見出し画像

オンラインクラスルーム実証実験(東京学芸大学附属竹早小学校)

画像4

3月26日(木)、東京都文京区にある東京学芸大学附属竹早小学校を舞台としたオンラインクラスルームの実証実験が行われました。
クラス毎に時間帯を分け、任意参加で朝会を実施。参加した児童は、3年生、4年生のそれぞれ2クラスになります。

本企画を附属小に提案したのは東京学芸大学の金子嘉宏教授(ジンズー)。
ジンズーは「子どもたちにとって、学校は学びの場であると同時に、むしろそれ以上に、仲間との『時間の共有の場』だと今回の臨時休校で強く感じた。『仲間との一緒に時間を過ごす』をオンラインでもいいので実現できないだろうか」という思いで本企画の実現に向け、附属小の先生方と準備を行いました。

朝8:30過ぎからパラパラとテレビ会議システムのZoomにログインし、 「わかんな〜い」「ええー」と叫びながらながらも、Zoomの色々な機能を触りどんどん使い方をマスターして、それを互いに教え合う子どもたち。

『遊びながら学ぶ。』を実践しています。

開始時間の9:00には、殆どの子どもたちが使い方を理解していました。
そして各自の簡単な自己紹介から始まったクラスルーム(朝会)では、担任の先生からGoogleフォームを使ったアンケートを配布。

画像1

テーマは「はじめてのZoomクラスルーム朝会」。
「今の体調は?」「春休みにやっていることは?」「5年生になったらやりたいことは?」などの質問に対し、子どもたちがそれぞれ今の状況や考えを入力先生がその場でテキストマイニングツールを活用して、ヴィジュアル化し、文字の大小で、クラスの中で同じ意見持っている人がいることだったり、自分と全然違うことを考えている人がいるという気づきを持ちながら、クラスをコミュニティとして共有していっているように思いました。

最後は、チャット機能を使い、今回のオンラインクラスルームの振り返りを実施。
「ひさしぶりにあえてよかった」「みんな元気そう」「みんなの顔をみて安心した」など、子供たちの素直な声がチャット上を流れていきました。
画像2

この後もいくつかのクラスで社会や音楽などの教科的な要素を入れた実践や、チャット活用したオンライン教室だからこそできる実践が行われました。
担当した先生自身も色々な気づきがあり、見学されていた他の先生方も興味津々で、終了後も技術的な質問や教育面での意見などが交わされていました。

子ども達全員が「ネット環境にはいれるわけではない」という大きな課題はあるものの、時間の共有はオンラインでも可能であり、人を元気づける効果がありそうだということ、この時間の共有をうまく使えば、学びにつなげているではないか、オンラインだからこそできる学びがあるのではないか、という感触が先生方の中にも生まれたのではないかと思います。

日々、変化していく新型コロナウイルスへの対策。

これから新年度を迎える子供たちにとって何が必要なのかの一端が垣間見れた実証実験になったかと思われ、課題を解決いつつ、継続して実践してきたいと思います。

最後に、実践をしてくださった3名の先生方のコメントを掲載させていただきます。

▼小3社会「東京と言えば?!」を担当 上野敬弘 教諭
いつも見ている風景も、他の人が見ると違って見えることがあります。今回の授業では、子ども達に東京都を代表するものについて考えてもらい、一番と思うものをGoogleフォームで作ったアンケートに記入しました。集めたアンケート結果をユーザーローカルテキストマイニングツールを使って分析すると、東京スカイツリーだけでなく、浅草寺や江戸城、国会議事堂や高尾山など東京を代表するものがたくさん出てきました。Web教室ならではの取り組みを通し、様々な見方があることを考えることができました。

小4音楽「鑑賞」を担当 徳富健治 教諭
普段の鑑賞の内容では、子ども各々が感じたことが基になり活動が進むため、「発言できる子ども」が中心となって展開されがちです。そこで、今回のWeb教室で行った鑑賞では、子どもたちに”感じたことを発言ではなく「チャット」で書く”ことを求めました。すると、これまで発言していた子どもに加え、発言していなかった子どもたちも「チャット」を通して積極的に意見する様子がありました。その結果、多くの子どもたちが参加するインタラクティブな授業を展開することができた事が、私にとってWeb教室に大きな可能性を感じたトピックとなりました。

情報部主任 佐藤正範 教諭
竹早小学校のWeb教室で大事にしているのは”ICTを子どもたちの道具として預ける”というスタンスです。初めて繋いだ子どもたちは、好き勝手に操作をして画面共有やチャットなどの機能を見つけたり、自由に発言をして聞き取りづらくなる経験を踏んだりします。実はその経験が重要で、ミュートやイヤホンをつける「お作法」が、経験を踏む事で子どもたちの「便利ツール」となる土台となるのです。これから取り組まれる学校や先生方にも、勇気をもって子どもたちに環境やツールを預け、「共有したい」「コメントし合いたい」となる魅力ある活動をつくりあげてほしいと思います。

企画:東京学芸大学教育インキュベーションセンターExplayground
協力:東京学芸大学附属竹早小学校



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?