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赤毛のシニア ~ こんな仕打ちが待っていたとは その3~

前回の記事(その2)はこちらです→

12月のアイダホ州ボイシー。アメリカに来て3か月が経過したが、ヨシコさん以外の日本人に会ったことがない。

こんな田舎であっても、Xmasシーズンを間近に控えた人々と街並みの様相は、まさに映画やドラマで観たことがある「これぞアメリカ!」だった。

一年で最もに賑やかなシーズンに相反して、私の心は晴れぬままだった。

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↑留学直後のわたし

ヨシコさんにお世話になっている間、通っていた高校の教頭先生家族が私の次のホストファミリーとなることを申し出てくれたが、学校関係者という理由で留学団体の許可が下りず見送りとなっていた。

Hey, JAP!

ところで、この高校に通い始めた当初から、対応に苦慮することの一つにこんなことがあった。

学校でひときわ目立つ「赤毛」&「真っ青な目」のシニアの女子がいて、廊下ですれ違う度に「Hey, JAP!」と声を掛けてくるのだ。

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↑写真は、帰国間際の太った私とアンドレア&学校新聞の「留学生紹介欄」

「JAP」という差別用語をなんの躊躇いもなく発する彼女に対して「Hi!」とクールに対応すればよいのか、無視すればよいのか、はたまたそんな言い方をすることが不快だとハッキリ言ったほうが良いのか。。。

彼女は「学校新聞委員」でもあり、「ディベート部員」でもあったため、勝てる見込みは無いと判断した私はクールな対応を心掛けるように努めた(笑)

ある時、体育の授業で近くの山までスキーをしに行くと知らされた。たった数回だけの授業とは言え、スキーウェアを持っていなかった私は購入しようか迷っていたところに例の彼女が声を掛けてきた。

なんとなんと、アイダホ州では珍しい「JAP」にスキーウェアを貸してくれるというではないか!しかも、その日の学校帰り、一緒に映画を観に行ってから彼女の家までスキーウェアを取りに立ち寄り、そしてヨシコさんの家まで送ってくれるというフルメニューの申し出だった。

けっこう優しいんだな。敵に回さなくて良かったぁ。。。

放課後の半日を彼女と一緒に過ごす中、諸事情あって私がヨシコさんの家にテンポラリーで滞在していることを知った彼女は、スキーウェアを取りに寄った彼女の家に着くなり、すでに就寝していた両親の寝室のドアを開けてこう言った。

「A Japanese student is looking for a host family. Can she stay with us?」

寝室の奥から聞こえてきたのは

「Ok!Yes!」

あっけなく次のホストファミリーが決まった。その日は時間が遅かったために彼女の両親は寝室から出てこなかった。つまり、私の顔を見ずに返事をしたのだ。

 え?アメリカ人ってこんな感じ?!

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↑お世話になったアンドレアのママ

それ以降、日本に帰国するまでの残りの貴重な時間をこの個性的なキャラクターの彼女に様々なサポートを受けながら、3か月のツラい時期を取り返す勢いで、本当に素晴らしい留学生活を送らせてもらった。

彼女の名はアンドレア。

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↑現在のアンドレア。当時、ブロンドとブルーアイが嫌で、高校時代はわざと赤毛とグリーンアイにしていたのだそう!

次回に続く...

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