に水分を提供している。白菜との調和協定関係にある長ネギ連邦がすぐそばに位置してその水分で甘味を増している。意外にも強固な戦力を保持する油揚げ連合国はどのような立地でも独自の政治力で存在感を示す。出汁を滲ませるつみれ団子自由国家の予測困難な動向も無視できない。そして強大な軍事力で鍋世界の覇権を握る魚介類帝国が鍋世界のどこに配置されるかによって世界の命運は左右されるのだ。水分均衡を破る可能性を秘めたシラタキ、ハルサメ、クズキリ等のマロニー合衆国は新興国家として帝国主義に染まる鍋世界が安定してから誕生する傾向にある。とかなんとか。

てな具合で頑張れば論文の一本も書けそうな感じの鍋世界の政治バランスですね。教授が認めてくれるかどうかは別として、まさしくこれは鍋哲学であります! あ、違う。論文哲学であります!

というわけで葉落々の『哲学シャーク・オブ・ザ・デッド!』の時間がやって来ました!

今回の『大學奇譚 葉落々の準備室』は哲学回! 『大學奇譚』の肝である論文バトルに欠かせない『論文』について哲学シャークしていきましょー!

葉落々:みなさんは無作為に論文を読んだことありますか? もう手当たり次第、それがどんなテーマでもとりあえず目についた論文片っ端から読破するランダム論文です。


布留:ほう。それはいい試みだな。學生として本来あるべき姿だ。

葉落々:ハイ! 今回は論文バトルのために特別ゲストをお呼びしています! 我らが布留先生です!

布留:やあ。よろしく頼むよ。

葉落々:さっそくですが布留先生、こないだランダム論文してた時に『世界でいちばん短い論文』ってどんなんだろうって思ったんです。

布留:ふむ。有名どころでは『オイラー予想』に関する論文が挙げられるな。

葉落々:オイラの予想?

布留:これ以上ないくらい美しく組み上げられた論文だ。

葉落々:美学すら感じられる論文とは?

布留: 『27⁵ + 84⁵ + 110⁵ + 133⁵ = 144⁵』
(L.J.ランダー、T.R.パーキンによる「オイラー予想に対する反例」(1966)より引用)

葉落々:これは、数式、ですか?

布留: 『オイラー予想』とは言うなれば『フェルマーの最終定理』の拡大版だな。これはそのうちの一つだ。「a⁵ + b⁵ + c⁵ + d⁵ = e⁵ となるような自然数 a, b, c, d, e は存在しない」に対する自然数の存在を証明する数式だ。

葉落々:存在しないって論文に反証するには存在するって証明するしかない。たしかに!

布留:お手本となる見事な反対論文だよ。簡潔にして要を得ている。これを提示されてはぐうの音も出まい。

葉落々:まさに論文バトルの様式美! たった一つの数式の論文で相手の論文をひっくり返すとはやりますね!

布留:それともう一つ。論文界隈の鉄板ネタとして究極に短い論文が存在する。いや、存在しない論文と言おうか?

葉落々:存在しない論文が存在する? 何やら哲学的思考が匂ってきますね。

布留: 心理学者デニス・アッパー博士の学術論文だ。さて、この論文を検証端末Wisで実界化させてみようか。
(デニス・アッパーによる「『書くことができない』症状に対する自己治療の失敗」(1974)論文参照)

葉落々:待ってました! そのために布留先生をゲストとしてお呼びしたわけですし!

布留:Wis起動。論文展開!

葉落々:論文検証実験開始! って、あれ?

布留:……。

葉落々:何よ、この論文。本文ゼロ文字、白紙の論文!

布留:……。

葉落々:空白の論文。まさに存在し得ない存在する論文!

布留:……。

葉落々:……何してんすか?

布留:……。

葉落々:書くことができない症状の白紙論文だから、実界化しても何も書けないまま! 白紙の布留先生じゃないですか!

布留:……。

葉落々:ちょっと、Wisってどうやって解除するんですか?

布留:……。

葉落々:強制終了は? 再起動とか?

布留:……。

葉落々:諦め顔で肩すくめたって無駄ですよ。ランドセル忘れた小学生にしか見えませんて。

布留:…………!

葉落々:えーと、検証実験の途中ですが、緊急事態につき『大學奇譚 葉落々の準備室』今日はこの辺で! メディック、メディーック!

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