紫恋 咲

東京で音楽を作る仕事をやってました。今は秩父の廃校にプライベートスタジオを作り好きな音…

紫恋 咲

東京で音楽を作る仕事をやってました。今は秩父の廃校にプライベートスタジオを作り好きな音楽を作って暮らしています 。 イベントやお店のプロデュースもやってます。小説の勉強中でカクヨムにも連載中です。

マガジン

  • 星降る夜のセレナーデ

  • Dear slave 親愛なる奴隷様、LOVEですぅ!

  • 美少女コスプレイヤーのラブコメ

    高校を中退した美少女は天空カフェで色んな人と知り合う。やがてコスプレイヤーとして活動を始める。

  • ラブソディは永遠に

    大学の軽音部に入った一瀬友希はクラブの女王的な鳴宮桜子と出会う。 そしてラブソディが鳴り響いた。

  • 可愛いユーチューバーとキャンピングカー旅

最近の記事

星降る夜のセレナーデ 第113話 志音効果?

志音ちゃんがロンドンへ旅立ってから1年が過ぎた。小池さんから連絡があり出版社へ向かう。何か相談があるらしい。俺は黒の愛車で新宿へやってきた。 出版社へ到着すると小池さんが笑顔で迎えてくれた。 「真人くん久しぶり、どう?元気にやってるかい?」 「とりあえず生きてます」俺は力なく笑う。 会議室へ通されると、アリサちゃんと由美香ちゃんが待っていた。 「元気を忘れた真人くん、大丈夫?」ニッコリしている。 「えっ、どうしたんですか?」俺は不思議になった。 「実は由美香ちゃ

    • 星降る夜のセレナーデ 第112話 黒い愛車

      久しぶりに兄が実家へやってきた。珍しく二人でお酒を飲んだ。 「まあびっくりだよなあ…………あの『優様』がご近所で、しかもお前がそこで働いてるなんて」 「俺は何も知らなかったから普通にしていられたのかも知れないなあ…………」 「今じゃあ、真人も作曲家だしなあ」 「そんな大したもんじゃないよ」 「謙遜するなよ、兄貴として鼻が高いよ」笑っている。 「娘の志音ちゃんだっけ、超可愛いなあ、雑誌見たけど優様そっくりだ」 「留学して今はいないけどね………………」俺はコップの酒

      • 星降る夜のセレナーデ 第111話 心の穴

        俺は先生とスタジオで、ただ淡々と仕事を続けた。先生は少しため息が増えたような気がする。俺も明かに笑顔が減っている。 休憩になってリビングへ出てきた。美夜子さんは少し呆れた顔で二人を見ている。 「ねえ、パパも真人くんも毎日お通夜みたい、もう少し元気を出したら?」 「そうだねえ…………志音の存在は大きかったんだなあ………………」先生はため息まじりに漏らす。 「そうですね………………」俺も頷く。 「志音は留学してるだけよ、すぐに終わって元気に帰ってくるわよ」 「そうだね

        • 星降る夜のセレナーデ 第110話 留学

          俺は何も出来ない自分が悔しかった。気晴らしにハーレーを走らせようと思い外へ出て来る。そこへ幼馴染の奈津美がやってきた。タイミングの悪さは世界一かも知れないと思う。 「真人、元気?」 「何しに来たんだよ」迷惑そうに返事する。 「私プロポーズされたんだ、だからどうしようかと思って…………」 「良かったじゃないか、拾ってくれる人がいて」 「そんな言い方は無いんじゃない?」少し不貞腐れた。 「好きにしろよ!」俺はハーレーを車庫から引っ張り出す。 「あの子と上手く行ってる

        星降る夜のセレナーデ 第113話 志音効果?

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        • 星降る夜のセレナーデ
          112本
        • Dear slave 親愛なる奴隷様、LOVEですぅ!
          84本
        • 美少女コスプレイヤーのラブコメ
          229本
        • ラブソディは永遠に
          7本
        • 可愛いユーチューバーとキャンピングカー旅
          52本
        • 水の生まれる夜に
          101本

        記事

          星降る夜のセレナーデ 第109話 ロンドン

          私はどうしたものかと考え込んでいた。 携帯電話にメールが届く。 『マリです、正美から聞きました。大丈夫?』 「えっ、マリまで知ってるの?」私は少し驚く。そしてマリのことが懐かしくなった。 プリズムのメンバーだったマリはバグパイプ奏者のショーンと結婚して今はロンドンに住んでいる。私は電話をかけてみた。 「久しぶりねマリ、元気だった?」 「優こそ元気だった、それより正美から聞いたけど、志音ちゃんは大丈夫?」 「毎日部屋に閉じこもってるわ」 「そうなの……………」

          星降る夜のセレナーデ 第109話 ロンドン

          星降る夜のセレナーデ 第108話 週刊誌

          数週間が経過したある日、事件が起こった。週刊誌へ志音ちゃんが掲載されている。 試写会に出席した志音ちゃんの写真が『あの優様の娘が今!』と、数ページに渡って掲載されている。 「絶対あの社長がやらせたんだよ」先生は激怒している。 「最低ね、多分志音がスフィンクスへ所属する事を断った腹いせじゃ無い?」美夜子さんも怒っている。 「すみません、俺が試写会なんて行ったんで……………」俺は申し訳なくて項垂れた。 「真人くんが悪いんじゃないさ」先生は首を振った。 そこへ志音ちゃんが

          星降る夜のセレナーデ 第108話 週刊誌

          星降る夜のセレナーデ 第107話 試写会

          発表があり、志音ちゃんは無事に高校へ合格した。俺も嬉しくなった。 リビングには、ほのぼのと喜びが広がっている。 「志音、忙しい中よく頑張ったね」先生も嬉しそうだ。 「これで春からモヒくんの後輩になるんだよ」ニッコリしている。 「そうだね………………」先生は少し複雑な表情になった。 俺は少し不思議になって美夜子さんを見た。美夜子さんは口角を上げて俺を見ている。 「志音は喘息の心配もなくなったし、いろんな事をしてみたい、吹奏楽部に入ろうかなあ………」 夢が膨らんでいる

          星降る夜のセレナーデ 第107話 試写会

          星降る夜のセレナーデ 第106話 受験

          『潮騒のシンフォニー』は発売されると直ぐにヒットチャートを駆け上った。 いろんな所で曲が流れ、由美香ちゃんは寝る暇もないくらいになっているらしい。 ヒットさせると志音ちゃんに約束したから頑張ってるとメールが来たようだ。 「由美香ちゃんは数少ないお友達だからね」と言ってメールを嬉しそうに見ている。俺も先生や美夜子さんの作品が評価されるのはとても嬉しい。 「私も頑張らなくちゃあね」志音ちゃんは拳を握った。 「ん…………」俺は一瞬何を頑張るのか分からない。 「志音は受験なんだ

          星降る夜のセレナーデ 第106話 受験

          星降る夜のセレナーデ 第105話 衝撃の事実

          先生は新なアニメの音楽を作り始めた。先生の評判はますます高まっている。 しかし先生は何事もなかったように淡々と音楽を作り続けている。 俺は先生の大きさにただ感心した。そして自分の小ささを思い知る。 俺の仕事も少しずつ増えている。先生や志音ちゃんのお陰だ。 感謝しつつも、もっと自分を磨くためにひたすら頑張ることにした。 俺は初めて映像作品の音楽を作る事になった。先生が出来なくなった仕事を俺が引き受ける。だから失望させないように頑張らなくてはいけない。 台本を見ながら、必要な

          星降る夜のセレナーデ 第105話 衝撃の事実

          星降る夜のセレナーデ 第104話 記念日

          道の駅で食事をしてダムへ向かった。トンネルを抜けると美しい山間にダム湖が見える。車を止めて志音ちゃんと散歩する。 「志音ちゃん、いつもこんな所でごめんね、俺お洒落なところとか知らないから」 「ううん、志音は2人でいられるところが好き」微笑んで俺を見ている。 紺碧の水が日の光でキラキラと輝いている。 「綺麗だね……………」志音ちゃんは輝く水面を見ている。 2人で辺りを散歩する。出発が遅かったので、ゆっくりと日が翳った。 「モヒくん、少し寒い」志音ちゃんは俺を見た。

          星降る夜のセレナーデ 第104話 記念日

          星降る夜のセレナーデ 第103話 メロディ

          出発した車の中で志音ちゃんは少し切ない表情で俺を見た。 「ごめんねモヒくん、志音はヤキモチを焼いてしまって」唇をモゾモゾさせている。 「俺もしっかり伝えなくて悪かったと思ってるよ」 「志音のことイヤにならない?」 「そんな事でイヤになったりしないさ」 「本当?」 「ああ、俺は一生懸命手伝ってくれる志音ちゃんに感謝してるんだ、それに志音ちゃんを守る約束をしてるからね」そう言って志音ちゃんを見た。 志音ちゃんはゆっくりと笑顔になっていく。 「やっぱりモヒくんは私の

          星降る夜のセレナーデ 第103話 メロディ

          星降る夜のセレナーデ 第102話 新たな理解者

          志音ちゃんはテストが終わった後の日曜日をノルマのデートに指定した。 勿論俺に選択権はない。朝から迎えにログハウスへやってきた。 「おはようございます」俺は先生や美夜子さんへ挨拶する。 「おはよう真人くん、せっかくの日曜なのに悪いね」先生が申し訳なさそうにしている。 「いえ、当然のことです」俺は頷いた。 「志音ちゃん、準備はできたの?」美夜子さんが声をかけた。 「うん、できたよ」 部屋から出て来た志音ちゃんは、眩しいくらい綺麗だ。俺はまた言葉を無くした。 「じゃあ

          星降る夜のセレナーデ 第102話 新たな理解者

          星降る夜のセレナーデ 第101話 相性

          俺はスタジオでミックスの作業をしていると、志音ちゃんが入って来た。 「おかえり志音ちゃん」俺はニッコリした。 「今日はテストだったから早く帰ってたの」 「そうなんだ、テストはどうだった?」 「うん、何とかなったよ」微笑んだ。 「それは良かった」俺は口角を上げる。 「志音にも聞かせて」モニターの前に座った。 「いいよ」俺は録音した歌を再生した。 志音ちゃんはじっと聞いている。 再生が終わると、何度も頷いて納得したようだ。 「由美香ちゃん歌上手だね」少し微笑ん

          星降る夜のセレナーデ 第101話 相性

          星降る夜のセレナーデ 第100話 潮騒のシンフォニー

          映画の音楽が完成すると、先生は『潮騒のシンフォニー』の新しいアレンジに取りかかった。由美香ちゃんが歌うため、彼女のキーに合わせたオケのレコーディングだ。歌詞も由美香ちゃん用に美夜子さんが多少変更した。 そして今日、由美香ちゃんは歌を録音するためにやってくる。 一台の白い車が駐車場へ入って来る。由美香ちゃんとマネージャーさんが降りて来た。先生と俺はテラスで出迎える。 「こんにちは、今日はよろしくお願いします」由美香ちゃんが頭を下げた。 「初めまして、マネージャーの松宮百合

          星降る夜のセレナーデ 第100話 潮騒のシンフォニー

          星降る夜のセレナーデ 第99話 嫉妬

          私は志音ちゃんの部屋をノックした。 「志音ちゃん、入るわよ」 中へ入ると、涙をいっぱい溜めた志音ちゃんが寂しそうに佇んでいる。 思わず抱きしめてしまった。 「ママ〜、志音は……志音は……どうしたらいいか分かんない」肩を震わせている。 「志音ちゃん、真人くんは困ったアリサちゃんを助けただけみたいよ」 「そうなの?でも……………志音に秘密にしてたもん」ヒクヒクと肩で息をした。 「アリサちゃんのお父さんが亡くなってお母さんと2人で大変らしいわよ、もしママと志音が2人きり

          星降る夜のセレナーデ 第99話 嫉妬

          星降る夜のセレナーデ 第98話 スキャンダル

          先生の映画音楽はかなり進んできた。半分ほどが出来ている。俺は先生の偉大さが身に染みている。今日もスタジオでは熱気の中、録音が進んでいた。 作曲からアレンジ、そして楽器の選択や効果的な使い方など、勉強になることが目白押しだ。午後になって休憩しにリビングへ出てきた。 コーヒーを飲むと、先生は少し考えたいからと言ってスタジオへ先に入った。 俺は先生がまた指揮棒を振ってアレンジを考える時間が欲しいんだと思い、そのままリビングでゆっくりとコーヒーを飲んだ。 突然、玄関のドアが乱暴に

          星降る夜のセレナーデ 第98話 スキャンダル