ホテルや旅館のDX(デジタルトランスフォーメーションとは
〈目次〉
1.ホテルや旅館のDXとは
(1)経済産業省のDXの定義
(2)ホテルや旅館業界のDXとは
(3)単なるデジタル化との違い
2.ホテルや旅館DXの事例のご紹介
事例1)自動車ナンバーと宿泊履歴を自動照合
事例2)人感センサー設置で清掃業務を効率化
事例3)AR(拡張現実)アプリの活用
事例4)チャットボットの導入
事例5)清掃ロボットの導入
事例6)予約・フロント業務を一元管理
事例7)スマートチェックイン
1.ホテルや旅館業界のDXとは
(1)経済産業省のDXの定義
経済産業省のDXの定義は次の通りです。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
(2)ホテルや旅館業界のDXとは
経済産業省のDXの定義をホテル業界に当てはめると、DXとはデジタル技術を活かして、オペレーションの効率化を図ると同時に、お客様により良いサービスを提供することです。
その結果として、顧客体験の向上や、競合ホテルとの差別化につなげることが目的といえます。
(3)単なるデジタル化との違い
DXとは、単なるデジタル化とイコールではありません。
デジタル化は、業務効率化を目的としたデジタルツールの導入です。
これまで紙ベースで管理していたデータをデジタルベースへ変換したり、複数のシステムを連携させたりして、業務の効率化を図ることなどを指します。
一方、DXはデジタル化したことで得たデータや最新のデジタル技術(AIやIoTなど)を活かして、新しいビジネスモデルや組織編成などを生み出すことです。
また、業務効率化だけでなく、お客様の利便性の向上を実現できるかどうかという点も、単なるデジタル化とDXの違いといえます。
2.ホテルや旅館DXの事例のご紹介
事例1)自動車ナンバーと宿泊履歴を自動照合
ホテル・旅館のDX事例の1つめは、駐車場の自動車ナンバーを認識し、過去の履歴と照合させるテクノロジーの導入です。
自動車ナンバーからリピーターかどうかを判断し、リピーターであれば、社内SNSで全員に通知する仕組みになっています。
フロントスタッフは名前を把握した上でお迎えでき、仲居は顧客情報や過去の履歴をもとに好みにあったサービスを提供できるようになります。
事例2)人感センサー設置で清掃業務を効率化
ホテル・旅館のDX事例の2つめは、お客様の入退場を感知するIoTテクノロジーの導入です。
人感センサーを大浴場の入り口に設置し、使用者数を管理。大浴場を使用した人数が一定数以上になると、スタッフに清掃やメンテナンスを促す通知され、効率的に清掃を行うことができます。
また、客室の入口に人感センサーを設置すれば、清掃に行くタイミングが最適化されるのはもちろん、館内施設や受付に通知がいくようにしておくことで、お客様をお迎えする前に、あらかじめ顧客情報を確認することも可能です。
事例3)AR(拡張現実)アプリの活用
ホテル・旅館のDX事例の3つめは、ARアプリの活用です。
最近では、モバイル版の公式サイトにAR道案内アプリを導入して、近隣ホテルとの差別化を図るホテルを見かけるようになりました。
AR道案内なら、平面の地図が苦手なお客様でも、迷わずにホテルまでたどり着くことができるので安心です。
そのほかにも、スタンプラリーやエンターテイメント等にARアプリを活用するホテルも増えてきており、SNSキャンペーンとの相性も抜群です。
事例4)チャットボットの導入
ホテル・旅館のDX事例の4つめは、チャットボットの導入です。
AIチャットボットは、多言語対応や人言費削減といった課題への解決策になり、お客様の視点から見ても、24時間いつでも即時に回答が得られ、フロントに電話をするより気軽に質問ができることから、双方にとってのメリットが多いDXです。
現在、大手ホテルでは、チャットボットが積極的に活用されています。
事例5)清掃ロボットの導入
ホテルにとって、清掃係はなくてはならない存在ですが、どこも深刻な人手不足に悩まされているのが現状です。
しかし実際には、ロボットでも清掃が可能なエリアがたくさんあります。
清掃スタッフとロボットを併用すれば、清掃作業にかかる時間は大幅に短縮。人手不足の有効な対策として期待されています。
事例6)予約・フロント業務を一元管理
自社サイトからの直接予約(予約システム)、OTAからの予約(サイトコントローラー)、CRM(顧客管理システム)をPMS(ホテル管理システム)に連携させれば、面倒な在庫管理や料金設定はすべて自動化できます。
もちろん、予約情報や顧客情報をマニュアルでPMSに入力し直す手間もなく、ダブルブッキングなどのトラブルや、人的ミス防止にも役立ちます。
事例7)スマートチェックイン
ホテル・旅館のDX事例の7つめは、チェックインの自動化です。
コンタクトレス(非接触型)がニューノーマルとなった今、スマートチェックインは、顧客のニーズに応える重要な施策のひとつ。
スマートチェックインなら、チェックイン時もスムーズで、会計のためにフロントが混み合う状態も回避できます。
オペレーション側としても、チェックインの無人化・省力化は人手不足解消や人件費削減に直結し、多言語対応システムを使用することで、インバウンド集客にも効果的です。
参照元: 「WASIMIL」Webサイト
以上
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