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“成功”の構成要素は...「ありがとう」

コロナも落ち着き始めたので2年半ぶりの海外は5年ぶりのカンボジアに行ってきました。

私たち事務所の30周年に日本に招待した里子とも3年ぶりの再会でした。

首都プノンペンは高層ビルが建ち大規模イオンモールができ、国道の舗装も進み13年前には5時間かかった孤児院までの道が3時間ほどになり、それに伴いお菓子や雑貨を売る掘っ立て小屋の隣にセブンイレブンやカフェを併設したガソリンスタンドができて...文明は道路というインフラと共に地方に広がるのだと再確認しました。

ただ、貧富の差はますます広がりひと月5ドルを稼ぐために通学できない子供たちの数はさらに増えているようです。

〇 ありがとうの集まるところにお金が集まる


事業で成功するための価値観(解釈、受取り方)に「資本主義はありがとうの集まるところにお金が集まる社会(ワタミ渡邉美樹氏)」という言葉があります。

儲けるために戦略を練り戦術を変えることは大切ですが、その根底にまず徹底的に「ありがとう」を集める理念がなければ真の成功はつかめません。

同様に、「自己実現の主成分は“ありがとう”でできている(バイオガイアジャパン野村慶太郎氏)」という言葉があります。

自己実現は自分の頑張りだけで掴み取るものではなく「他人実現」による「ありがとう」が自分のもとに集まった結果なのです。
自己実現は「する」ものではなく「される」ものなのです。

成長と成功は他人のありがとうを徹底的に追求した結果得られるものなのかもしれません。

〇 お金を貰えないありがとう

30年以上続けて来た世界中の子供たちへの支援やカンボジアの子供たちへの支援で学んだのは「お金の貰えないありがとう」を通して「お金の貰えるありがとう」の本質を知るということです。

お金の貰えるありがとうの枠の中でいくら努力してもそれは部屋の中からその部屋の内側を観るようなものですが、お金を貰えないありがとうの世界からその部屋を観ると掌の上に乗ったマッチ箱のように見えるのです。

成功できない経営者の典型的な価値観は「ギブ&テイク」、ありがとうをいただくには「ギブ&ギブ&ギブ&...テイク」、つまりお金の貰える貰えないにかかわらずギブを続けられる価値観が不可欠なのだと思います。

ボランティアの世界からそれを学びました。ボランティアをさせていただけたことに感謝です。

〇 ありがとうも貰えないありがとう

今回のカンボジア訪問では孤児院のOB・OG会が催され今までの卒業生70人の約半数の35人が顔を合わせました。

そのうちの大学生25人のうちなんと12人が日本で例えれば東大にあたる王立プノンペン大学の学生です。
フン・セン首相に「奇跡だ」と言わせた実績です。

孤児院を運営するSAJの代表理事渡邉さん(ワタミ創業者)の「焼け石に水でも水を垂らし続けよう」という言葉に感動して続けてきた支援ですが、垂らされた水は硬い石に穴を穿ちカンボジアの教育に風穴をあけようとしています。

その一方で出席できない約半数の卒業生はせっかく大学に入っても中退したり子供ができたり、また犯罪を犯した子供たちもいます。

極貧で食事も満足に摂れない世界から孤児院に入り、お腹いっぱいの食事と勉強する環境を与えられて首相を奇跡と唸らせる大学生になったのに、華やかで遊びや悪いことが充満する都会の中で身を持ち崩していく...
とても残念ですが、それもまた「人間」なんだと気づかされます。

最後にはどんなにその子のことを思いできる限りの支援をしても結局は何もできない世界がある、「ありがとうも貰えないありがとう」の世界。
それは母親の愛にも似た世界なのだと気づかされました。

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