オリンピックアスリートと太宰治

2020年東京オリンピック延期のニュースがちらつき、ついに発表される。そして、東京五輪に出れていたはずのトップアスリートたちのツイートや動画がTLに流れてくる。

白井璃緒選手「延期って事は、練習いっぱいできるってことでしょ!?
さらに強くなった姿を見てもらえるってことでしょ!?
逆にモチベーションアップですわ…」

堂安律選手「オリンピックの延期が決定したということで…やっぱりオリンピックのために準備してきたっていうのもあるし、そのためにトレーニングも積んできたので、少なからず驚きはありました。2週間自宅待機している状況で、オリンピックがどうなるかわからないのが辛かったので、こうして早く決断してくれたこと、また1年後っていう、自分の中で新しい目標を立てれることを、僕はすごくポジティブにとらえています。…」

清水邦広選手「1年、どれだけ伸ばせるかわかりませんが
まだやれると信じて
もう一度本気で頑張る事!
コロナの終息に進むように
手洗い、うがい、消毒、マスク
みんなも徹底しましょう
世界もそうだし
家族、みんなの命が大事
その事を願いながら
1日もはやい終息を願います
全員の力でコロナに打ち勝とう!」

柳田将洋選手「こうなったらしっかりみんなでこの状況に、コロナに打ち勝つ!」

スポーツで日本代表になる人間ってのは、こういう思考なんだなあ、本当、すごいよ。

いや凹むだろうけど、きっと本気で、こういう思考に、かなり一瞬で持っていける。

(こういう精神力を持っている人、元来の性格に加え小さい頃から厳しい練習で鍛えられ、成功体験を持っているからこそだし、これはただのポジティブとか、もうそういう次元ではないポジティブだ。)

とか思いながら引き続きツイッターを見ていると、

太宰治bot「生きちゃった。ふたりとも、生きちゃった。」

うるせえこいつは!!!!なんなんだよ!今日も自分が世界で一番不幸みたいに!!!生きろ!!!!スポーツを!!しろ!!!!!からだをうごかせ!!!!!!!!

太宰っていうのは幼い頃から太宰であり太宰であるからこそそういう問題ではないのだが……同じ「選ばれた人間」でもこうも違うか????

人は、スポーツをすれば、良いか?と言われると三島由紀夫を見るとそうでもない。

「やれば出来る」という持って生まれた才能に加え、才能を最大限に花開かせるやる気のある親、経済力、コーチ、ライバル、それに責任を感じながらも勝利で返す。そしてそれを、人生の殆どの時間、し続ける。

これら全てのものを持っていれば、オリンピックアスリートの精神力になれる。

普通の人間は自分が目標の為に人生を懸けていたものを奪われたり、1年も延期されたりすると、怒り狂うか、やる気を無くしサボるか、泣く。私はそのどれかだと思う。

そういうことを含めて、というかほぼそういうことが、「選ばれた、ほんの一握りの」ということなのだと思う。

それでも文学は、そうじゃない人を救ってくれる。救ってくれるということにおいて、メシアという点において、太宰は選ばれている。……

#スポーツ #マインドフルネス #太宰 #太宰治 #オリンピック




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