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日本の桜の種類について


桜といえば、万葉集や古今和歌集でも詠まれているほど、古くから日本で愛され続けてきた美しい花です。

一言で桜といっても、実はとても多くの種類があることをご存知でしょうか?

そこで、今回は、日本の桜の種類について解説したいと思います。



〈目次〉
1.日本の桜の多様性
2.日本の桜の主な種類
(1)ソメイヨシノ(染井吉野)
(2)エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)
(3)マメザクラ(豆桜)
(4)ヤマザクラ(山桜)
(5)オオシマザクラ(大島桜)
(6)カワヅザクラ(河津桜)


1.日本の桜の多様性
日本では桜は、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、チョウジザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラの10種を基本にしています。

日本には変種※を合わせると100種以上の桜が自生しています。

沖縄には野生化したといわれるカンヒザクラがあります。

また、これらから育成された園芸品種は200以上もあります。一重咲きや華やかな八重咲き、枝垂れ咲きなど、品種によって多様な咲き姿や色合いを楽しむことができます。

2.日本の桜の主な種類
日本で見られる代表的な桜をご紹介いたします。

(1)ソメイヨシノ(染井吉野)

開花時期:3〜4月

ソメイヨシノ(染井吉野)

ソメイヨシノは日本で最も有名な桜で、日本固有の桜です。

江戸末期~明治初期頃から園芸品種として栽培されていて、当時の染井村の植木職人や造園師が、オオシマザクラとエドヒガンを交配させてつくったといわれています。

花弁は5枚あり、咲き始めは淡い赤色で、満開になると白色に近い色になります。


(2)エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)

開花時期:3月下旬(他の桜よりも10日ほど早い)

エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)

エドヒガンザクラは、本州・四国・九州の山地でよく見られる種類で、樹高は15~25m、楕円形の葉が特徴です。

花弁は5枚で一重、色は薄紅色から白に変わります。丈夫で花がたくさん咲くため、多くの品種の母種として使われ、ソメイヨシノの片親としても有名です。

寿命は長く、日本の三大桜と謳われる山梨県北巨摩郡武川村の「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」は樹齢2,000年以上、岐阜県本巣市の「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)」は樹齢1,500年以上、福島県田村郡三春町の「三春滝桜(みはるたきざくら)」は、樹齢1,000年以上といわれています。

これらは国の天然記念物に指定され、世界中から多くの観光客が見物に訪れます。

福島県田村郡三春町の「三春滝桜」


(3)マメザクラ(豆桜)

開花時期:3月下旬〜5月上旬(自生地)、3月下旬〜4月上旬(東京)

マメザクラ(豆桜)

マメザクラは、箱根や伊豆、富士山の標高1,500m以下の低山地から丘陵帯に咲く自生種で、別名「フジザクラ」とも呼ばれています。

樹の高さは他の種類と比べて低く、岩石地に生えているものは、1m以下でも花をつけます。

また、花径も1~2cmと小さく、花弁は5枚、白色から淡紅色で下向きに咲くのが特徴です。

花後に伏毛のある葉が生え、直径8mm程で甘みのある黒い実がなります。挿し木でも増え、家庭の庭でも育てられます。

(4)ヤマザクラ(山桜)

開花時期:3月中旬〜下旬(鹿児島)、3月下旬(対馬)、4月上旬〜中旬(京都、東京) 、4月下旬(松島)

ヤマザクラ(山桜)

ヤマザクラは日本で最も代表的な種類で、古くから詩や歌に詠まれ、親しまれてきました。山地に広く自生し、関東、中部から南の地域によく見られます。

花と同時に葉が出るのが特徴で、花弁は5枚、淡紅色の花を咲かせますが、色の変異が多く、白色や先端だけ色が濃い花を咲かせる場合もあります。

葉色は赤紫色や褐色など、さまざまに色が変化します。樹皮は暗褐色から灰褐色。丈夫で加工性が高いので、木材としても利用されています。

桜の名所として有名な吉野山の桜は、650年頃から修験者たちが植えたものといわれており、ヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集しています。

吉野山の桜


(5)オオシマザクラ(大島桜)

開花時期:3月下旬(伊豆半島、南伊豆) 、4月上旬(東京)

オオシマザクラ(大島桜)

伊豆七島、伊豆半島でよく見られる桜で、伊豆大島北東部にある本種の株は天然記念物に指定されています。

樹形、花の形や色、果実の味まで個体によって変異が多く見られますが、ふつう花弁は5枚で白色が多く、淡い香りがします。

また葉の成長と一緒に花をつけ、丈夫で成長が早いという特徴があります。

葉の長さは5~10cmで先端が尖っており、桜餅を包む塩漬けの葉はこのオオシマザクラの葉が使われています。

オオシマザクラは多くの園芸品種を生み出しており、ソメイヨシノやカワヅザクラの片親としても有名です。

(6)カワヅザクラ(河津桜)

開花時期:3月上旬〜中旬(伊豆半島)

カワヅザクラ(河津桜)

花は直径約3cmのピンク色、または淡い紅色。花序は散房状で4〜5花からなり、樹皮は紫褐色で光沢があります。

原木が野生で発見され、カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑種と見られています。

のちに静岡県河津町に移植されたことから「カワヅザクラ」と名付けられました。

早咲きとして有名で、桜の季節になると、静岡県河津町に毎年多くの観光客が訪れます。

花期は1カ月と、他の桜と比べて長いという特徴があります。


参照先: 「GARDEN STORY」Webサイト

以上

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