板敷ヨシコ

「女性社会研究所」で女性の声をエンパワーする活動をしています。英国ランカスター大学院修…

板敷ヨシコ

「女性社会研究所」で女性の声をエンパワーする活動をしています。英国ランカスター大学院修士「教育と社会正義」卒。noteは思考整理と社会貢献を意識した表現として。女性社会研究所 https://www.josei55.com/  日本女子大(教育学科心理学専攻)OG、浦和一女OG

マガジン

  • Podcast #私たちのためのソーシャルジャスティス

    • 3本

    英国の大学院とアメリカの大学院でそれぞれソーシャルジャスティスを学ぶ板敷ヨシコ https://note.com/ezmom & 廻田彩夏 https://note.com/mawary によるPodcast『心のモヤモヤをデトックス!私たちのためのソーシャルジャスティス』関連のnoteをここにまとめていきます。PodcastはSpotify/Apple/Google/Amazonにて配信中。配信先リンク一覧はこちら:https://note.com/mawary/n/n9822f831fbc7?magazine_key=m74bcb995f883

最近の記事

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「お弁当」が「母親」の中身を作り、女性抑圧の再生産をしているという話

Japanese Mothers and Obentos: The Lunchbox as Ideological State Apparatus という文献、アルチュセールの国家のイデオロギー装置について調べている時に見つけました。日本で母親業をするものとして、とても面白かったので、日本語にして響いたポイントをメモ的に書いてみました。この文献を書いたアリソン(Anne Allison)は、文化人類学者で日本について研究、子どもを日本(東京)の保育園に通わせて、日本独特のお弁

    • 女の子は「譲る人」として育てられる

      オンラインサロンYOORのプラットフォームを使っての「女性の雑談」by 女性の声・プロジェクトコミュニティ内の板敷ヨシコダイアリーに昨日書いた短い記事をこちらnoteにも転載します。↓ 小学生低学年を見ていての話です。男子だけが外遊びしてきて女子は室内遊び。 男子がいない間女子は平和な時間を満喫しています。 暴言もない、大声もない、取り合いもない穏やかな空気が流れています。 男子が置いていったコマを回して遊んで、楽しい時間を過ごす女の子たち。 そこに、男子が帰ってきま

      • 透明なヒジャブ:日本人女性の隠された闘い

        世界にもっと日本の女性の声に耳を傾けてもらうために英語で記事を書いてみました。リンクトインが専門家の目に留まるのではないか?説を耳にして、リンクトインのブログに書いてみました。 以下は機械翻訳での日本語ですが、ぜひ読んでみてください。 ヒジャブに関する議論を耳にするたびに、私は日本の女性たちが身にまとっている透明なヒジャブについて考えずにはいられません。 ヒジャブをめぐる世界的な議論は、より深いジェンダー不平等という問題を明らかにしています。ヒジャブを自己表現の象徴と捉

        • 小規模クラスだと成績が上がるのか?:PISAランク上位常連カナダの州比較データから学ぶ

          一般的に、1クラスの人数が少ないほど、生徒一人ひとりに対する指導が行き届き、学習効果が向上すると言われています。文部科学省のサイトを確認すると、「少人数学級の実現」が掲げられており、GIGAスクール構想やICTを活用した個別最適化の学びと協働的な学びを背景に、推進されていることが分かります。 しかし、興味深いことに、カナダの独立系シンクタンクであるフレーザー研究所の調査によると、カナダの中等教育では、クラスの人数が多い方が成績が良いという意外な傾向が見られるという研究結果が

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        記事

          女装はブラックフェイスのように女性を侮蔑しているのか?:論文紹介

          ブラックフェイスという言葉と概念を知ってから、テレビで見かける「女装パフォーマンスで笑いをとる」「女性以上に“女らしい”女装パフォーマンス」に疑問を持つようになりました。 今まで自分も笑ったり感心したりしていたけれど、「あれは女性を馬鹿にしているんだろうか?」と思い始めたわけです。若いころ、たまたま旅先で見かけたプロの女装男性を見て、「あれが本当に“女性”だわぁ、私たちなんて“女”じゃないのかもしれないねー」と女友達と語っていたことも思い出しました。 なんで男性が女性の格

          女装はブラックフェイスのように女性を侮蔑しているのか?:論文紹介

          家父長制の男性への害、克服するためのセラピーと自己ケア

          家父長制(パトリア―キー)とは、他者に対する権威と支配力を男性に与える価値観、人間関係、信念の総称です。これは、歴史上、そして世界中で性別による権力の不均衡を支える、一般的かつ長年にわたる考え方です。 家父長制は、女性を従属させる仕組みなので、女性にとって不健全な価値観です。家父長制の環境では、文化の伝統的に男性的な特質が女性的なものよりも重視されます。 この「家父長や有害な男性性(トクシック・マスキュリニティ)がどのように男性を傷つけるのか」というメンタル・ヘルスケアの

          家父長制の男性への害、克服するためのセラピーと自己ケア

          そこにある女性の物語をそのままに:ポッドキャスト「女性の声アーカイブ」をはじめました

          11月に大学院を卒業して、2024年1月に、学んだことを活用しながら始めた「女性の声・プロジェクト」では、 女性同士で語り合うことで社会の構造やその中での立ち位置の解像度を上げる(抑圧からの解放) 女性の声を作る(言葉を持つ) 女性の経験を可視化する(光を当てる) メディアで発信する(社会に知らせる) といったことを目標にしています。 オンラインコミュニティで毎月定期的に交流会と勉強会を行う(1)を1月にスタート、「私のライフストーリー講座」の開催(2)は2月スタ

          そこにある女性の物語をそのままに:ポッドキャスト「女性の声アーカイブ」をはじめました

          ジョージ・オーウェル「動物農場」を分析的に読む、中学校の課題(クリティカル・エッセイ)

          最近、中学生の子どもがジョージ・オーウェルの「動物農場」を分析的に読むための課題(宿題)をやっていました。インターナショナルスクールのイングリッシュの授業なので国語にあたる授業です。批判的に文章を読むことだったり、社会を観察する視点が養われる良い課題だったのでnoteに記しておこうと思います。 ジョージオーウェル「動物農場」あらすじと中学校の課題 簡単にジョージ・オーウェルの「動物農場」についてですが、この物語は農場の動物たちが反乱を起こし、人間に支配された不公平な社会(

          ジョージ・オーウェル「動物農場」を分析的に読む、中学校の課題(クリティカル・エッセイ)

          「2024年に快適に生活しようとする起業家やクリエイター向けの現代的な贅沢品のチェックリスト」 by グレッグ・アイゼンバーグ

          ソーシャルメディアや起業家の分野で幅広い影響力を持つグレッグ・アイゼンバーグのツイート・ポストが興味深かったので、機械翻訳ですがここにメモしておこうと思います。(元ポストはこちら) 以下翻訳 2024年に快適に生活しようとする起業家やクリエイター向けの現代的な贅沢品のチェックリストをご紹介します。あなたは何個チェックできますか?   A+のヘッドフォン、A+のコーヒー/紅茶、A+のノートパソコン  比較的受動的に月2,000ドル以上の収入をもたらす1つ以上のプロジェク

          「2024年に快適に生活しようとする起業家やクリエイター向けの現代的な贅沢品のチェックリスト」 by グレッグ・アイゼンバーグ

          役に立つ?女の務め?自分の足で立つ?

          「役に立つ」ために生きる 子どもが日本の公立小学校に転校したとたんに「役に立たなくては」と言い始めました。日本の公立学校では「役に立つ」人になることを強調した教育がされているのでしょう(おそらく私立の小学校は違うと思います)。日本の中産階級の社会規範においては、所属集団のために「役に立つ」ことが上位で「自分が本当に望むこと」は下位にあります。ですから、「わがまま」を言って「迷惑」をかけてはいけないと小さな頃から何度も何度も叱られるのです。このように「自分が本当に望むこと

          役に立つ?女の務め?自分の足で立つ?

          夫、パートナーによる「経済的虐待」を知っていますか?Economic Abuse

          イギリスで、女性への家庭内虐待の一つの形態として認識されているものにEconomic Abuse「経済的虐待」があります。 日本語で「経済的虐待」と検索すると、高齢者の財産を親族が不当に処分するといった高齢者への虐待として問題視されている記事がほとんどです。例えば、日経新聞の記事、「家族による「経済的虐待』が増加 高齢者の年金・預金搾取」(2010年)では と「経済的虐待」が取り上げられています。日本では、親のお金を子どもが勝手に使うことに関しては「虐待」と認識されている

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          男が「男になる」の性別規範:「女性の雑談」ダイアリーより

          2024年1月にスタートした「女性の声・プロジェクト」のうち、YOORというプラットフォームをつかって、意見交換のコミュニティを作っています。 この中で「板敷ヨシコ★ダイアリー」として、毎日気になることを書き留めています。昨夜書いたものをnoteでも紹介したいなと思ったので、ちょっと書き加えつつ、下記に転載します。 男が「男になる」の性別規範 2月1日のダイアリーにいただいたコメントを受けて、もう少し考えてみようと思います。 男性はどんな規範の中で生きているのか、仕組み

          男が「男になる」の性別規範:「女性の雑談」ダイアリーより

          女性も野心を持っていい:起業向きはどんな人?12の特徴リスト

          子どもの頃、「少年よ、大志を抱け」という言葉が、自分を奮い立たせるような気がして好きでした。この時、私は「少年」という言葉に「少女」も含まれるのだと思っていました。当時、学校や児童向けの書籍などでは「こども」と言えば「少年」だったので、「こども」である自分は「少年」に含まれるものだと思っていたのです。 大学生になり、アルバイトで貯めたお金で、寝台特急北斗星で北海道に入り、道内も鉄道を乗り継ぐのんびり旅をしたことがあります。札幌滞在時には、羊ヶ丘のクラーク像に足を延ばし、写真

          女性も野心を持っていい:起業向きはどんな人?12の特徴リスト

          「女性の声・プロジェクト」の軸となるコミュニティ、「女性の雑談」のオンラインサロン試運転始めました!

          クリスマス前にお知らせしていた「女性の声・プロジェクト」の3つの柱のうち、コア(核)となる2番目の柱のコミュニティの試運転を始めました! 今月は、試行錯誤しながらコミュニティの土台作りができたらと思います。 コミュニティづくりには、FacebookやLINEなどSNSを使う方法なども検討したのですが、あえて切り離された空間で女性同士語り合える場にする方が安心感あって良いと思ったので、オンラインサロンのプラットフォームを使うことにしました。 このコミュニティの中では、毎週月

          「女性の声・プロジェクト」の軸となるコミュニティ、「女性の雑談」のオンラインサロン試運転始めました!

          2024年は良い年でした。修士論文を書くことで、内面を充実させることができたように思います。 #今年のふり返り

          もうすぐ53歳なので、かれこれ40回以上「今年のふり返り」というものをしてきていることになります。そんな自分の人生の中で、2023年という年は、内面が充実した良い年だったと思います。そんな2023年を自分なりに振り返ってみました。 私は39歳、2010年の秋に出産しました。出産前に「妊婦のうちは妊婦である女性が主役だけれども、出産したら子どもが主役になるんだよ」と聞いていて、そんなものかと思っていました。当時は、女性が「お母さん」になることが、仕事人生を脅かしたり、軽く扱わ

          2024年は良い年でした。修士論文を書くことで、内面を充実させることができたように思います。 #今年のふり返り

          「なんで日本はこうなんだろう?」を知る手助けに...「マスキュリニティ度チェックリスト」を作ってみました

          以前、日本の組織文化を知るためにマスキュリニティ(男性性)についての記事を以前書きました。 日本の組織文化について考えるために「ホフステードの文化次元論」の「男性性指数」(マスキュリニティ)をまとめてみた|板敷ヨシコ (note.com) ヘゲモニー的マスキュリニティ 今回は、ワークショップや内省に活用できる「マスキュリニティ度チェックリスト」を作りました。「なんで日本はこうなんだろう?」と思った時に、使えるレンズは「ヘゲモニー的マスキュリニティ」(覇権的男性性)の概念

          「なんで日本はこうなんだろう?」を知る手助けに...「マスキュリニティ度チェックリスト」を作ってみました